革靴ジャーナル.
LEATHER SHOE JOURNAL.
オピニオン

四十にしてサンダルを覚える

更新: 2026.08.08
四十にしてサンダルを覚える

「四十にして惑わず。」

 

そんなことを孔子は言ったようですが、僕ごときが「それな」というのは、おこがましすぎるけど、ちょっと、ほんのちょっとだけ、わかる気がしてきました。

 

20代の頃は不器用で、仕事もロクにできず、世間知らずで、圧倒的な社会不適合社でした。(いや今でもですが…)
仕事はできないくせに、街に出るならちゃんとした格好をしなければいけないみたいな、謎の使命感があり、きちんと見られたい願望だったのか知らないが、靴の興味関心もフォーマル寄り・ドレス寄りなものを多く選んでました。
なんというか、いつもどこか気を張ってたんですね。

 

さて、孔子曰く「三十にして立つ」、つまり「自らの学問や生き方の基礎を築き、自身が自立したこと」を唱えたようですが、その点僕はまったく立ててません。40目前で、ようやくスタートラインに立ったくらい。笑

 

 

ただ、苦しい20代を経て、30代半ば頃から、いい意味で徐々に肩の力が抜けるようになってきました。

 

仕事は一生懸命やってますが、最近は自分の得意なことも不得意なこともわかってきたし、力の抜きどころがわかってきたというか、自分らしく生きれるようになったというか…。
良くも悪くも諦めがついて、無理なく人生に向き合えるようになった気がします。

 

そんな心境の変化もあり、別に誇れることでもなんでもないが、Tシャツ短パンでも、平気で街に買い物へ行けるようになりました。笑

 

 

サンダルを買う理由が欲しかった

そんなこんなでございまして、最近では仕事へ行くのもTシャツと短パン。実に快適。
40を目前に、身だしなみとかTPOという言葉は、衣替えのときに洗濯して冬服と一緒に畳んで、クローゼットに収納してしまったようです。

 

いや、この暑さはムリだって…

 

革靴はもちろん好きだけど、Tシャツと短パンだと艶革は合わせにくいし、カジュアル寄りのゴツめの靴もアンバランスだし、そもそも紐靴は暑いというか見た目的にも重いし、スエードローファーは十分持ってるし、じゃあどうすんの?となったとき、このネガティブな思考はすべて、最近知ったブランドの、気になってるサンダルを買うための理由であることに気づきました。

 

 

 

スイコック [suicoke] というブランドのレザーサンダル。
KISEE-S というモデルです。

 

  • model : KISEE-S
  • color : taupe
  • size : US5.5
  • material : natural leather / synthetic sole
  • footbed : original footbed
  • outsole : original outsole

 

 

スイコック [SUICOKE] について

 

スイコック(SUICOKE)は、2006年に日本でスタートした高品質なフットウェア(シューズ・サンダル)ブランドです。代表的なアイテムである機能的なスポーツサンダルは、世界的なソールメーカーであるイタリアのVibram(ビブラム)社と共同開発したオリジナルフットベッドやソールを搭載し、優れた履き心地と洗練されたデザインで国内外から高い人気を集めています。

出典:https://www.houyhnhnm.jp

 

アッパーは革、ソールはオリジナルの合成底。

 

と、ここだけ聞くと特別なことはないのですが、Vibramと共同開発したフットベッドや履き心地などにもこだわっているというのが個人的には興味をそそられたのと、扁平足でも疲れにくい設計と記載があり、これは履いてみたい!と、何かと理由をつけて購入しました。

 

 

 

サンダル以外に靴も展開されていますが、機能の追求だけでなく見た目も独創的で、非常におもしろいブランドです。
webサイトも大胆なレイアウトで前衛的。

 

KISEE-Sを選んだ理由

スエードのこの色味。
まずこれに惹かれました。

 

 

あと、この分厚いアッパーの雰囲気。
ぼてっとした可愛らしさみたいなのも気に入ったポイントです。

 

ローファー全般そうですが、割とスッキリとした見た目のものを好んで履いていたので、短パン+素足の足元にぼてっとした革の雰囲気とこのまるっこいシルエットを持ってきたら、どんな感じだろうかと気になった。

 

 

 

スエードのマットな質感とこの淡い色味。そしてこのシルエットも相まって、良い意味で輪郭が曖昧な履き物。これならもっともっと力を抜いて履けるんじゃないかと。

 

力を抜くところは抜いて、逆に集中するところはする。
仕事もプライベートもそう。まぁ、取捨選択する決断力があるっちゅうことっすかね←

 

革靴でなければならない、みたいな無駄な自意識と謎の執着みたいなものに捉われず、もっと柔軟に行こうぜと、40を目前にして惑わなくなったわけです。

 

サンダル初心者すぎてw

 

23.5cmの足にUK5.5は少し小さめ。タイトフィットです。

 

ただサンダル初心者すぎて、どこに足を収めればいいのかイマイチわからず、足を前方に合わせてみたり後方に合わせてみたりと、テープの締め具合を試行錯誤した結果、結局サンダルも靴と同じように、かかとはしっかり後方に合わせると足の収まりが良さそうなことはわかりました。

 

ただ、かかとを後方にしっかり合わせると、少しくるぶしの位置が合わないので、もうハーフサイズ大きくてもよかったのかもしれません。
テープがゆるいと足が擦れるので、結構しっかりテープを留めてますが、まぁまぁタイトです。

 

サンダルにタイトフィッティングという概念を持ち込んだのは、僕くらいじゃないだろうかと自惚れていますが、くるぶしの位置を除けば5.5でも足の収まりは悪くない模様。

 

クッション性

 

アッパーはちゃんと革で厚めの作り。
公式スペックに “Cushioned Backing on Strap”(ストラップ裏のクッション) とあります。この厚みはきっと、意匠ではなく足を痛めないための機能かと。

 

ただただまるっこく可愛く作ってるわけじゃないんだよと、そういうことですね。

 

 

ただ、けっこう厚みがあって弾力があるので、子供と30分散歩に行ったらくるぶしの下が靴ズレしました。笑
サンダルでも靴擦れはするんだなぁ。そいえば昔、祇園祭に浴衣と雪駄を履いて行って、鼻緒で靴ズレ(雪駄ズレ?)したのを思い出しました。

 

ソールは二重構造

 

くるぶし下は当たるけど、アッパーのこの厚い作りが慣れれば心地よいのと、フットベッドの低反発EVAフォームも柔らかくて楽ちん。
「扁平足でも履きやすい」とうたってますが、個人的にはもう少しアーチサポートは欲しいかなと思いました。

 

 

 

アウトソールは厚め。
フットベッドよりも弾力の強い素材です。

 

歩行時、革靴のヒールが接地するときの「カツンッ」って感じがないのが新鮮ですね。

 

 

スエードサンダルのケア

 

スエードのケアはスプレー1本で済むので、楽ちんです。
ただ、こういう明るい色は汚れが目立つので、クリーナーとか消しゴムタイプの汚れ落としがあると安心かもしれません。

 

もう一回履いちゃったけど、汚れをつきにくくするためにも、このサフィールノワールのスエードスプレーを吹きかけておきます。防水スプレーではないけど、撥水効果もあって栄養補給もできる、無色の万能スプレーです。

 

 

 

力を抜くのも練習が必要…

 

サンダルなのにタイトフィット。
さらに、30分で靴ズレ。

 

「惑わず」の域まで達したと思っていましたが、慣れないことをするとまだまだ力が入ってしまいます。サンダル1ペアで、ここまで頭を使うことになろうとは…

 

革靴のときはフットカバーを履いていますが、素足で履くのはやっぱり違いますね。
指が自由になるし、なんとなく足の使い方も歩き方も、革靴とは違う気がします。とにかく感覚が違う。まだくるぶし下は気になるけど、その感覚の違いがおもしろい。

 

夏が終わればまた革靴に戻る。
その時にこの夏のゆるさを覚えた足は、革靴をどう感じるのか。それを確かめるのがちょっと楽しみだったりします。

 

惑わずとは惑いがないことではなく、惑う自分を冷静に客観視できることなのかもしれません。
さて、天命を知る五十までまだしばらく時間がありそうですが、そのとき僕は何を履いてるのか、それも楽しみだったりもします。

 

雨の日には、スエードでゴム底、そして栄養と撥水 [Paraboot]
とにかく雨の日の外出が嫌いで、寒いし窓も開けられないしで、ソファーでゴロゴロとキャラメルポップコーンでもつまんで憂鬱な1日をやり過ごしたいけど、そうも言ってられないのが我々オトナというものだ。 外出の予定が入っている雨の日...

 

もう手放しましたが、35のときも似たような色を選んでました。
いろいろ書いたけど、多分あまり変わってないんだろうな。笑

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楠美皓平
EDITOR / 運営者

楠美 皓平Kohei Kusumi

content creater, web marketer, videographer
革靴の取材は累計250件以上。記事や動画制作の傍ら、革靴ブランドのメディア運営・マーケティングサポートに携わっています。