J.S.T.F.橋本さんの語る、値段だけでも機能だけでもない履いてもらうための革靴とは?

 

機会をいただき、台東区の J.S.T.F(JAPAN SHOES TECHNICAL FACTORY)さんの工房へお邪魔してきました。

 

代表の橋本さんの、日本の職人さんらしい一面や靴に対する想いなど、いろいろお話うかがってきました。
よければお付き合いください!

 

 

新しい取り組み

 

主な受注は個人のお客さんというJ.S.T.F. さん。
他には、ミハラヤスヒロさんというデザイナーの方や、他にも舞台用の革靴だったり、あとはお笑い芸人のキングコングのお二人の靴や、騎士団の靴をつくられていたり。
なので、今まではお店で見かけることはあまりなかった靴ですね。

 

もしかしたらご存知ない方も多いかもしれません。

 

 

梶原さんの靴

 

西野さんの靴

 

 

ですが、これからは少し違った試みとして、その場で足を測って、多少木型に肉付けをしてその場で釣り込んで3時間でお渡しする、という靴の販売もされる予定です。
45,000円程度。

 

 

心材が固まるのを待たなければいけないので、3日後にしか履けないのですが、それでも画期的なこの販売方式。
セメント製法だからこそ実現できるのだそうです。
デザインも5パターンほどあって、ゆくゆくはもっと増やしたり、または白の革靴をその場でパティーヌしてお渡しする、という販売の仕方なども検討されているとのことです。

 

大手企業の社屋の中でもやられたり、某生活用品販売店などでも実施の話も進んでいるみたいです。

 

 

怖くて寝れない!笑

 

ビスポークはやはり高い!
今の時代、20万、30万は平気でかかってしまうのがビスポークの常識ではありますが、どう頑張ってもそんな値段つけらんないと仰る橋本さん。

 

怖くて寝れない!と。笑

 

 

それよりはもう少しリーズナブルな靴をたくさん履いてもらいたい。

 

 

 

というのは、橋本さん含め工房の方々の作業スピードの圧倒的な速さに秘密があるようです。
工房には何名か在籍されていますが、基本的に作業されているのは橋本さん含め3名の職人さん。

 

型紙も製甲(アッパー製作)もご自身の工房でやられているようですが、3名で月に50足の靴を生産されています。
恐らくビスポークの対価のほとんどを占めるのが人件費だとは思いますが(ブランド料もあると思いますが)、その人件費をその圧倒的な作業スピードで緩和することで良心的な金額で靴を提供されているのかと。

 

圧倒的に早いので、作る足数も多い。
その結果、技術も感覚も上がるので、靴の値段によって技術や時間のかけ方を調整できるという、非常に合理的な話です。

 

 

 

また、ビスポーク業界も人が増えつつあるので、悪い言い方をするとお客さんを奪い合っている状況です。
ただ、橋本さんは利権争いがキライというのもあるけど、それよりリーズナブルな靴をたくさん作って、もっと多くの人にいい靴を履いて欲しい。

 

適正な価格の靴』をより多くの人に履いてもらいたいという想いなのです。

 

 

 

その中で手入れを経て経年変化やシワを伴った靴を見るのが、やはり嬉しいのだそうです。
だから見た目の美しさももちろん重要ではあるけれども、芸術品として昇華させるのではなく履いてもらうための靴を作るというのが、橋本さんの想いです。

 

靴は、履いてもらってなんぼ、消費してもらってなんぼ、と。

 

 

履いてもらうために

 

バランスが大事。

 

美的感覚が6、フィッティングが4くらい。
100%合う靴なんてないと語る橋本さん。

 

 

でも、日本人の靴はうまいからね!。
海外ブランドがやったってかなわない、と。

 

でも海外ブランドには歴史とノウハウがあるので、底周りが綺麗とかそういう話ではなくて、アイツらはセンスがいい。
だから、海外のセンスを見て盗み、それを日本の靴に昇華させなきゃいけないと、靴の美的センスについて語っていらっしゃいました。

 

履いてもらうためのものなのだから、機能面だけじゃなく見た目の良さも大切だとお考えなんですね。

 

 

 

僕みたいな一般人では理解が及ばないような美的感覚の世界で、靴の見た目の印象の話をされていたのがとても印象的でした。
履いてもらうという言葉だけ聞くと見た目は優先度が高くないのかもと思われるかもしれませんが、そうではないのです。

 

その靴をかわいがって大切に履くためには見た目のバランスも必要でしょということなのだと思います。

 

 

セメント製法について

 

九分仕立ての靴も受けられることが多いようですが、セメントも履き心地はほとんど変わらないのだそうです。
セメントに対しては、世の中からは賛否がありそうですが、今と昔ではセメントに使う接着剤が進化しているため、全然剥がれることはないのだそうです。

 

耐久性で見るとマッケイも変わらない。

 

 

 

セメントって、釣り込んだ時のアッパーの余った部分を切ってしまうことが多いみたいなんですが、ちゃんと釣り込んで革の余った部分を整えてあげればオールソールもできるのだそうです。

 

それを橋本さんの工房でお願いすると6,000円程度。
そんな値段のオールソール聞いたことありません!笑

 

 

コストパフォーマンスという意味では、長期的に見ても圧倒的に高い靴であることは納得できますね。

 

なんなら九分仕立ては構造上多少重くなるし硬くなるので、履きやすさで見てもセメントの方が良いというのは想像がつきます。

 

 

靴は好きじゃありません!

 

3時間たっぷりお話しをされながらも、靴作るの好きじゃないと語る橋本さん。笑
橋本さんのお師匠さんであられる関 信義さんに弟子入りする際の話。

 

「靴は好きじゃありません!」

 

「そこが気に入った!」

 

なんていう経緯があるそうです。笑
関さんもどちらかというとそっち寄り。笑

 

 

ちなみに橋本さんは、羽田にあった靴のハシモトというお店の親族の方なのだそうです。

 

 

 

靴自体におもしろさを感じてやってるというよりは、作った靴を履いてもらうことに喜びを感じられている様子が伺えます。一般的には値段が高いと思われている靴をできるだけ安価に、かつその人にできるだけ合う靴を提供されたいということですね。

 

別に好きなブランドもないと断言されていましたが、逆に話の節々から靴のバランスに関してすごく高い意識をお持ちだと感じました。
靴の中でも一番バランスが難しいのがストレートチップとおっしゃっていましたが、トゥが長くないけれども、ちゃんと長く見えるようなデザインだったりとか。
あとは、ウィングチップの左右のバランスや、内羽根の周りのマド呼ばれるラインなど。

 

 

 

例えば、高い靴を買っても良い。逆に橋本さんの作るコストパフォーマンス重視の靴を選んでも良い。
世の中にある、高い靴との比較対象としての靴を提供されるという役割、というか責任をになっているように感じました。
逆に靴を高いと思う、一般の方の気持ちも理解してあげなきゃいけないと。

 

ユーザーが好きなものを選ぶ。
それが大事。

 

 

最後に

 

最初は、oniteng(鬼天狗?)ってメールアドレスだったので怒られたりしたらどうしよってビクビクしてたんですが、実際にお話していると、とてもあたたかく笑顔の絶えない方でした。
荷物を届けに来た配達業者の方に気持ちの良い挨拶をされたり、すごく素敵な方でした。

 

 

 

靴は好きじゃないけど、感謝はしてるかな。
謳歌させてもらってる。

 

挑戦して楽しくやりたい。

 

 

 

と、靴に対する想いを存分に聞かせていただきました。

 

 

工房でも注文は受け付けてくださるようです。
気になった方は是非足を運んでみてください。

 

 

 

JSTFさん公式サイト

 

それ以外にも、近々青山でもイベントを開催されるみたいです。公式サイトも是非ご覧ください。

 

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました!

雨だって悪気があって降ってるわけじゃない…

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くすみ
東京
1986.9.25 愛知県生まれ
趣味で靴を磨いて8〜9年。革靴・靴磨きに関して情報発信をしています。自分のやりたいことをして生きる人生を模索しています。
甘いものと音楽も好きです。
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