ロンドンのジョージクレバリーのお店で履き比べをさせていただいたジージクレバリーとアンソニークレバリーの靴。(こちらの記事)
特にアンソニークレバリーのサイズ5の履き心地と見た目のエレガントさは忘れられませんでした。しかし残念ながらロンドンのお店にあったサイズ5のモデルはストレートチップのみ…。
サイズが合うというだけで革靴を買うのはもったいない!とケチった…思いとどまった結果、やっぱり帰国してもあの形が忘れられず…。
アンソニークレバリー [Anthony Cleverley] のチャーチル [Churchill] のご紹介です。
チャーチル [Churchill]
外側
ウィンストン・チャーチル氏のビスポークシューズがモデルになっていると言われているチャーチルですが、やはり一番の特徴は、このサイドエラスティックとイミテーションブローグかと。
内側
後で気がついたんですが、ウィンストン・チャーチル(ゲイリー・オールドマン主演)っていう映画をロンドン行きの飛行機の中で見たので、ちょっと運命的なものを感じてドキドキしております。
サイドエラスティック
まずはこのサイドエラスティック [elastic] の部分。
革の裏にゴム系の素材が貼られているため、写真のようにけっっっこう伸びます。この伸縮によって靴紐を結ばず、スリッポンのように履けるのがこの靴の特徴です。
夏は暑いとか紐がめんどくさいとか言って、ローファーばっかり履いてる怠惰な僕には非常に嬉しい一足です。
長く履いてるとこの部分のゴムが伸びてしまってビロビロになっちゃったりするんでしょうか。そこはちょっと心配ですが、もしそうなったら交換修理で対応しましょう。
レイジーマンという異名
怠惰といえばですが、こういうタイプの靴をレイジーマン [lazy man] なんて呼んだりもします。レイジーは「めんどくさい」という意味の形容詞。また、靴紐も模擬的なもので、イミテーションレースなんて呼ばれたりもします。申し上げたとおり、靴紐を解く必要もないしシューホーンだけあればサクッと履けます。
一見きちんとした紐靴のように見えるけど、楽に履くことができるという意味でレイジーマンという名が付けられているわけです。
靴紐の長さがだんだん変わっていくあたり、いやぁいいですね。
個人的には、人間の怠惰な部分にフォーカスしたネーミングではなく、人類がより便利で快適な生活を求めて生み出した、この画期的なデザインを讃えたネーミングにしてほしかったですね。
イミテーションフルブローグ
イミテーションブローグです。
このウイングチップのようなデザインは、通常ウイング(羽)型に革のパーツを貼り合わせて作られているものが多いです。しかしこちらはトゥの部分は革の継ぎ目がなく、1枚の革にステッチとブローグのみで仕上げられています。
先ほどのイミテーションレースと同じく、模擬的なもの。
メダリオン
メダリオン。つま先に施された穴の模様です。
メダリオンも穴が小さめで割と主張も控えめです。靴全体のイメージを損なわないサイズ感。
メダリオンにはいろんな形があって、中には羊の顔を模したものもあると聞いたことがありますが、これはなんとなく羊に見えなくもないですね。
クレバリーのチゼルトゥ
全体的に滑らかな流線型を保ち、デザインに馴染む、攻めすぎないチゼルトゥです。この写真だとそんなにわかりませんが、磨けば光の反射でもっと形がハッキリ浮き出てくると思います。
このねじれ具合
ご覧ください、このねじれ具合。靴底の面から履き口に向かって斜め方向に伸びているのがわかります。こんなにねじれた形なのに、どうやって吊り込んでるんでしょうか。平面の革がこんなにも立体的で複雑な形になるんだから、不思議でならない。
こんな風にいろんな角度から
土踏まずのあたりもかなり絞られていて、いろんな角度から眺めるのが楽しい靴でもあります。
履き心地や歩きやすさにも影響してきそうですが、それは後ほど!
シューツリー
青が憎い!
純正のシューツリーにもねじれが見られます。
市販のシューツリーは平面に置くとぺたんと接地しますが、これは純正のシューツリーということもあり、そうはいきません。いい意味で。
つま先は薄く、甲へ向けてグッと立ち上がっています。
ツリーだけでも美しい
あと、単純にこの木目がうっすら見える青色の仕上げが素敵。木は結構軽いです。ちなみにこのツリー、ねじれているせいかなかなか靴から抜けません。笑
むしろこんな薄くて美しいツリーが合う靴に、僕の足が入るのか…。それが心配です。(試着済みですが
ヒールカップとかかと
ヒールカップも他のブランドと比べると、だいぶ小さめです。芯材も範囲が広い割に薄くてスッキリして見えます。ヒールカップの曲線も既製靴には珍しい仕上がりです。
それに伴いかかとの積み上げも細めで、下にいくほど細く仕上げられているピッチドヒールになっています。
かかとが小さいと野暮ったさがなく、トゥ側のシェイプも相まってすごくエレガントです。
ヒールもエレガント
ソールとベベルドウエスト
ソールの仕上げは出し縫いが見えないヒドゥンチャネル。全面黒く染めた『カラス仕上げ』でウエスト部分がグッと持ち上がった『ベベルドウエスト(べヴェルドウエスト)』。もはやビスポークシューズに近い、手の込んだ仕様です。
ウエストもかなり絞られてますね。それに伴い、土踏まずもかなり攻めてます。
ボンキュッキュ仕様
革質
革質は非常に
手触りも柔らかくすんごく滑らか。キメの細かーい革です。これはきっと簡単に光ること間違いなしです。
やっぱり少しツヤが出るだけで一段と色気を放ちます。まだ新品らしい硬さは残っていますが、エイジングが楽しみです!
あ、新品の靴にはプレメンテナンスしてくださいね!いいから黙ってしてください。
サイズ感と履き心地
鏡面はイマイチでした…笑
最初にも書きましたが、この靴のサイズは5です。
僕のサイズは23.5cmですが、それに対して薄めの靴下でジャストサイズって感じです。
やはり紐靴ではないため、履き口あたりの微妙なサイズ調整ができません。
ローファーに近いサイズのシビアさはありますが、ローファーよりも履き口の高さは高いので甲が固定される感覚は強いです。
履き下ろしたばかりなので当たり前なのですが、まだソールが硬いので返りが良くなく、足を蹴り出すタイミングでかかとが少し浮く感じがあります。もう少しソールの返りがついて、かかとが歩行のペースについてくるようになるともっと歩きやすくなる気がします。
鏡面がイマイチと思われるかもしれませんが、それは違います。
革質の良さを活かした自然なツヤを意識した磨きをした結果のゴニョゴニョ…
最後に
全然関係ないんですが、エドワードグリーンの888ラストと形が似てました。
でもアンソニーのシューツリーは888には入りませんでした。(この靴のご紹介はまた後日
トゥの形状はブランドによって違いがあって、それもまたそれぞれのブランドらしさが出ているようにも思います。
メダリオンは結構似てますが、ウイングチップのイミテーションブローグのステッチの細かさや、パーフォレーションの穴のサイズが違うだけで印象にも差が出ますね。
おもしろいところです。
ちょっと余計なことをしてしまいましたが、とにかく非常に美しい靴です。アンソニークレバリー・チャーチルのご紹介でした!
気になった方は伊勢丹や三越の紳士靴売り場でご覧になってみてください!
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
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なんですかこの靴は
とうとうクレバリーまでたどり着いてしまいましたか
これはもう後戻りできないですよ
これはすごいですね、、(なにがや
めっちゃ靴に雰囲気が漂ってますね、
履く人へのプレッシャーがすごそう(冗談です
気品高いくすみさんにぴったり
今後楽しみすね、ご馳走さまでした!
くるくるさま、コメントありがとうございます!
そうですね、後戻りするつもりはないのですが、一方でこのゴールの見えない趣味との付き合い方は慎重になった方がいいと思っているところです。笑
こんなゴージャスな靴を履きこなせる大人になっていこうと思います。(32歳現在
今後もご期待ください!ありがとうございます!