まとめブラシ

靴磨き用ブラシの違いと種類の使い分け方を徹底的にご紹介!【おすすめブラシ】

小さいサイズのスエードタッセル入荷!
まとめ

 

靴磨きに欠かせない道具のひとつが、この『ブラシ』です。

 

しかし、馬の毛だとか豚の毛だとか、何だかいろんな種類があるとかないとかで、どれをどう揃えたら靴磨きができるのか…と思われている方もいらっしゃるようです。

 

 

なので、今回はブラシの種類や使い分け方などを詳しくご紹介したいと思います。必ずしも全部を揃える必要はないので、ぜひお好みに合わせてブラシを選んでみてください。

 

これから靴磨きや靴のお手入れをはじめたいと思われている方に読んでいただきたい記事です!
ちょっと長くなってしまいましたが、よろしければお付き合いください!

 

 

 

靴磨きに必要なブラシの種類

革靴のお手入れに使うブラシは、基本的には2種類。
場合によっては3〜4種類、さらに人によってはそれ以上という感じです。

 

 

まずは、こちらをご覧ください。

 

 

これらの動物の毛でできたブラシを使うのが一般的ですね。

  • 馬の毛
  • 豚の毛
  • 山羊(ヤギ)の毛

 

使う順番は馬、豚、そして山羊

ブラシを使う順番は靴磨きの順番によって決まっています。
基本的にはこの順番。

 

  1. 馬毛ブラシで、土やホコリなどを落とす
  2. 豚毛ブラシで、靴に塗ったクリームをなじませる
  3. 山羊毛ブラシで、鏡面磨きの仕上げをする

 

ただ、ブラシの種類はこれだけじゃないので、後ほど詳しくご紹介していきます!

 

 

馬毛ブラシの使い方

 

馬毛ブラシのご紹介です。
馬毛ブラシは、毛の密度が比較的濃く、毛足が長いのが特徴的なブラシです。しなやかで弾力(コシ)のある馬の毛は、靴の土やホコリを落とすのに最適です。

 

 

クリーナーなどで汚れを落とす前に使います。
また、一日履いた靴をサッとブラッシングしてあげることで、革をキレイな状態に保つことができます。

 

費用頻度としては、ほぼ毎日使うブラシなので非常に大切なブラシです!

 

毛足の長さについて

 

毛足の長さも2〜4cm程と、いろんなブラシがありますが、長い方が細かい隙間のホコリを落としやすいですね。

 

サフィールのでかい馬毛ブラシレビュー

 

馬のたてがみを使っているものと、しっぽの毛を使っているものがあるようです。たてがみの方が一般的で、柔らかくホコリ払いに適しています。

 

逆にしっぽは少し弾力が強く、次にご紹介する豚毛に似ています。ただ、豚毛ほどのコシは無いので、デリケートな革にクリームをなじませる際に使われることがあるそうです。
また、しっぽの方が貴重な毛なのだそうです。

 

大きさとサイズについて

小判形の手に収まりやすいものから…すごく大きなサイズのものまで様々です。

 

大きければそれだけ少ないストロークで革に毛を多く当てられることになりますが、コバやタンなどの細かい隙間のホコリをかき出すには、持ちやすさを重視した方がいいかもしれませんね。
それぞれ特徴を知っていただいた上で、個人的には使いやすい方を選んでいただければいいと思います!

 

馬毛ブラシのお手入れ

馬毛ブラシ使用後は、特にお手入れをすることはありません。

 

というのは、長く使っているとブラシの毛がクリームなどに含まれる養分や油分を吸って、クリームを塗らなくても革に栄養を与えることができるようになるからなんです。
ブラシが育つ』という表現を目にしたことがある方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?
なので、気にせずガシガシ使えば大丈夫です!

 

 

ただ、長く使っていると、少なからず毛の間にホコリが溜まります。
別にそれほど気にする必要はないと思いますが、もし「どうしても気になる!」という方には、ブラシをケアするブラシがあるので、よければ試してみてください!

 

 

 

豚毛ブラシの使い方

 

次は、豚毛ブラシのご紹介です!
豚毛ブラシは、馬毛に比べるとコシが強いのが特徴的なブラシです。
クリームを馴染ませるだけでなく、革にクリームを馴染ませるのに適しています。

 

豚毛ブラシはクリームを塗った後に使います。
革にグイグイとクリームを押し込むイメージで、少し強めにブラッシングしても大丈夫です。(革質によってはデリケートなものもあるので、傷つけるんじゃないかと心配な方は、はじめは力を入れすぎない方が安全かもしれません。)

 

 

また、強めに素早くブラッシングすることで、豚毛特有の毛の硬さで摩擦熱が発生し、その熱によってクリームがより革へ浸透しやすいという効果もあるようです。

 

クリームの色ごとに使い分ける

 

できれば、豚毛ブラシはクリームの色ごとに分けてもらうといいです。
理由は、ひとつのブラシで使い回しをすると、革に他のクリームの色が移ってしまう恐れがあるからです。

 

例えば、茶色の靴に黒のクリームの色が移ってしまうと靴の見栄えも変わってしまいます。最初はあまりわからないかもしれませんが、徐々に徐々にクリームの色が移っていきます。

 

ただ、ブラシもそれなりに高いものなので、いきなり買い揃えるのも難しいと思います。
なので、黒から初めてもらって徐々に色を増やしてもらえたらいいかなぁと個人的には思っています。

 

 

豚毛ブラシの毛の長さ

豚毛ブラシは色ごとに揃えていただくことをおすすめしていますが、安価なものは毛の長さが短く、土踏まずのような入り組んだ場所に毛先が届きにくいです。
その点、7,000円や10,000円、もしくはそれ以上の高級な豚毛ブラシは、毛足が長く細かいところまで届きやすくなります。

 

ただ、高いです。笑

 

化繊のブラシ

豚毛のコシと同等の強さを持つナイロンの化学繊維素材のブラシもあります。

 

 

本物の豚毛よりはリーズナブルですし、全然使い勝手は悪くないです。
ただ、豚毛も馬毛と同様に使っていくうちに育っていくんですが、個人的には本物の豚毛の方が育てがいがある気がしてます。

 

豚毛ブラシ使用後は…

豚毛ブラシもクリームの成分が毛に馴染んでブラシが育ちます。
なので、特に掃除をしたり洗ったり、という必要はありません。

 

ただ、オイルを塗りすぎてた靴をブラッシングしたりすると、ブラシに油分が残ってしまいます。
その時は、雑巾に40℃程度のお湯を浸し、毛をグリグリ擦り付けて上げると油分は落ちやすいです。

 

こちらの記事でもブラシの洗い方をご紹介していますので、よければ参考にしてみてください。
> 豚毛ブラシの洗い方

 

 

繰り返しになりますが、僕みたいにいろんなことを試さなければ失敗はしないので、基本的には洗う必要はないです。笑

 

 

山羊毛ブラシの使い方

 

次は山羊毛ブラシのご紹介です。
山羊毛ブラシは、他の毛に比べると毛が柔らかく、密度が濃いのが特徴的なブラシです。
基本的なお手入れには必要ないのと、馬毛と豚毛よりも値段が高い場合が多いので、必ずしもなくてはならないものではありません。

 

鏡面磨きをした後、靴全体の表面を整える目的で使います。

 

鏡面磨きの後の仕上げ用ブラシ

鏡面磨きはワックスを使って主につま先やかかと、こんなふうにピッカピカに光らせる仕上げです。
鏡面に施したワックスは柔らかいので、馬毛や豚毛のブラシでブラッシングすると簡単に傷ついてしまいます。

 

しかし、山羊毛は毛が柔らかいので、鏡面を傷つけることなく靴の表面を整えることができます。
さらに、つま先とかかとに施したワックスを全体的に馴染ませるという役割もあります。

 

また、靴にホコリがついてしまったとき、山羊毛なら鏡面をキズつけずホコリを落とすことができます。

 

ブートブラックの山羊毛・あのフィニッシングブラシは洗顔に使いたい
...

 

買うなら高いものを買った方がいい

 

山羊毛ブラシだけは、ちゃんとしたものを買った方がいいです!
3,000円程度のものもありますが、7,000〜10,000円する山羊毛ブラシと比べるといろいろ違いが見えてきます。

 

3,000円のものでも使えないことはないんですが、やっぱり高級なブラシは毛の柔らかさが違います!
あと、抜け毛も少ない。触り心地も違います。

 

 

ただ、山羊毛ブラシを買ったからと言って、鏡面磨きの技術が劇的にアップするというものではありません。笑
そこは、勘違いしてはいけないところです!

 

コロニル1909の山羊毛ブラシレビュー

ブートブラックのフィニッシングブラシレビュー

 

 

その他のブラシ

最初に、3〜4種類かそれ以上と書きましたが、他にもブラシの種類がたくさんあります!

 

必ずしも必要というわけではありません。
でもこんなのもあるんだってことをなんとなくでも覚えていただけたら嬉しいです!

 

ペネトレイトブラシ

 

ペネトレイトブラシはクリームを塗布するときに使うブラシです。

 

コバの隙間や穴飾りなど、指や布でクリームを塗るより、細かい部分に届きやすいブラシです。
また、クリームが直接手に触れないので、手が汚れにくいというメリットもあります。

 

 

ただし、ペネトレイトブラシは、クリームを塗ったまま放置しておくと、クリームの成分が固まって毛先がゴワゴワになってしまいます。
なので、定期的に洗ってあげるのがよいでしょう。

 

40℃程度のお湯でゆすいであげればクリームは落ちますが、クリームに含まれる植物性ワックスの融点はもう少し高い温度なので火傷しない程度に高い温度のお湯だと、より綺麗にお手入れができると思います。

 

 

ワイヤーブラシ

ワイヤーブラシは、スエードやヌバックなどの起毛革のホコリやを落とすためブラシです。

 

真鍮などの金属のブラシで、起毛革の毛並みを揃える効果もあります。

 

 

クレープブラシ

クレープブラシも、スエードやヌバックなどの起毛革のホコリやを落とすためのゴム素材のブラシです。

 

クレープブラシはワイヤーブラシに比べて、革を傷付けにくいと思われます。

 

 

コバブラシ

コバブラシは、こういった持ち手のついたブラシです。

 

コバの汚れを落としにも使えますが、細かい部分にクリームを塗るという用途でも使える汎用性の高いブラシです。

 

 

 

初めての方へおすすめのブラシ

初めての方はリーズナブルなものであれば手が出しやすいのではないでしょうか?
個人的におすすめのブラシをご紹介させてください。

 

まずは馬毛ブラシです!

 

 

これは僕も使っていてよくわかるのですが、リーズナブルだけど十分使えるブラシです。
靴磨きをはじめてみたい方には、おすすめしたいブラシです。

 

 

次に豚毛ブラシです!

 

 

このブラシがおすすめの理由は、1つ1,000円以下という値段です!笑

これだけリーズナブルだと、クリームの色ごとにブラシの数を揃えやすいですよね!

 

山羊毛ブラシは是非いいものを買ってください!笑

 

 

いつか手に入れたい高級ブラシ

上で、ご紹介したようなブラシは割と安価なものです。
全然使えるものなので個人的には自信を持っておすすめしているのですが、もしご予算に余裕のある方はこういった高級なブラシも検討されてはいかがでしょうか?

 

こちらの記事で浅草のブラシ屋さんを巡りをしたときの様子をご紹介しています。
靴磨き用の高級手植えブラシを求めて

 

ひとつ特徴として、高いブラシは職人さんによる手植えのものが多いです。手植えブラシのメリットは、毛が抜けにくいことや毛の質も良いものが使われている場合が多いです。
また、毛足も長く贅沢に使われているものも多い印象です。

 

江戸屋

 

1718年創業のブラシ屋さんです。300年ですよ。歴史がすごいです。
青山のBrift Hさんや、コロンブスのBoot Blackシリーズのブラシでも、江戸屋とのコラボ商品が販売されていますね。

 

ただ、江戸屋さんのブラシは売ってない!ネットショップでも売ってないし、Brift HのブラシもずっとSOLD OUTになってますね。
極々たまに販売される時があるので、そこを見逃さないようにアンテナを張っておくしかありません!

江戸屋ネットショップ

 

かなや刷子

 

1914年創業のブラシ屋さんです。
靴ブラシだけなく、ハケや筆などもたくさんあるようです。浅草にお店があるのと、ネットショップでも購入可能です。

かなや刷子のネットショップ

 

紗乃織刷子(さのはたぶらし)

シューケアブランドR&Dから販売されているブラシで、日本の職人さんが監修されているものです。
おそらくネットで買えるブラシなので、機械植えのブラシだと思われます。

 

 

というか、手植えのブラシの特徴としてブラシ上部に釘が打たれている、というのがあります。
こちらのブラシは素材にこだわっているため、それなりに高級なブラシになっているのではないかと思います。

 

山田ハケブラシ製作所

※Google画像検索より

 

神保町と九段下の中間にあるブラシ屋さんです。
webサイトやネットショップはなさそうです。

 

ただ、この上の写真のようなブラシ、ご覧になったことがある方も多いんじゃないでしょうか?『天下一品』や『大極上』と印字されているブラシです。

 

職人さんのこだわりとプライドを感じるブラシです。

 

平野ブラシ

 

以前は紗乃織刷子同様、R&Dから販売されていましたが、今は販売終了になってしまいまいsた。

 

平野ブラシさんのブランドはまだありますが、靴ブラシは少なめです。

平野ブラシのネットショップ

 

 

ブラシの形

いろんなブラシをご覧いただいておわかりだと思いますが、ブラシの形には小判形のものと長方形のものがありますね。

 

大きい方がブラッシングする回数が少なくなりますが、持ち手の角を靴にぶつけるたりすることもなくはないですね。
だからと言って小判形のものでも持ち手を靴にぶつけちゃうこともあります。笑

 

だから個人的には、使いやすいものを選んでいただければいいかなって思ってます!

 

 

 

東急ハンズとかに行くと、シューケアコーナーにズラッとブラシが並んでいます。
ご予算にあったブラシをいろいろ触ってみてもらって、使いやすいと思ったものを選んでもらうのがいいと思います!

 

ちなみに、手植えブラシの多くは小判形のブラシのように思います。
機械植えの場合は長方形の方が作りやすいとか、そういう事情もあるかもしれませんね。

 

僕は別に正解はないと思ってますので、選ぶ過程も楽しんでいただければと。

 

 

最後に

クリームは乾燥したり多少劣化したりしますが、ブラシは良いものを買えばずっと使うことができます。特に良いブラシは抜け毛も少ないので、長く使うには良いものを買った方がいいと…思ってはいます。

 

でも他にも欲しいものがたくさんあるので、焦らず徐々に増やしていくスタイルで僕は楽しんでいます。

 

 

みなさんも是非、ご自分に合ったブラシを探してみてください!

 

 

ちょっと長くなりすぎました…笑
最後までお付き合いいただきありがとうございました!

革靴の磨き方もご紹介していますので、よければこちらの記事もご覧ください。

 

初心者でも簡単な靴磨きのやり方【手順・革靴手入れ・クリーム仕上げ・おすすめの道具】
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  1. エスシ より:

    いつも楽しみにブログを拝見しております。
    革靴初心者なもので、質問させていただきます。

    靴クリームが無色の場合でも、ブラシは靴の色ごとに分けたほうがいいんでしょうか?
    自然な風合いを楽しむために無色のクリームのみで手入れしようと思っているのです。

    • くすみ より:

      いつもありがとうございます。
      革の染色方法によってわずかに色が抜け落ちる場合があるので、めちゃめちゃ神経質な方は分けた方がいいかもしれませんが、無色のクリームやオイルの場合はブラシを分けずに使っていますよ。基本馬毛ブラシでやっていますが、今のところ全く問題はありませんよ。
      風合いを楽しむために、無色を選ばれるというのは僕は賛成です。参考になれば幸いです。

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