マニッシュなレディースシューズをを履いた女性とデートする妄想の話、読む?

あーまずい

 

 

完全に寝坊だ。
待ち合わせの時間に遅れること15分。

 

 

カル美はもうテレビで特集されたハワイアンパンケーキ店の開店前の行列に並んでいた。
僕はばつが悪い思そうに行列に横入りさせてもらい、カル美からひとしきり文句を言われた後、彼氏の愚痴を聞くことに。

 

所謂『意識高い系』のコミュニティで知り合って半年、2次会の飲み会で何度か一緒になって連絡先の交換を済ませ、いつも話が盛り上がるスイーツ店をいくつも回ってランク付けをする仲になっていた。

 

 

春っぽい淡い色のスキニージーンズに白いブラウスの前だけをインするという今っぽい着こなしから、彼女の自分の体型に対する自信の表れを感じる。その潔さがむしろ心地よい。
そしてカル美は、そのスキニージーンズにカルミナのネイビーのダブルモンクストラップのフラットシューズを合わせている。

 

 

カルミーナのダブルモンクフラットシューズ

 

 

僕はカル美の話をほとんど聞き流し、カル美が履いている靴を気づかれないように盗み見ていた。

 

 

 

 

そういえばこの靴が気になって、思わず声をかけたんだった。

 

 

「靴、素敵ですね(イケボ)

 

 

その時僕はカルミナのネイビーの靴を履いていて、それに気付いたカル美はその色味だけを見て「おそろいですね」と返事をしてくれた。

彼氏が誕生日に買ってくれた靴らしいけど、彼女は靴に関して全く興味がないと豪語している。この靴はこのベルトがめんどくさいと文句を言う始末。
モンクだけに…と完璧なツッコミを入れても「え?」と聞き返してくるところも見ると本当に興味がないのかもしれない。

 

でもその割には、スイーツを食べに行くときは毎回この靴を履いてきてくれる。

 

 

 

 

ひととおり愚痴を話終えたカル美は、今満足げにクリームチーズで覆われた一見パンケーキとわからないようなパンケーキを幸せそうに頬張っている。

 

 

僕も苦手なナッツだけ抜いてもらって、彼女と同じパンケーキを食べている。

 

 

◆◆◆

 

 

休日出勤。

 

 

9月とは言え、まだまだ暑い。
最高31℃という天気予報を見てすぐさま、チェーンのスーツ屋で適当に買ったノンアイロンで着れるポロシャツに袖を通す。
休日出勤の時は私服でいいという先輩の教えに忠実に、ジーンズとポロシャツ。一応襟がついてたら怒られることはないだろう。

 

顔を洗って歯磨きをしたら、PCをカバンに入れて家を出る。
部をかけて取り組んできた週明けのコンペの資料、僕の担当箇所だけがまだ完成していない。手直しした部分の確認をしてもらって、クライアント配布用に何十部も印刷するというのが今日のミッション。

 

 

 

チャチ子先輩は、僕がこの部署に異動になった時に、向かいの席に座っていた先輩社員だった。部署が変わって戸惑うことも多く、僕がいろいろとテンパっているのを見かねて、いろいろと面倒を見てくれた。

 

歳はひとつしか変わらないのに、仕事もデキるし落ち着きもあって、周りからも信頼されている。

 

 

 

 

でもプライベートな話は全然しないし、ミステリアスな部分も多い。

 

 

いつもはザ・コンサバ!という、あえて悪く言えば無難なスタイルを決して崩さないチャチ子先輩。
でも今日は、ブローグの穴にスタッズの入ったチャーチの靴に、グレーのショートパンツのセットアップスーツという大胆な組み合わせ。休日出勤とは言え私服はちょっと…と思ったのか思ってないのか知らないが、これは困った。

 

 

な…生脚が露わになりすぎている…

 

 

チャーチのレースアップスタッズシューズ

 

 

広いフロアには他の部署の人も何人かいたみたいだけど先輩は人目をはばからず机に上半身を委ねたままずっとスマホのパズルゲームをやっていたが、パズルに夢中になっているその無邪気な姿といつもより少し開放的な装いとが相まって、この人を今までより知ることができたような幻想に浸った。

 

 

「今日はホントにすみません(イケボ)

 

 

と口では言いながらもこの時間が心地良かった。
彼女は笑っていた。

 

 

白い足がスタッズが反射する夕日と相まって気になって仕方ない。
ただただドキドキするばかりで仕事はまったく捗らない。

 

 

◆◆◆

 

 

ウェス子さんは今日もゆったり目の服装で、助手席に乗り込んでくる。

 

 

ワイドな7分丈のチノパンに、スッキリした白のニットにベージュのストール。
靴は J.M. ウェストンのローファー。バッグも同じ茶色。秋にぴったりの完璧なワントーンコーデだ。

 

 

J.M. ウェストン:シグニチャーローファー #180

 

 

普段言葉数は少なく、僕のしょーもない話にいつも笑ってくれたり、思い返せば恥ずかしさのあまり顔を覆いたくなるような話を聞いてくれたり、落ち着いた大人の雰囲気を漂わせた女性だ。

 

 

ただ、酒を飲みすぎるとと厄介なことになる。
その姿がすごくみっともなく思えてできるだけ近寄らないようしてるんだけど、ありがたいことに僕が演奏をするライブには必ず来てくれる。そして狙ったように終電を逃し、自宅が同じ方向なので送って行くことを余儀無くされる。

 

いろいろ事情があるみたいだったけどウェス子さんに子供がいることは知っていたので、最短のコースで家まで送り届けるも、案の定車の中で帰りたくないと号泣され国道沿いのコンビニの駐車場に車を止めることに。

 

 

そういえばウェス子さんはいつもワイドパンツとマニッシュな靴を履いていることが多い。今日はたまたまローファーだけど、サイドゴアブーツだったりキルトのついた靴だったり。
服装もゆったり系ではあるけれど、ふわっとした感じではなく割とトラッドでカチッとした服が多い。

 

僕は見た目だけで、なんとなくしっかりした大人の女性なんだと思い込んでいたけど、きっとそうじゃない部分もあるわけだ。
そんなことを彼女のチノパンから伸びた白くて細い足首を見ながら思った。

 

 

 

24歳の僕にこの状況を打破する術は無く、とりあえず買ってきた缶コーヒーをまずいねって言いながら飲んだ。

 

 

◆◆◆

 

 

ジョセ美は3ヶ月前まで付き合っっていた女性。

 

 

食事もファッションも笑いのツボも何もかも、なんで付き合ったんだろうと思うくらい好みが違い、唯一同じ趣味の音楽についても意見が合うことは無かった。

 

僕は割とモダンなイーブンのノリに近いジャズを好んで聴いたけど、彼女はずっとオールドなサウンドのバップ系のジャズが好きだった。
見たいライブも違うので、一緒に行くのは年に1度の東京ジャズと、その他ストリートジャズフェスティバルくらい。

 

冬はそういうフェスが全くないから、つい家でゴロゴロしちゃうんだよなぁ。

 

 

 

彼女も靴が好きだった。
僕はいつもストレートチップとかプレーントゥを好んで履いたけど、彼女はいつもブローグの靴を好んで履いた。
その中でも一番大切に履いていたのが、ジョセフチーニーの茶色のフルブローグ。

 

 

ジョセフチーニー:MILLY

 

 

 

本棚を整理していると見つけた、というか見つけてしまった、ジョセ美に借りたままになっていたCD。
ボビーティモンズの赤いジャケットのCDだ。

 

8曲目の Come Rain Or Come Shine の Sam Jones のベースソロがソラで歌えてしまうことに気づく。
降っても晴れても君と一緒にいたいみたいな歌詞が、今となってはなんだか皮肉な曲だけど、ソロを覚えるほどこのCDを聴いていたってことなのかもしれない。
ソラで歌えるとそれはそれで案外このオールドなアレンジを好きに感じてしまうから不思議だ。

 

 

そいえば、最近音楽も聴いていない。
今まで好んで聴いてきた音楽はどれも飽きてしまったし、こんな感じのオールドなサウンドを掘ってみるのもいいかもしれない。

 

 

 

そいえば、自分の好きなものを自信を持ってはっきりと好きと言える彼女が羨ましかったなぁ。

 

あ、それとアーモンドトゥの丸くてかわいらしいブローグの茶靴、あの店にあったなぁ。

 

 

 

 

 

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くすみ
東京
1986.9.25 愛知県生まれ
趣味で靴を磨いて8〜9年。革靴・靴磨きに関して情報発信をしています。自分のやりたいことをして生きる人生を模索しています。
甘いものと音楽も好きです。
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