靴職人さん

ドレスとラギッドのコントラストが最高に魅力的なレザーサンダル

靴磨きセットまとめ記事
靴職人さん

ドレスな木型・ドレスなデザインにゴリゴリザラザラした革を乗せた靴が好きで、そういう靴をどんどん増やしていつか動物園を作りたいと思っているが、そういう靴は圧倒的に万人受けしないので個人的に楽しめればいいという気持ちが勝る。でもこうして記事を書く理由は、カジュアルな革靴を模索したいという欲求があるからかもしれない。

 

カチッとしたドレスシューズはある程度色もデザインも決まってくるので、あとはいかに足に合って好みのデザインのものを見つけられるかという話に尽きるけど、カジュアルな靴は黒や茶以外の選択がもっとあるはずで、そこに時間と労力とお金を費やしていきたいと思っている。

 

残りの人生をかけて、そこをもっともっと深く掘っていきたい。

 

 

 

 

 

今回の革靴

Brand : Ryo Izumisawa
Design : Leather Sandals
Leather : Kamsabill
Constr. : Hand Sewn

 

 

カジュアルに奥行きがあるならば

革靴におけるカジュアルとは、一般的にローファーや外羽根のようなスタイルのものを指すが、畏まったスタイルの対義語のとして扱われるのではないかというのが持論で、つまり黒の内羽根のような畏まった場で履くものでなければほとんどのものがカジュアルとして位置付けられ、もちろんカジュアルの度合いも奥行きがあるけれど、あとはどう足掻いても革でできていれば「カジュアルな革靴」という広義な解釈ができるのではないかということだ。
洋服との合わせやすさとか、足に合うとかどうのこうのは当然あるけれども、あとはもう好きにやったらいいと思っている。

 

先日いろんなブランドのローファーをたくさん並べてみるという機会があり、定番の靴は使いやすさはあるけど、やはりちょっと特殊な革を使ったものやデザインも凝ったものは一際目立って見えた。まわりに黒とか茶が多かったからかもしれない。
個人的な話ですみませんなのだが、もうカジュアルなものはどうしたってカジュアルなんだから、もっといろんな色があってもいいのになぁと常々思っている。

 

 

ただ今回はサンダルなのでカジュアルなのは当然なのだけど、レザーを使ったサンダルという話だけで終わるのではなく、カジュアルの中に存在するグラデーションみたいな奥行きの部分を咀嚼し味わいつくしたい。

 

 

ドレスとラギッドのコントラスト

 

今回もどう表現するかがすごく難しい靴だ。

 

この靴はグルカサンダルと呼ぶにはかっこよすぎるし、独創的で珍しいデザインだ。それをさらに際立てるのがこのスーパードレスな木型とデザインだからこそ、ここまでザラザラとした質感の革で、さらに一般的な紳士靴で使われるものより厚みがある革でも成立するのではないだろうか。
きっとこの木型で黒のスムースレザーのホールカットをオーダーしたりなんかすると、それはそれでめちゃめちゃかっこいいはずなんだけど、このドレス要素とラギッドな革という組み合せのコントラストが最高に魅力的だ。
それも中途半端なものでなく、圧倒的にドレスな木型で圧倒的にラギッドな素材という、どちらにも振り切った要素が組み合わさることで生まれる強めのコントラストだと思う。

 

 

 

 

レザークリエイター・斗谷 諒氏の革を使い、靴職人・和泉澤 良氏に仕立ててもらった靴。
我が道を貫く斗谷氏の世界観が存分に発揮されたこの革と、和泉澤氏の控えめで繊細なお人柄がその革を美しくまとめ上げる、そんな靴だと思う。
綺麗な線の中には、毛羽立ったザラザラ感だけでなくロウによる重厚感のあるツヤも混在しており、それによって木型のシルエットも浮き出て見える。スエードのような起毛革には出せない雰囲気がある。

 

ゴリゴリとエレガンスを融合させたこのサンダル、圧倒的…!!
...

 

 

 

 

革の表情を引き立たせる丸みの強いかかとがとても魅力的で、後ろ姿も綺麗だ。佇まいとかそういう言葉で片付けるのは簡単だけど、それ以上の表現も難しい…。

 

ちなみにライニングにデリクリは塗ったが、アッパーには何も塗っていないので、新品の時よりも毛羽立ちが出てきた。引き続きナチュラルエイジングで経過観察をしていきたい。

 

 

カジュアルと括るのは気に入らない

 

この靴をジーンズに合わせたくないと思うのは、ただのカジュアルで終わらせたくないという気持ちがあるからかもしれない。
デニムのザラッとした質感や濃い紺色にこの靴が埋もれてしまうのももったいないし、どうしたってカジュアルなのだけど、チゼルの効いたドレスでラギッドなこのサンダルを見ると、ざっくり乱暴にカジュアルと括ってしまうのは気に入らない。
限りなくドレスシューズに近い靴として扱いたい、そんなサンダルだ。

 

そしてこの靴を見ると、いつもラッセル・クロウのグラディエーターを思い出す。グラディエーターサンダルという履物もあるようにその時代の剣闘士が履いたサンダルや身につけた防具の巻革にも似ている。悲しみを背負って戦う男の強さみたいな、そんなイメージのせいか、この靴を履くとちょっと勇敢な気持ちになれる。

 

 

定番のローファーもいいけど、こういう魅力的な靴も積極的に探し求めていきたい。

 

 

ウェルトの目付けだけで結構ワクワクできる
...

COMMENTS コメントを投稿する

タイトルとURLをコピーしました