世界唯一の靴の専門誌”LAST”をご存知だろうか
世界唯一の靴専門誌を謳っているLASTは、自分の知らない革靴の価値に出会える本でした。
先日、靴磨き日本選手権がありましたが、そのときの審査員としてこのLASTの編集長・菅原 幸裕さんもいらしてましたね。
選手権の数日前にamazonでポチってすでに本が手元にあったので、あぁこの人が編集長さんかぁと拝見してました。
そんなLASTとの出会いを文の体裁など気にせず、僕の思ったとおり乱暴に書き綴っていきたいと思います。
まず、専門誌ということばに不慣れな僕は、何が書いてあるんだろうとその内容に想いを馳せるわけですが、ブランドごとの靴を紹介するページがほとんどを占めているので、最初パラパラとページをめくった時は正直がっかりしました。
ほとんどカタログやないかと。
でも、はじめのほうの記事を読み始めると、そんな思いはなくなりましたね。
世界の靴職人さんを紹介している記事だったりするんですが、僕のような既成靴しか履いたことのない、ブランド名しか知らないような人間は、職人さんの言葉や、靴を作る工程を知るだけで「こういうところに革靴の魅力があるのか!」とか、「そんなところ気にしたことなかった!」というような、『今まで知らなかった靴の価値』を思い知らされます。
まず個人的にご紹介したいのが、写真!
こういう写真たまんないんですよね僕。
こういう写真ですよ。
たまんない。
ただ、こういう写真以外にも職人さんたちが生み出す靴の写真もたくさんあって、それだけでも充分楽しめます。
そもそも僕ごときが知っている『革靴』というのは、ある程度有名なブランドの大量生産された靴なんですよね。間違いなく。
なので、まず単純にこういう職人さんが自らの手で生み出す靴を見て思うのは、素材も違えばデザインも違うし、何より細部へのこだわりが圧倒的に違う、ということでした。
文字通りラストが語源になっている本誌ですが、みたこともない形の靴だったり、思いがけないところでカーブを描いている靴だったり、逆に極限と思えるほどシンプルな形のストレートチップだったりと。
自分の知らない形の靴にたくさん出会うことができました。
あんまり雑誌とか買わないで生きてきたので余計にね。
単純に靴の形状の話だけじゃなくて、あり方としての形とでも申しましょうか。伝統的なブローグの靴かと思いきや、実は斬新な形になっていた!みたいな。
革靴って昔から変わらない形がすごく多いじゃないですか。もちろんそれが魅力でもあるんですけどね。
その”伝統的”であることもとても尊いものなんですけど、でも、きっとこれから靴を作る職人さんは、今までの”伝統”を作る技術を身につけた上で、さらにそれ以上の価値を求めて靴を作る活動をされていくはずなんですよね。
きっと音楽やファッションのような文化にもあてはまるものだと思うんです。
みんな新しいことをやりたいじゃないですか。もっといいものつくりたいじゃないですか。
技術が向上すればできることも増えるしより複雑なものが生まれるんだけど、ふとした時にシンプルイズザベストの発想に回帰したり、みたいな。
そういう伝統的でありながら、その中に価値を見出す職人さんの想いが存分に伝わる記事が僕は一番おもしろかった。
なんというか職人さんたちの作品からその人の知性がにじみ出ているような、そんな感覚を覚えました。
記事の本文からそう思ったのかもしれませんが、なんかそういう気分に浸れる本でした。
靴の文化に価値を見出している人たちが紹介されている本であると、そんな印象を受けました。
本誌の大半を占める靴を紹介するカタログ的ページにも、一部靴やブランドごとに説明が添えられています。
僕は割と自分の靴の好みが偏っているという自負があるのですが、今まではそれほど興味が無かったようなデザインの靴でも、その説明があることによって一気に見え方が変わったりするんですよね。
ブランドもそう。
このブランドはちょっと僕の趣味には合わないよなっていうブランドって正直あるじゃないですか。
でも、そんなブランドでもこんなデザインの靴もあるんだ、なんてちょっと違った見方になるんですよね。
もちろん覆らないデザインの靴やブランドもあるんですけどね。笑
それだけでこういう雑誌を買ってみる意義がありますね。
いつもと違う靴に出会える。
ただ先ほどもご紹介しましたが、カタログページがほとんどの本にお金を払いたくないという方にはおすすめできないかなって思います。
たしかに僕も、もっと記事が読みたいかなっていうのが正直な感想ですが、これだけでも知らなかった世界を知ることができたので、買ってよかったって思ってます。
僕も初めて買ってみたので、バックナンバーがどういう特集かっていうのも気になるところですね。
定期的に発行されているようですが、月刊誌ではないようです。
そんな靴の専門誌LASTのご紹介、というか僕の感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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