多少波があるが、慣らすと月1のペースで靴が増えている。
数万円のものが多いが稀に高いものもある。月1で増えるのはいいことだが、そのペースだとなかなか馴染まない。靴が足に馴染まないのである。
それが最近の悩みの種だ。
馴染んでいない靴では長距離、長時間出かけられない。
近所のスーパーかコンビニがいいとこだ。できるだけ部屋履きで馴染ませたいところだが、なかなかそれも難しい。部屋の中を靴を履いたまま歩けるわけではないし、部屋履きでは底の屈曲もなかなかさせづらい。
水は低きに流れ人はなんちゃらというが、放っておくと慣れた靴か楽な靴を履いてしまうから怠惰なものだ。
もう少し計画的に慣らして履いていける、そんな人間になりたいと思う。
製法によるソールの返りの違い
CARMINA
さて、カルミーナのこのローファーはフレキシブルグッドイヤーと呼ばれる製法でリブテープを使っていないのが特徴だ。カスタマイズでもフレキシブルは指定できるので是非お試しいただきたい。
また、ジョージクレバリーのアンラインドローファーはクロケット&ジョーンズの工場で作られており、同ブランドのハンドグレードと同じ製法で作られてるなどと聞くが、グッドイヤーでこんなにソールの返りが良いのかと驚いたことは今でも覚えている。当時、高級なグッドイヤーってこうなんだぁと心躍った。
George Cleverley
どちらもアンラインドだが、アンラインドの靴は裏地がなくアッパーが柔らかいので、ソールの返りが悪いとアッパーにも負担がかかるはず。それを考えてソールを柔らかいものにしているのではないだろうかと予想する。
IUGEN
そしてその後に届いたこのイウゲンのローファーは僕にとって久々のマッケイで、マッケイってこんなに柔らかかったんだっけとさらに驚いた。靴底の交換修理に向かない製法でも知られているので、そんなに頻繁に履かないほうがいいかなと最初は遠慮していたが、ソールが柔らかいせいか逆に磨耗が少ないことに気付いた。
朝から夕方まで履くことが何度もあったが、とても楽だ。もちろん木型の設計も関係するはずだが、底の返りがいいというのはやっぱり楽だ。かかとも付いてきやすい。
さらに僕を低きに流すのが、セメンテッドだ。
インポートも国産もグッドイヤーが主流の高級紳士靴市場でここ数年育ってきた僕にとって、セメンテッドは反則だ。楽だもん。
ベルジャンローファーは甲の履きジワがどうのこうのと難しいことは言わなくていいので、シューツリーを入れず玄関に脱ぎっぱなしにする。すると、また履く。あぁやっぱり楽だ、というサイクルが回る。
オリエンタルのベルジャンシューズはかかとがかなり小さいがサイズ的にちょうどいいのでかかとがしっかり付いてくる。つま先の丸みも好みだ。
Oriental
Baudoin&Lange
ボードイン&ランジのベルジャンローファーはかかとの大きさはデカいが、薄い芯によって丸みのある成形をされているので違和感なくかかとに食い付いてくる。かかとが付いてくるかどうかは、大きさだけじゃなくて丸さも関係あるようだ。
ピッグスエードが使われているようで、革が薄く非常に華奢。デザインのバランスも前に寄っていて足首も出る。エレガントだ。
とにかくソールの返りもいいし、革の柔らかさが足の形をすっぽり覆ってくれてとても楽な僕を低きに流す履物だ。
ただ、柔らかいということは比較的傷むのも早いはずなので、慎重に履いていきたい。
時間がかかるのもまた一興
とはいえ、やはり時間をかけてその靴を馴染ませるのもまた一興。
ウェルテッドシューズをじっくり時間をかけて育てるというのは、すぐに結果を得られるものではない時には苦痛を伴うものだが、やはり馴染んだ後のその履き心地を知るとその苦痛も悪くないと思える。
結果、そういう靴が先日書いたように2足、3足欲しいなんて思わせるから不思議だ。
ただし、決して焦ってはいけない。
焦るが故、過度にクリームやオイルを塗って失敗することだってあるし、乱暴に履き下ろして足を傷めてしまうという結果を招きかねない。もうそこは諦めてゆっくり時間をかけて馴染ませればいい。早く快適に履きたいという理由以外に、早く馴染ませなければいけない理由はないんだし。
そのために、うまくローテーションを組んでより効率的に馴染ませるという計画性はほしい。そういうところに人の性格がよく出る。インスタ見てるとよくそう思う。
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でも、たまには柔らかい靴を履いたっていい。
緩急とかメリハリなんて言葉があるが、いつも張り詰めてると疲れてしまうしバランスよく人生を歩んでいきたい。
というわけで機会があったらアンラインドという履物に足を入れてみていただきたい。
普段ウェルテッドシューズをお召しの方なら尚更だ。きっといつもと違った気持ち良さを覚えるはずだ。

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