大事な革靴が雨に濡れて、それが乾くと…
ほらーーー(;´༎ຶД༎ຶ`)
塩吹き
こうですよ!
さらに…
銀浮き
ほらーーー(;´༎ຶД༎ຶ`)
こんなふうに水ぶくれのようなブツブツの状態になってしまうこともあります。これはまだ軽度ですが、ひどい時はもっとでこぼこが目立つこともありますね。
上の写真のように白いシミができることを『塩吹き』と呼びます。
さらに、下の写真のようにデコボコの状態を『銀浮き』とよびます。
一見すごく残念な感じですが、案外簡単なお手入れで元に戻せるんです。なので今回は、この現象の原因とお手入れ方法をご紹介します!
よければ是非お付き合いください!
白い粉『塩吹き』について
まずは、塩吹きについてご紹介していきます。
雨に濡れて白くなる原因
雨に濡れて現れるこの現象『塩吹き』…
主な原因は塩分です。
汗の成分や革をなめす工程で使われる薬品などの塩分が多いようです。これを塩スピューと呼びます。
また、衣料革に多いようですが、革に含まれる脂肪の成分が革表面に出てくるものを、脂肪スピューと呼びます。(参考:日本タンナーズ協会)
足にかいた汗が革の内部の染み込んで塩分が革の中に残ります。
しかし、雨に濡れるとまた塩分が溶け、革の伸縮によって表面に浮き出て、白いシミとなって残るわけです。
これが塩吹きのメカニズムですね。
汗だけでなく尿素も
人の汗には塩分以外にも尿素が含まれて、それが革を固くさせてしまうことがあります。もちろん塩分や尿素の量は人によって個人差があります。
なので、定期的に汚れ落としなどで汗の成分を落としてあげる必要がある、というわけなんですね!
『塩吹き』のお手入れ方法
塩吹きのお手入れ方法は決して難しくありません!
普段、靴のお手入れをしていただく手順とほぼ同じです。
馬毛ブラシでブラッシング
ホコリや雨水に含まれる土などを馬毛ブラシで落としましょう。
ブラッシングするだけでこのとおりです!
この時点でほとんど表面の塩分は落ちてることがわかりますね!
見た目では塩吹きしていたとはわからないほど。笑
汚れ落としで塩分を落とす
次に汚れ落としで塩吹きの部分を丁寧に拭き取っていきます。
決して革表面を強くこすらないように優しく拭き取るようにしてください。
表面だけじゃなくて、革の内部にも塩分は残っている可能性があります。なので、浸透性の高い水性の汚れ落とし(ステインリムーバー)を使います。
● 参考記事: 革靴用の汚れ落としはステインリムーバーがオススメです!
デリケートクリームで栄養補給
ツヤが出てますがまだ塗ってません
革靴用のクリームでしっかり栄養補給をします。
というのも、雨水によって革の油分や栄養が抜け落ちて乾燥している状態だからです。
なので、もしデリケートクリームをお持ちでしたら普通の乳化性クリームより効果的です。雨の後はデリケートクリームと覚えておきましょう!
※デリケートクリームはツヤ出しよりも栄養補給に特化したクリームです。
写真ではわかりませんが、向かって左をスペシャルナッパ、右を1909シュプリームを塗ってみました。
触ってみるとどちらも潤った感があります。
1909シュプリームの方がサラサラに仕上がったので、ナッパの方が潤ってる感はありますが、甲乙はつけがたい仕上がりです。
ただここは、雨の後にはデリケートクリームというセオリーに則って、スペシャルナッパをおすすめさせていただきます!
● 参考記事:スペシャルナッパデリケートクリームで潤いと栄養補給を手に入れました
豚毛ブラシでブラッシング
しっかりブラッシングしてクリームを馴染ませ、革をマッサージします。
土踏まず側と…
足の外側です。
塩吹きがあった部分もこんなにキレイになりましたよ。今までツヤと潤いを取り戻しましたね!
いい感じです!
表面のデコボコ『銀浮き』について
雨に濡れて水ぶくれを起こす原因
このような水ぶくれを銀浮きと呼びます。革が雨に濡れることで、革の繊維内の成分や塗ったクリームの成分が部分的に動いてしまい、このように表面がデコボコになる現象が起こってしまいます。
『銀浮き』のお手入れ方法
次は、銀浮きのお手入れ方法もご紹介していきます!
まずは汚れ落とし
雨に濡れたことで見えづらいですが、泥や汚れがたくさんついています。同じく水性の汚れ落としで綺麗にしましょう!
ただ、ここでひとつご留意いただきたいのは、汚れ落としだけではこの銀浮きは落とせないということです!
僕も昔銀浮きができるたびに汚れ落としでどうにかならないかと試行錯誤をしたものですが、革に負担をかけるだけで結局汚れ落としだけでは銀浮きは解消できませんでした。
水分を均等に含ませる
雨水が局所的に革にあたることでこのようなデコボコになってしまうのであれば、革全体を濡らしてあげてはどうでしょう?(※参考1)
ということで、タオルやキッチンペーパーを濡らした状態で靴を覆います。
これをティッシュパックと呼びます。
つま先の部分はワックスが塗ってあったので銀浮きにはなりませんでした。
なので、それ以外の部分を濡れたキッチンペーパーで覆います!
これで一晩放置!
そして翌朝…
こんな感じに元どおりになりました!
最初のブツブツ感というかザラザラ感は解消できました!
デリケートクリームで栄養補給
あとは乾くのを待って、デリケートクリームを塗りましょう。
こんな感じに仕上がりました!
事前の対策
雨の日は、もう出かける前から靴をタオルで濡らしてしまうと、局所的に濡れることがなくなるので銀浮きにもならないという情報を教えていただいたこともあります。
先に濡らしてしまうというのは賢いですよね!
ひと手間ではありますが、それで銀浮きに対策になるのであればそっちの方が効率的かもしれません。
ご紹介した方法のように一晩寝かせる手間は省けますからね!
また、防水スプレーという手段もあります。
かなり長い記事ですが、こちらでまとめていますのでよければご覧ください!
雨に濡れたらまずは応急処置を
雨に濡れたら、少しでも塩吹きや銀浮きを軽減ために、できるだけ早くティッシュなどで靴表面の水気を拭き取ってください。
雨の日、出社されたらまずティッシュでさらっと水分を拭き取ってあげるだけでも効果的です。
雨の日は水分だけでなく泥や汚れもつきやすいですしね!
個人的にはこれだけでシミは軽減できると思ってます!
靴底のお手入れも大事
サフィールノワールのソールガードを塗りました。
靴底はオイルを塗っておくと柔らかさを保つことができ、反りが良くなるので、つま先の減りも少なくなります。
逆にお手入れされていないレザーソールは硬く、反りがよくありません。
意外にも、ソールが柔らかく柔軟な方が削れにくく長持ちするということなんです!
● 参考記事:サフィールノワールのソールガード使ってみた
たまには丸洗いもおすすめ
これとは別に、サドルソープという靴を水洗いするときの洗剤を使っても靴の汚れとふるいクリームなどがさっぱり落ちておすすめです。
ただ、靴の水洗いはある程度負担がかかってしまうので、そんなに頻繁にやるのはおすすめしません。
● 参考記事:サドルソープでの革靴丸洗いが超おすすめなので使い方
最後に
雨に濡れてしまったら、とにかく汚れ落としとデリケートクリーム!
この2つは必須アイテムですね!
雨が多い季節は気持ち的にも憂鬱ですよね。
しかし、雨の中我々の足を支えてくれた大切な革靴もいたわってあげてほしいのです。足にも馴染むし、きっと愛着が湧きますよ!
ご紹介した商品もよければ試してみてください!
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
革靴の磨き方もご紹介していますので、よければこちらの記事もご覧ください。
※参考1:https://allabout.co.jp/gm/gc/465351/
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