革靴ジャーナル.
LEATHER SHOE JOURNAL.
まとめ

今秋のトレンド・チャッカブーツと、季節の変わり目のケア+リペア

今秋のトレンド・チャッカブーツと、季節の変わり目のケア+リペア

まだまだクッソ暑いし、豪雨降ったりと散々ですが、8月も終わりに近づくといつもアパレル業界は秋冬を意識し始めますよね。
昔、ユニクロにお勤めの知人に、なんでこんなに暑いのに冬物を売り始めるのかと文句を言ったことがあります。

 

ということで、海外ブランドから届くメールの中身もどこか涼しげです。

 

秋冬コレクションの解禁がひとつ。
ジョン・ロブは「2026AW セカンドセレクション」を、Drake’sは「オータムコレクション パート1」を配信し、各社が新しい季節へ舵を切っています。

 

今回のテーマのひとつは秋冬に向けた「チャッカブーツ」。
もうひとつは「靴の手入れ」。

 

新しい一足の話と、いま持っている一足の話。この2つが同じタイミングで来ているのが、今年の秋らしさのようです。

 

 

今秋、チャッカブーツが来る

まず新作の側から。
複数のブランドが、示し合わせたようにチャッカブーツを前面に出してきました。

 

 

クロケット&ジョーンズは「The Icons, Chukka Boots」と題したメールでこう書いています。

 

“Summer or winter, weekday or weekend, smart or casual – Crockett & Jones’ timeless Chukka boots represent the most versatile footwear in our entire collection.”

(夏でも冬でも、平日でも週末でも、スマートでもカジュアルでも。クロケット&ジョーンズのチャッカブーツは、コレクション全体で最も汎用性の高い一足です)

 

ガジアーノ&ガーリングは新作「The Arran Chukka」をこんな一言で紹介しました。

 

“From the polo fields to Savile Row”

(ポロ競技場から、サヴィル・ロウまで)

 

そしてチーニーも、この夏すでにチャッカを特集していました。

 

“Never underestimate a boot in the British summer, when sunshine and showers are equally likely.”

(英国の夏を甘く見てはいけない。晴れることも雨が降ることも、同じくらいありうるのだから)

 

言い回しは違いますが、3ブランドが語っている内容が似ています。

 

「どこへでも履いていける」

 

クロケット&ジョーンズもチーニーも、versatility(汎用性)という同じ単語を使っています。

 

 

なぜ秋にチャッカなのか

考えてみると、チャッカブーツは季節の変わり目にとても強い靴です。

 

くるぶしまでを覆うので、急に冷えた朝でも足元が寒くありません。
とはいえレースアップのブーツほどゴリゴリの重装備ではないので、日中に気温が上がってもそこまで違和感無し。

 

スエードや、クロケがよく採用しているラフアウトスエードも雨に強く、それに合わせてゴム底を採用しているものも多い印象。

 

さらに秋は、朝と昼で気温が10度近く変わる日が珍しくない季節です。
革靴だと少し心もとなく、ブーツだと気が早い。そこにハマるのがチャッカなんだと思ってます。

 

英国のブランドが揃ってこの靴を推すのは、現地の気候がまさにそういう「読めない天気」だからかもしれません。
雨が多い昨今、日本の秋にもこの感覚は案外遠からず…かもしれません。

 

 

夏を経ての「ケア」

ところが今年は新作の話と並んで、まったく逆の内容のメールも届きました。

 

ジョン・ロブは8月21日、「大切な一足を、いつまでも美しく」というタイトルで、店頭のケア&リペアサービスを紹介しています。
新作を売る時期に、あえて「今持っている靴を直しませんか」と来店を促す施策。

 

チーニーも8月28日、こんなメールを送ってきました。

 

 

“If you look after your shoes, they’ll look after you…”

(靴の面倒を見れば、靴のほうが自分の面倒を見てくれる)

 

 

件名は「一番古い一足に、少しばかりの愛情を」。
日本語訳すると映画のタイトルみたいです。笑

 

さらにチーニーが同じ週に配信したメールで、ノーザンプトンシャーの自社工場製であることに加えて、「resoleable(ソール交換ができる)」という点を訴求ポイントに挙げていました。

 

スニーカーですら「直せること」が売り文句になる時代なんですね。

 

 

秋は買う理由でもあるのかも

先日購入したサンダル。(こちらの記事
僕は結局定着しませんでしたが、軽めの足元で過ごしたこの数ヶ月の間、靴たちは結構過酷だったはず。

 

衣替えはまだ先になりそうですが、その頃きっと夏に酷使した靴のお手入れをするタイミングが必ずくると思います。
逆に、夏の間出番がなかった重たい系の紐靴。ホコリをかぶって、そのまま冬を迎えるには忍びない靴たちもいます。

 

季節の変わり目にケアやリペアを促すのは非常になっとくでした。

 

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執筆者:楠美 皓平(革靴ジャーナリスト)|電子書籍『いちばんやさしい革靴入門書』著者(Amazon 7部門で1位)。革靴・靴磨きに関する取材は累計250件以上。詳しいプロフィール 靴磨きは革靴を美しく保つだけでなく、長持ち...

 

夏は業界的に売り上げが落ちる季節ですが、秋はそれが徐々に戻ってくる季節です。
そんなとき、「秋はやっぱチャッカがあってもいいな」と思ったら、それはきっと業界のせいだし、正解なんだと思います。

 

参照: Crockett & Jones「The Icons, Chukka Boots」(2026年8月28日)、Gaziano & Girling「The Arran Chukka boot」(8月15日)、Cheaney「Smart Casual, Refined: The Chukka Boot」(6月5日)・「Give your oldest pair of shoes a little TLC」(8月28日)・「Trainers: The Style of the Season」(8月21日)、John Lobb「大切な一足を、いつまでも美しく」(8月21日)
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楠美皓平
EDITOR / 運営者

楠美 皓平Kohei Kusumi

content creater, web marketer, videographer
革靴の取材は累計250件以上。記事や動画制作の傍ら、革靴ブランドのメディア運営・マーケティングサポートに携わっています。