ワックス・鏡面磨き

鏡面磨きのワックス全10種類を比較してみます!【靴磨き】

靴磨きセットまとめ記事
ワックス・鏡面磨き

 

さて、これだけワックスがあると今日はどれで磨こうかと迷ってしまうという嬉しい悩みを抱えていたりします。

 

普段はなんとなく気分で使い分けたりしているのですが、もう少しワックスの特徴や性質がわかっていれば、靴によって、場合によって、もしくは仕上げ方によって、ワックスを使い分けられるのではないかと思っておるわけでございます!

 

 

なので今回は、これらのワックスを同じ環境で使用して、鏡面磨きをするワックスの特徴を見比べてみたいと思います!

 

同じ環境といいつつ、黒のワックスと無色のワックスがあったりしますので、そこはご愛嬌ということで(すんません

 

 

同じ環境で仕上げた鏡面で比較

同じ靴、同じ塗り方、同じ水の量、同じ時間、撮影するときは同じ光量を目指して比較実験をしていきます!

 

今回使う靴はこちらの靴です。

 

 

 

ワックスの量・塗り方

これが非常に重要です!

 

多少の誤差はあると思いますが、基本的には写真くらいの量を薄く取り、下地に20回、水研ぎ後は10回塗り重ねて検証をしたいと思います!

 

 

鏡面を磨く水の量

ネルがうっすら湿っている状態を目指します。(水は多すぎず少なすぎず)
ネルも全て初めて使う部分を使用します。

 

磨く時間

乾かす時間で多少差が出ることが予想されるので、10分以内で作業を終えるようにします!

 

ただ、昔から使っているワックスもあれば、最近入手したものもあります。
ワックスを乾燥させたものも、させてないものも、使っていくうちに乾燥してしまったものもありますので、若干環境に差があることだけご了承ください。

 

撮影時の光量

できるだけ同じ光量になるように努めます!(光量計とか持ってないので)
晴れの日に撮影してます!

 

 

あと、使っていく中で、これは乾きが早いぞ!とか、これは塗りやすい!とかそんなんのもご紹介していきます。

 

 

比較するワックスはこちら!


※ひとつクリーナーが混ざってます

 

今回ノミネートされた(僕が持ってる)ワックスはこちらです!

 

①サフィールノワール・ビーズワックスポリッシュ
②サフィールノワール・ミラーグロス
③サフィール・ビーズワックスポリッシュ
④モウブレイ・ハイシャインポリッシュ
⑤ブートブラック・シューポリッシュ
⑥ブートブラック・ハイシャインベース
⑦KIWI・シューポリッシュ
⑧KIWI・パレードグロス
⑨YAZAWA・ワックスシューポリッシュ
⑩ダイソー・シューポリッシュ

 

 

磨いてみる!

さて、磨いていきましょう!
実際に磨いて違いを比較していきたいと思います!

 

いつも前置きが長くてすみません!(面倒なところは読み飛ばしてください!)

 

サフィールノワール・ビーズワックスポリッシュ

 

まずはビーズワックスポリッシュ(ブラック)です!
僕が一番使い慣れているワックスです。
このワックスが比較の基準になってきます!

 

先にご紹介した条件で磨いた靴がこちらです!

 

 

 

ビーズワックスポリッシュ は、指の温度でサッと溶けて塗りやすいのが良いところだと思います!適量が指にスルッと取れるワックスなので、使いやすさがあります。

 

乾燥させてドライワックスにしてもいいんでしょうけど、多少柔らかめで使うのもいいんじゃないかと思います。
季節によっては乾きやすい乾きにくいがあったりすると思うので、その辺は経験が必要ですね。真夏の暑い時期だと固まりにくいかもしれません。

 

 

あと、一応補足情報なんですが、一般的にワックスには革への栄養補給効果はないとされています。
しかし、このサフィールノワールのビーズワックスポリッシュ には栄養補給効果があるとサフィールの商品紹介の冊子か何かに書いてあるのを見たことがあります。

 

 

サフィールノワール・ミラーグロス

 

お次は、ご存知ミラーグロス(無色)です!
他の製品に比べて圧倒的に高価なこちらのワックス。
高いだけのことはあると消費者を納得させてほしいところです。

 

同じ条件で磨いたのがこちらです!

 

 

 

硬いワックスなので、やはり革表面に定着して鏡面になりやすいです。
定着しても磨きやすいので、かなり綺麗な鏡面ができます。10分で磨いた鏡面にしては、光の反射が鮮明です。(他のものと比べると)

 

ただ、硬いので指に取るのが難しいワックスでもあります。
サフィールが推奨している使い方としては、柔らかいワックスで下地を作って、その上の仕上げにミラーグロスを使うという方法があります。

 

 

その場合は、ネル生地でワックスを取れるのでそれほど難しさは感じませんが、個人的にはやはり2層目に使うのが使いやすいかなぁと思いました。

 

また、今回はそれほどわかりませんが、下地としてミラーグロスのような硬いワックスを使った場合、革の凹凸を埋めきれず空気が入っていまうことがあります。

 

下地に使う場合は、よく革の上で馴染ませるように塗り重ねていくのが良いと思います!

> ミラーグロスの詳細はこちらの記事へ

 

 

サフィール・ビーズワックスポリッシュ

 

お次はこちら!
サフィールのビーズワックスポリッシュ(ブラック)です!
ノワールのビーズワックスポリッシュ との違いが気になるところです。

 

 

同じ条件で磨いたのがこちらです!

 

 

 

こちらもサフィールノワール のビーズワックスポリッシュ と同様柔らかいワックスです。
指で取りやすく使いやすい反面、柔らかいので塗り重ねた時にすでに塗られているワックスを溶かしてしまうこともあります。

 

ドライにしない場合は、薄く、時間をかけながら塗り重ねていくのが良さそうです。

 

 

サフィールノワール のワックスとの違いはあまりわかりませんでした!笑

 

 

M.モウブレイ・ハイシャインポリッシュ

 

お次は、こちら!
モウブレイのハイシャインポリッシュ(無色)です!

 

 

同じ条件で磨いたのがこちらです!

 

 

 

すごくねっとりとしたワックスです。
油分がすごく多いせいか、全く定着してくれませんでした。笑

 

ご覧の通り、綺麗な鏡面にはなってくれず、下地を塗っただけで10分経過してしまいました!

他のワックスは3分くらいで下地を塗り終えるんですけどね。笑

 

 

昔ながらの製法を守って作られているということらしいのですが…
これはほとんどドライにせず、ほぼ新品の状態だったのである程度乾かして使ってあげるのがいいかもしれません…。
これは焦りました。笑

 

 

ブートブラック・シューポリッシュ

 

お次はこちら!
ブートブラックのシューポリッシュ(ブラック)です!

 

同じ条件で磨いたのがこちらです!

 

 

 

こちらも比較的ねっとりとしたワックスです。
指でワックスを取ろうとすると、まったく取れない。笑

 

他のワックスに比べると、塗りにくさはあります。

 

これも油分が多めのワックスだと思います。定着するのにも多少時間がかかりました…
どちらかというと職人さん向けのワックスかもしれません。

 

 

ブートブラック・ハイシャインベース

 

お次はこちら!
ハイシャインベース(無色)です。

 

缶に入っている一般的なワックスとはちょっと違いビンに入ってるものです。
ワックスと比べると柔らかいですが、そのあたりはいかがでしょうか。

 

同じ条件で磨いたのがこちらです!

 

 

 

これはやはりちょっと特殊です。
指に取る時に溶けるような感じはなく、すくい取るようなイメージなので、革に塗った時に塗りムラになりやすいです。

 

乾くのは遅くはない、という感じがしましたが、少しずつ塗り足さないとすでに塗った下地を溶かしてしまいます。
使いこなすには慣れが必要ですね。他のワックスとはちょっと種類が違うので。
(今回はハイシャインベースのみで、ハイシャインコートは使っていません)

> ハイシャインベースの詳細はこちらの記事へ

 

 

あーーーだいぶしんどくなってきた!!笑

 

 

KIWI・シューポリッシュ

 

お次はこちらです!
ご存知KIWIのワックス(ブラック)です。
次にご紹介するパレードグロスとのツヤも気になるところです!

 

同じ条件で磨いたのがこちらです!

 

 

 

これも手触りはサフィールノワール のビーズワックスポリッシュ と同じ感じで、非常に塗りやすいです。
薄く塗れば乾くのも遅くないし、使いやすいワックスだと思います。

 

指でさらっと薄く取れるので、何度も塗り重ねないと革の表面の凹凸が埋まりません。
ご覧の通り、あっさりした仕上がりになっていて、硬めのワックスを使った時のような、強い鏡面という感じではありません。

 

単純に時間をかけて、塗り重ねれば凹凸は埋まりますけどね。

> KIWIのワックスはこちらの記事へ

 

 

KIWI・パレードグロス

 

はい、パレードグロス(ブラック)です。
KIWIのシューポリッシュとの違いは、

 

同じ条件で磨いたのがこちらです!

 

 

 

前にもKIWIのワックスを比較したことがあったのですが、普通のワックスとパレードグロスの違いはいまいちわかりません。笑

 

一応パレードグロスには、よりツヤを出すためのテレピンオイルが入っているとのことでしたが、それほど大きな違いは感じませんでした。

 

でも、パレードグロスの方が塗る時にねっとりしてるかも?とも思いましたが、気のせいかもしれません…。笑
是非みなさんご意見聞かせてください!!

 

 

YAZAWA・ワックスシューポリッシュ

 

はい、お次はYAZAWA(無色)です!
こちらもどちらかというとかなり硬めのワックスですね。

 

乾燥させなくてもそのまま使えるワックスなので、技術にも左右されるところですが、どちらかといえばミラーグロス寄りの使い方をするのが我々には使いやすいという気がしています。

 

同じ条件で磨いたのがこちらです!

 

 

 

こちらも硬めです!
指に取る時にするっと取れない硬さがあります。

 

指に取りにくいため、少量を塗り重ねるという使い方は難しく、ある程度の量を塗って革に馴染ませていく感じです。
なので、慣れないと塗りムラができてしまうこともあります。

 

 

なので、他の柔らかいワックスと比べると、革の凹凸が埋まっているのがよくわかると思います。
やはりミラーグロスと似ていますね!

> YAZAWAの詳細はこちらの記事へ

 

 

ダイソー・シューポリッシュ

 

最後はダイソーのワックス(ブラック)です!
話題ワックスです!
今売れに売れてる100均のワックスですが、いかがなものでしょうか?

 

同じ条件で磨いたのがこちらです!

 

 

 

これもかなり柔らかいワックスです。

 

触った感触はサフィールやKIWIとすごく似ていて、指でするっと溶けます。
100円にしては使いやすいワックスだと思います。

 

100均でワックス品薄になってるらしいので、お早めに!!

> ダイソーのワックスはこちらの記事へ

 

 

結果!

仕上がったものを並べてみます!

 

すみません、レイアウトの都合上…仕上がりの都合上、モウブレイのワックスは掲載していません。
あきらかに鏡面になっていませんでしたからね。

 

 

それほど大きくは変わりませんが、ミラーグロスとYAZAWAの2つは、靴左側の窓の光の反射が鮮明な気がします。(ほんっの少しだけ)

 

硬いワックスはどうしても薄塗りで塗り重ねるのが難しく、他のワックスより多く塗ってしまった感があります。
結果それが革の凹凸を埋めてくれたという感じですね。

 

 

蛍光灯の光の反射もそれほど大きくは差がないながらも、ミラーグロスはかなり鮮明です。

 

 

 

このアングルでもそれほど大きく差がありませんが、ワックスの触り心地や、乾きやすさ/乾きにくさなど、いろんな特徴がある中で、臨機応変に塗り方を変えたり乾かす時間を変えたりしました。

 

まぁ、なんとなくそれなりの鏡面にはなりましたが、その塗り方を変えるというのが一番楽しく難しいところでした!

 

 

慣れもあると思いますし、もっと時間と塗る回数を増やせば綺麗な鏡面になるかもしれませんし、条件によって結果が変わってくるかもしれませんね。

 

でもこうやっていろんなワックスを同じタイミングで使ってみるのは違いがすごくわかるので、鏡面磨きがお好きな方は是非試してみていただきたいと思いました。(←結論)

 

 

柔らかい/硬いワックスの使い方の違い

やはり、ワックスを語る上で大事なのことのひとつに『ワックスの硬さ』があると思います。

 

製品によっては、はじめは柔らかくて少しフタを開けて乾かしてからでないと使いにくいもの、逆にはじめから硬めで乾かさなくても使えるもの、の2種類があります。

 

 

簡単にご紹介すると柔らかいワックス、硬いワックスの特徴はこんな感じでしょうか。

 

ワックスの特徴  メリット デメリット
柔らかいワックス  革の凹凸を埋めやすい  乾燥が遅く定着しにくい
(薄く塗ればそれほどではありません)
硬いワックス  乾燥が早くツヤが出やすい  革とワックスの間に
空気が入ってしまうことがある

 

 

例えばサフィールノワール のミラーグロスですが、これはもともと硬めのワックスです。
サフィールとしては、この硬いワックスは2層目に使ってもらうことを推奨しています。

硬いと革表面の凹凸を埋め切らない場合があるので、まずは柔らかいワックスで表面を整えて、その上から硬いワックスを使うことで素早く鏡面をつくることができると、そういうことでございます。

 

 

あと、硬いワックスの良い点としてもう1つあげられるのは、磨く時間が早くなるということです。

 

しかし、人生は短い!
靴磨きだけに人生を費やしたいワタクシですが、食事もとって睡眠もとって仕事もしなければなりません!

 

なので、鏡面磨きの時短を目指すということは人生が豊かになるということでもあります!(持論)

 

 

ほんとは持続性も検証したい…

あと、ほんとはワックスのツヤの持続性も検証したいところです。

 

 

一般的に言われてるのは、やはり柔らかいワックスで磨いた方が鏡面にヒビが入らず、長持ちしやすいということですね。
柔らかいワックスの方で磨いた方が若干ですが柔軟性が高い、という理由からです。

 

逆に硬いワックスはヒビが入りやすいです。

 

 

 

また、ワックスは塗った直後が一番柔らかく、あとは風や日光にさらされてどんどん硬化していきます。
その硬化していく過程で、どのワックスが一番ツヤを長持ちさせてくれるのか、というところも本来であれば検証すべきところですね。

 

ここは恐らく我々の目には見えない成分が大きく関係していくるところだと思っています。

 

 

ワックスの値段

やっぱり100円のワックスから2,000円以上するワックスまであると、どう揃えれば良いかが非常に悩ましいところです!

 

まずは、値段と内容量の一覧表を掲載しておきます。
参考程度にご覧ください。

 

ワックスの特徴 値段 内容量
サフィールノワール:
ビーズワックスポリッシュ
¥1,080 50ml
サフィールノワール:
ミラーグロス
¥2,376 75ml
サフィール:
ビーズワックスポリッシュ
¥756 50ml
M.モウブレイ:
ハイシャインポリッシュ
¥1,330 65ml
ブートブラック:
シューポリッシュ
¥1,080 50g
ブートブラック:
ハイシャインベース
¥1,080 200g
KIWI:
シューポリッシュ
¥556 45ml
KIWI:
パレードグロス
¥780 50ml
YAZAWA:
ワックスシューポリッシュ
¥946 50ml
ダイソー:
シューポリッシュ
¥108 45ml

※値段は2018年5月のamazonの値段を参考にしています

 

 

ダイソーのワックスで価格破壊が起こってます。笑

 

 

おすすめのワックスの揃え方

お値段も交えて、ワックスの揃え方をご紹介できたらと思います。

 

おすすめなのは、やはり定番のKIWIのワックスを使ってみてもらうのは間違いないと思います。
使い心地の似たワックスも多いですし、何よりKIWIは安いです!

 

プロの靴磨き職人さんでも使われている方はいらっしゃいますので、試しに買ってみるぶんには間違いないワックスなのではないでしょうか?

 

 

KIWIのワックスで物足りなくなってきたら、個人的にはやはり柔らかめのワックスと硬めのワックスを併用していただくのもおもしろいかなと思います。

 

 

香りフェチなので、個人的にはサフィールのワックスのほんのり甘い香りが好きです。
なので、サフィールノワール のワックスを好んで使ってます。

 

 

 

あと、色は無色のワックスがあればどんな色の靴にも使えるので大丈夫だと思いますが、革の状態やワックスの成分によってはシミになってしまう場合も全然あります。
なので、どんな色のワックスを選んでも、まず必ず見えないところでワックスを塗ってみてシミができないことを確認してからご利用くださいね。

 

 

最後に

あまり大きな違いがご覧いただけずちょっと惜しい気持ちなのですが、単純に 僕の腕が上がった それぞれ特徴があって素晴らしいワックスばかりだったからだなと思ってます。汗

 

 

ツヤの結果というよりは、かなり使い勝手のところで好みがわかれる話かな?という結論に至りました。

 

 

是非ご自分にあったワックスを探してみてください!
最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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