ワックス・鏡面磨き

プレーントゥの鏡面磨きはどこまでワックスを塗るのか一番バランスよく見えるのか

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ワックス・鏡面磨き

 

正解がわからず、常々モヤモヤしながら靴を磨いていることがあります。
それは、プレーントゥの靴のつま先ってどこまで磨けばいいの?ってことです。

 

いや、正確には美しく見えるプレーントゥの磨き方…とでもいいましょうか。そのあたりを考えてみたので記事にさせていただきます。
よければお付き合いください。

 

 

先芯の範囲

磨く前に、少しだけ留意しておきたいことがございます。

 

つま先を押して芯材の範囲を確かめる

 

革靴の甲は屈曲をする部分がありますね。
しかし、つま先の内側に『先芯』と呼ばれる硬い芯材が入っている部分は屈曲しにくいので、靴によってその範囲を把握しておくのは大切なことです。

 

芯材の範囲を超えてワックスを乗せてしまうと、靴を履いた時に屈曲してワックスが割れてしまう恐れがありますからね。

 

 

先人達のお知恵に則って

 

さて、プレーントゥを美しく見せるバランスを考えてみたいわけですが、別に自分の好きに磨けばそれでいいと思うんです。
ただ、 僕は自分の知恵や発想にはやっぱり限界がある…。

 

だから、先人達の知恵をお借りすることで、より素晴らしい結果に、より早くたどり着きたいと考えたのです。
というわけで、こんな法則に則って磨いていきたいと思います。

 

自分で書いててよくわからなくなってきました。笑

 

①黄金比

黄金比 [golden ratio]。1:1.6。

 

線分を a, b の長さで 2 つに分割するときに、a : b = b : (a + b) が成り立つように分割したときの比 a : b のことであり、最も美しい比とされる。貴金属比の1つ(第1貴金属比)。
近似値は1:1.618、約5:8。
参照:Wikipedia

 

モナリザやミロのビーナス、他にも有名な建築物などにこの黄金比が使われていると言われています。
つまり、この黄金比を鏡面の幅に適応すると美しくなるのではないかと。そう考えたわけです。

 

5:8 = 3.8:6.2。
というわけで鏡面を38%、非鏡面を62%の割合でいこうと思います。

 

②8:2の法則

お次は、8:2の法則。
これは組織の要員の2割が大部分の利益をもたらしているというもの。
正確には法則ではないようですが、スマホゲームの課金ユーザーは全体の極々少数、みたいな話です。あれ?ちょっと違うか?笑

 

というわけで、鏡面20%、非鏡面80%の割合で行こうと思います。
いささか強引ですはありますが、黄金比との比較対象として。笑

 

 

 

でも、もしこのどちらかの法則が他の靴にも適応することができたら、すごく画期的だと思いませんか?

 

 

磨き比べる

カルミーナの外羽根プレーントゥ

 

こちらの靴。
シンプルな外羽根のプレーントゥですが、つま先から羽根までの長さが約10cmでした。

 

その長さにそれぞれの法則を当てはめると、鏡面の幅はこうなります。

 

法則 鏡面の幅
黄金比 3.8cm
8:2の法則 2cm

 

 

 

左右で磨き比べてみました。

 

左:3.8cm、右:2cm

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わ…わかります?笑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上:3.8cm、下:2cm

 

 

どうですか?
写真の角度は微妙かもしれませんが、少し印象が違うように見えなくもないですよね。
これをもとに『つま先から羽根までに対する鏡面の幅のバランスの良さ』を比較していきたいと思います。

 

 

左:2cm、右:3.8cm

 

左、2cm。
特にプレーントゥは履きジワが靴の表情に大きく影響してくると考えます。
そういう意味で2cmの鏡面は、履きジワまでのグラデーションが自然に仕上がるように思います。個人的には好みのグラデに仕上がりました。

 

右、3.8cm。
逆にこちらは、つま先から履きジワまでがほぼ鏡面になっているため、鏡面とそうでない部分の境目がくっきり目立ちやすい印象です。
本当は自然なグラデーションでつなげたいところ。

 

 

こんな感じの上から見た写真だと、バランスという意味では3.8cmの鏡面が良い気がしますが、2cmの鏡面の方がグラデーションが綺麗に見えるかなぁ…。
いかがでしょう?

 

 

手前:3.8cm

 

次は 3.8cm、横からの図。
鏡面の境目はさっきほど強くは見えません。トゥの長さに対する鏡面のバランスは割と良く見える気がしませんか?
側面の磨きはもっと頑張っても良かったかなぁと反省してます。笑

 

 

手前:2cm(左右反転写真)

 

比較しやすいように写真を左右反転していますが、鏡面の幅は2cmです。
こう見ると、つま先はちゅるんとしてますが、もう少し後ろまで鏡面にしても良い気がしますよね。

 

2cmの場合、『トゥの長さに対する鏡面の幅』だけでバランスを見ているので、ちょっと物足りなさを感じました。
でももしかすると、これくらい狭い幅であってもサイドとかヒールがもっとバキッと光っていれば、靴の輪郭が際立って、それはそれでまたおもしろい磨き方になるのかなぁなんて。
思ったり思わなかったり。

 

ラウンドトゥの靴だから、これくらい短い幅の鏡面でも成立する気がします。
そう、靴のつま先の形状にもよるのかもしれませんね。

 

 

他の革靴の場合

リーガルトーキョーのチゼルトゥ

 

こちらはチゼルトゥではありますが、乱暴にくくると外羽根のプレーントゥ。さっきの靴よりはつま先が長くシュッとしている印象です。
つま先から羽根までの長さは12cmでしたので、それぞれの法則に則って鏡面のは場を算出します。

 

法則 鏡面の幅
黄金比(5:8) 4.6cm
8:2の法則 2.4cm

 

 

こんな感じになりました。

 

左:4.6cm、右:2.4cm

 

上からの写真だけでバランスを判断するのは難しいですが、左の4.6cmの方が、全体的なバランスはちょうど良い気がします。つま先も若干長いのと、先芯も長く入ってるので、当然といえば当然かもしれません。

 

逆に、右の2.4cmの方は、つま先が細くなっているせいもあって、ちょっと物足りなく見えます。
さっきの靴のように、つま先がもう少し丸い場合は多少幅が狭くても良さそうなもんでしたけどね。つま先の形によっても適切な鏡面の幅は違ってくるようですね。

 

 

奥:4.6cm、手前:2.4cm

 

横からの眺めも4.6cmの方がしっくりきます。
少しロングトゥなので鏡面の幅もちょっと長めくらいがちょうどいいのかもしれません。

 

ただこちらも、履きジワの境目ギリギリまで鏡面が来ているので、もう少し履きジワが入ると自然なグラデーションにならないような気がします。

 

 

要するに…

要するに好みですよね、こういうのは。笑

 

 

もちろん靴のつま先の形状によってちょうどいい鏡面の幅は違います。
しかし、今回比較したそれぞれの幅の中間くらい、つまり7:3を目安に磨くのがいいかなぁなんて思いました。
まぁ、あくまで目安ですけどね。毎回同じでもおもしろくないですし。笑

 

2足しか磨き比べをしていないので、もう少しいろんなプレーントゥの靴で磨き比べをしてみたい。
ワックスの色を変えても印象は違ってくるでしょうしね。

 

 

是非ちょうどいいバランスの磨き方を探してみてください。
靴磨きにはそういうおもしろさもあるんじゃないかなぁって思います。

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。
こちらのページで鏡面磨きの方法もご紹介していますので、よければご覧になってみてください。

 

はじめてでも簡単!革靴の鏡面磨きの方法と失敗しないコツをご紹介!
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