先日こちらの記事でご紹介したチーニーの中古靴。
一見大丈夫そうなんですが、実は結構な仕上がりだったのです。笑
最初は全然わかんなかったんですけど、蓋を開けてみるといろいろあったので、中古靴を復活させるお手入れ方法をご紹介させていただきます。
いや、むしろこれが中古靴の醍醐味なのかもしれませんね!
というわけでお手入れしていきましょう!よければお付き合いください!
お手入れに使う道具
今回のお手入れはこの布陣で挑みたいと思います!!
順番にご紹介していきます!
靴の中をアルコールで消毒
ティッシュにアルコール(消毒用エタノール)を染み込ませ、靴の内側、特につま先のあたりを念入りに拭き取ります。
こんな感じの衝撃的な結果に…。笑
靴下やホコリなどの繊維がごっそり取れますね!
いや、これは自分の靴でもこうなりますからね。中古靴だから、ということはないんです。笑
除菌・消毒のため、アルコールを染み込ませたティッシュでインソールを全体的にポンポンします。
甲の内側にデリクリ
この靴、クリームでのお手入れはされていたようですが、恐らくシューツリーは使われてなかったようです。ソールがかなり反っていたのと、アッパーのシワもかなり深く入っているからです。
というわけで、靴全体を保湿して柔らかくすることによって、靴を本来の形に戻していこうと思います!
保湿のためのデリケートクリームを塗りました!
今回はアッパーもソールも靴全体で型崩れしているので、まだこの段階では効果はイマイチわかりません。
でも甲のシワを伸ばすためには必要な工程だと信じています!
クリーナーで汚れ落とし
ツーフェイスプラスローションで古いクリームを落とします。
こんな感じで濃い色のクリームが落ちていきます。
レーダーオイルで栄養補給
アッパーにも栄養補給して、靴の形を整えやすくしていきます。
レーダーオイルを塗っていくわけですが、ここで事件です!
汚れ落としをしたはずなのに…
まだまだ落ちる…!
ほんとに、恐ろしいくらい落ちる…笑
これを見ると前の持ち主の方、クリームをしっかり落とすということをあまりされていなかったのかもしれませんね。布が一枚まっ黒になったので、クリームを重ねに重ねた状態だったんだと思います。
本来レーダーオイルは汚れ落としなので、こう言った古いクリームを落としながら、栄養補給もできるという優れものなのです。
なので、新品の靴を履き下ろす前に使うのがすごくおすすめです!
ある程度クリームを落としたら、全然違う色の靴へと変わりました。笑
これが本来の色なのでしょうか。
ちなみに、最初の色はこちら。
ビフォーアフターで靴の色が全然違います。笑
でもレーダーオイルのおかげで革はだいぶ柔らかさを取り戻しました。良い感じです!
ちなみに、レーダーオイルを塗りすぎると、油分のせいでクリームやワックスが乗らなくなります。
なので、2〜3日寝かせたのち乾拭きをして油分を拭き取ってあげてください。かなり根気のいる作業になるので、レーダーオイルの塗りすぎには注意してください!
クレムのダーブラはお役御免
というわけで、色が変わりすぎてしまったので、あらかじめ用意していたクレムのダークブラウンはお役御免となりました。笑
また別の機会に使いたいと思います!
つま先のイケてなさ
あと、この靴のつま先がちょっとイケてないのは、コバというかソールが反っちゃってるからなんじゃないかと。
なので強引につま先の反りを戻していきます。
硬いので苦労しましたが、向かって右側だけやってみました。
左:そのまま、右:ソール反り解消後
ちょっとはよくなりましたね。
つま先は摩耗がひどいので後日スチールをつけてもらうことにします!
トゥスチール装着!
トゥスチールで補強することによって、つま先の反りを予防します。もちろん、つま先の摩耗を予防するためでもありますね!
過去に自分でスチールをつけたこともありましたが、中古靴ゆえソールも薄くなっているし、自分でやるのは心配だったのでプロにお願いしました。
ただ、自分でつけたスチールも今のところ全然問題は感じていません。
ワックスを乗せて完成!!
今回はダークブラウンのワックスを使いました。当初より靴の色が明るくなったので、程よいアンティーク感が出て、いい感じなんじゃないでしょうか?
他の色も試してみたいところです!
洗うのもあり
古いクリームを落としたことによって隠れていた雨ジミが出てきたり、すでにかなり履きこまれた様子があったので、サドルソープで丸洗いしてもよかったかなとも思っています。
すでに塗り込んでいたレーダーオイルを洗い流して、また塗って、という作業が面倒だったので断念しました。笑
早く鏡面をして履きたかったのです。
自分の欲望に忠実に生きています。
中古革靴を買うときの注意点
結構ソールが薄くなっていましたが、ヤフオクで見ていたときはかかとがそれほど削れてなかったので予想はしていませんでした。
また、古いクリームを落としたら、色が全く違う靴になりました。笑
僕はこの色も好きなので全然気にしてないのですが、中古靴には『写真ではわからない隠された何か』がある可能性は十分あります。笑
なので、必ずリスクがある可能性を想定しておいてください!
もしかすると、修理が必要だったり、お手入れ用品が余分に必要だったりすると、結果中古で買った靴以上のお金を払わないといけなくなってしまいますからね!
何があるかわからないスリルも楽しむくらい楽観的な気持ちで挑んでください!
良い中古靴に出会われた方は是非試してみてください!
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
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たまにありますね。
僕なら迷わずサフィールのレノマットリムーバーで1回全て除去して
リッチモイスチャーとソールオイル塗ってシューツリー入れて1日寝かせて
翌日
馬ブラシかけてから
カカオかエスプレッソのアーティストパレッドを塗りこんで磨いて光らせるでしょうね(笑)
磨き屋としてはボロボロの方が楽しいですよね!
ハンデを持つシューシャイナー 5160さま、コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、ボロボロの靴をお手入れするのは燃えますね!
僕もリッチモイスチャー好きです。全然出てこないので使いにくいですけど、よく使ってます。
二件目のコメントさせていただきます(*^◯^*)
タピールでの汚れ落とし画像、衝撃的ですね笑
私も靴にはまり始めた当初は毎回ステインリムーバーでクリームを落とし、色付きのクリームを塗って、、、。今思うとゾッとします。きっと靴が泣いていました汗
それなりの靴屋の店員さんでも、「毎回クリームを入れて、仕上げに防水スプレーをすると靴が長持ちしますよ」とか平気で言っちゃう日本では、こんな事案が多々あるのでしょうね。悲しいです。
ちゃんと汚れが落ちていて、油分の入っている靴は色抜けも雨染みもよほどなことがない限り起きないし、リカバリーも容易だと経験上感じています。
くすみさんをはじめ、本格靴手入れのプロガーさんたちの記事を理解できてから、本格靴の世界に飛び込んでくれる人が増えることを願っています!!!
スーさま、コメントありがとうございます!
ちょっとびっくりでした。笑
でもやりがいがあっておもしろかったですよ。汚れ落としとクリームで補色と艶出しをして…というのは決して間違いではないと思うのですが、仰る通り過度にやる必要はないんですよね。慣れてこないとこの感覚はなかなかわからないところかもしれないので、伝えるのも難しいのですが、靴を大切にしてもらうお気持ちが大事かなと思っています。
綺麗な靴は気分がいいですもんね!