革靴の染め替えを自分でやってみました【パティーヌ仕上げのやり方】

靴の色、染め替えてみたいなぁって思っちゃったんです。

思ったら最後!
自分でやってみないと気が済まないので、すぐさま必要な道具を買い揃えました!

サフィールノワールのクレム1925に『エルメスレッド』という色があるのをご存知ですか?

その渋い赤の色合いがなんとも気になってしまい、このクリームを使ってみたいなぁって思ったんです。
もし使うなら、先日中古で手に入れたメルミンのホールカットかなと。

もともと少し赤系の茶色なのと、一枚革なので赤い色が映えるかなって思ったんです。

それならその赤がもっと映えるように染め替えしてみようかなという好奇心で試してみました!
道具や注意点など、いろいろご紹介していきますので、ちょっと長くなりますが、よければお付き合いください!



パティーヌについて

革靴の染め替えのことをパティーヌって言いますね。
まずはそのパティーヌについて簡単にご紹介します!

僕はどうしてもパティーヌという文字からパンティーという字面が思い浮かぶのですが、一旦黙ります

パティーヌの意味

patineはフランス語で錆(サビ)という意味のようです。

え?って思いましたよね。笑
僕も思いました。

ちなみに、パティーナ(Patina)という言葉もあります。
patinaとはラテン語で、「経年変化の味わい」という意味のことばのようです。もしかするとパティーヌの語源になったことばなのかもしれません…


※Google検索結果より

パティーヌといえばベルルッティ

パティーヌといえばご存知べルルッティです。
なぜ、サビという意味の言葉がベルルッティのあの仕上がりを表す言葉に使われているのかはわかりません。

しかし、ベルルッティの靴には、ステッチの周りなど、部分的に色を濃く仕上げられている靴があります。


※出典:ベルルッティのwebサイト

それがアンティーク調、つまり使い古された道具などのサビをイメージしているものであるという考え方もできるのではないかと思います。

上の銅の置物と、この靴なんか似てる気がしませんか?

パティーヌのやり方

パティーヌを自分でやる方法をご紹介します。

ご紹介したように、ベルルッティの靴のような色のグラデーションを出そうとは考えていないので、靴の染め替えという方が正しいかもしれません。

パティーヌに必要な道具

まずは使用する道具のご紹介です。

①アセトン(脱色するための薬品)
②スピラン(アルコール染料)
③手袋
④ハケ

この4つです。(ページ下部にamazonの商品リンク貼っておきます)

アセトンは直接触っても基本的に問題はありませんが、念のためビニールの手袋を用意しました。

アセトンの注意点

アセトンはマニキュアの除光液などに使われる薬品です。
揮発性が高いので常温で気体になります。それを吸い込みすぎてしまうと人体へ悪影響がある薬品です。ご利用になる際は取扱説明書などを十分に読んでください。

スピランは、アルコール系の染料です。
混色も自由にでき、変性アルコールというものがあれば色を薄めて使うこともできます。
ただし、表面加工されている革は染まりませんのでご注意ください。

色は、全部で12色(黄/橙/赤/桃/紫/青/空/緑/焦茶/茶/黄茶/黒)です。
お値段も500円程度でリーズナブルですね。

実験用の靴で練習してみる

いきなり本番の靴でやるのはちょっと怖いので、実験用の靴で試してみましょう!
実験用の靴なので失敗しても大丈夫なのですが、やっぱりちょっと緊張します…

ワックスと汚れを落としてすっぴんにします。

そして、臆することなく直接塗ってみます!
アセトンによる脱色はしていません。

いきなりスピランを塗ってみましたが、こんな感じです。

赤くなってます!(土踏まずの部分のみ塗布)

次はアセトンで脱色をし、そこにスピランを塗っていきます。

まずはアセトンによる脱色から。

アセトンで脱色してみましたが、確かに薄くなってはいます。ですが、革の色がそこまで薄くなったというわけではなさそうです。
むしろ、コバの色がかなり抜けました。
アセトンを塗ったところのコバの色、だいぶ薄くなりました。笑

次に、脱色した部分にスピランを塗っていきます。

アセトンによる脱色をしなかったものと比べてみると、こんな感じです。


※光の当たり具合は極力同じにしています

写真でどれくらい伝わるかわかりませんが、アセトンで脱色した方が圧倒的に発色が良いですね。
赤らしい赤に仕上がっています。

なかなかいいんじゃないでしょうか!
楽しくなってきました!

本番の靴で染め替えをしてみる

別に真っ赤にしたいわけではありませんので、アセトンでそこまでがっつり脱色できなくてもいいんです。

ただ、すでに濃い茶色の革なので、スピランの赤がどこまで染まってくれるか不安です。なので、一応しっかりアセトンで脱色をして染色をしていきたいと思います。

まずは、全体的にアセトンを塗ります!

若干色が落ちました!
革を傷めてしまう可能性があるので、強くこすりすぎないように気をつけてくださいね。

並べてみても、ほんの少し色が薄くなっているのがおわかりいただけると思います。

さぁ、スピランを塗ってきいます!

塗っちゃった!

下の方、きも〜ち赤くなってるのがわかりますよね。

思い切って全体的に塗っていきます!

こうやって並べてみると、若干赤くなっているのがわかりますね。

乾くのを待って、追加で2回塗り足しました。
思ったより脱色ができなかったのでそこまで赤くはないですが、うっすらと染まっている感はありますね!

両足塗ってみました。
こんな感じに仕上がってます!


※iPhoneで撮影。フィルタ、補正などしていません。

なるべく太陽光が均等に当たるようにして写真を撮ったのがこちら。


※こちらも補正などしていません。

染める前はこうです!

乾いてないとムラがあるように見えましたが、乾くと均等に赤くなったのでよかったです。
気に入っています!

失敗だったこと

ま、全然想定の範囲内ですが、シューキーパー に色がつきましたよね。

全然想定してましたけどね…
だから大丈夫…

全然、気にしてない(震え声

いや、実はシューキーパー 無しでも大丈夫かなって思ってたんですが、足の甲の部分のシワに染めムラができちゃうのが怖くて、シューキーパー をあえて入れました。

一枚革なので、染めムラができちゃうのが何より怖かったんです。

2つ目!
コバにも塗ってしまっていたようでした。
僕は黒のコバインキは持っているんですが、濃い茶のコバインキはないので上塗りができません。

ちょっとわかりにくいですけど矢印を境に、スピラン塗った後がわかります。

マスキングテープとかで塗りたくないところを保護しといたらよかったかもです…

3つ目!
お気づきかと思いますが…

ちょっとした犯行現場です。
壁にダイイングメッセージを書きたくなったら、スピランの赤を直接塗ってください

ただ、染料なのでハロウィンのゾンビメイクに使うのはおすすめできません。
次の日から外出れなくなっちゃいますからね。

4つ目!

アセトンはフローリングの床にこぼしてはいけません!
床に塗られているワックスが、アセトンをこぼした部分だけごっそり剥がれました。

ぱっとみわかりませんが、こぼした部分だけ光沢がないです。笑

奥さまには言ってません…(笑えない

補足

あと、浅草橋の革屋さんでスピランを購入しました。
についていろいろ聞こうと思ったんですが、あまり有効な情報は得られませんでした。ハケとか塗ってもらえれば大丈夫ですよって。笑

あと、革屋さんにはスピランが置いてあることは確認できましたが、アセトンは置いてないみたいです。
4軒ほど浅草橋の革屋さんにお邪魔したり電話で確認しましたが、アセトンはというか革の染料を落とす薬剤は扱ってないとのことでした。

この後のお手入れ

この後、サフィールノワールのエルメスレッドで、ツヤ出しをしていこうと思います!
amazonでポチったので、また別の機会にレビューさせていただきます。

あと、汚れ落としで色が落ちるのかどうかってところも見どころですね!
ご期待ください!

ちなみにベルルッティのパティーヌ仕上げが施された靴って、ベルルッティが出してるワックスを塗ってお手入れするらしいですね。
クリームとか汚れ落としとか使わないって聞いたことがありますが、本当なんでしょうか。

まぁ、僕には関係ない話ですが(妬み

最後に

想像してた感じに染まってくれたので、個人的には満足してます。

僕は色に疎くて、赤い服や靴はほっとんどもってません。
単純に着方がわからないからです。笑

でも赤い靴に対してはすごく憧れがあって、昔先輩が赤いパンプスを履いてらしてそれがすごく素敵だったんです。
なので赤い靴って素敵だなっていうのはずっと昔から思ってるんです。

高い靴でやるのはすごく怖いので、ヤフオクとかで中古の靴を買ったときに挑戦されるのがよいと思います。
僕は高い靴でやる勇気はないです!笑

よければ試してみてください!
最後までお付き合いいただきありがとうございました!

> 後日、クレム1925のエルメスレッドを使ってみた

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コメント

  1. 靴磨きFINE SHINE より:

    靴磨きFINE SHINEと申します。
    スピランでの染め替えについて、質問させていただきたいのですが、
    スピランを塗った後に塗装が剥げないように何かコーティングなどはする必要はないのでしょうか?

    • くすみ より:

      靴磨きFINE SHINEさま、コメントありがとうございます!
      どちらでもいいと思っています。僕もレザーフィックスなど使った方がいいと思っていましたが、コルテやベルルッティにいらっしゃった方がアルコール染料のあと、そのままクリームとワックスで仕上げられていたので、あ…なくてもいいんだな、と解釈しています。
      雨に濡れたからと言って色が落ちるわけでもありませんし、近い色のクリームで補色すれば十分かなと思います。

      • 靴磨きFINE SHINE より:

        そうなんですね!
        ありがとうございます。

  2. めるめる より:

    こんにちは。

    持っている白のレザーシューズを染めたくて検索しましたらこちらの記事に辿り着いて拝見させて頂きました。

    分かりやすいご説明ありがとうございます。1つご質問なのですが 26,5のレザーシューズ全体を染めようとすると ご紹介頂いたスピラン100㎖を何本用意したらよろしいでしょうか?
    よろしければ教えてください。宜しくお願い致します。

    • くすみ より:

      めるめるさま、コメントありがとうございます!
      何度か重ね塗りをしても、1本あれば十分余ると思います!
      実際僕はこの工程を別の機会にもう一度行いましたが、まだ余っていますので1足2足は余裕で染められると思いますよ。

  3. めるめる より:

    くすみ様

    ご回答ありがとうございます。
    材料を揃えてチャレンジしたいと思います。
    これからも色々と参考にさせて頂きますので宜しくお願い致します。

    • くすみ より:

      めるめるさま、ご丁寧にありがとうございます!
      単純に楽しかったですよ!是非楽しんでチャレンジしていただきたいです!
      ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いいたします!

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『革靴の魅力や靴磨きの楽しさをもっと多くの人に知ってほしい』という想いでブログやYouTubeで情報発信を行っています。 前職の経験からシューメーカーのブランドサイトやオンラインショップの制作・カスタマイズ、広告運用を受け持ったり、ブランディングや商品開発のコンサルなども手がけています。
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