靴職人さん

ゴリゴリとエレガンスを融合させたこのサンダル、圧倒的…!!

靴磨きセットまとめ記事

 

シューズラックの中にドレスシューズが増えてきて、今ドレスシューズ欲求が一旦落ち着き、これからはもう少しカジュアルな靴や変わった靴を増やしていきたいと思っている今日この頃でございます。
ただ、ドレスシューズでも足に合うものを履くと心が高ぶるので、そういう靴に出会えると「やっぱりドレスシューズもええのう」となるのですが、どうやら最近は珍しい革とか変わった靴に興味が向いているようです。周期の問題だと思うので、きっとドレスシューズが好きになる時期は必ずやってくると思いますが。

 

そんなこともあり、さらに外にでる機会も少なくなって、しばらく靴を見に行ってない、履きに行ってないという期間が続いていましたが、この外出しにくいご時世を理由に僕の情報収集不足を正当化しようという気持ちがあったことを反省しています。

 

しかし、こんな靴を見せられると、そんなことはどうでもよくなりました。

 

 

 

木箱を開け、靴を取り出すと狭い部屋に革の香りと靴の接着剤の香りが充満し、この存在感のあまりカメラを構える手が震え、撮影の構図を考える思考が止まり、構図はクソなのにどの角度から撮っても美しく写るという、確変で脳内が溶けて煮えたつ快感のようなそんな感覚を覚えました。

 

これだから革靴はやめられない!

 

 

靴職人・和泉澤 良さんとレザークリエイター・斗谷 諒さんの合作によって完成した靴です。

 

 

和泉澤 良さんのシルエット

 

グルカサンダルの類と認識していますが、どうでしょうか。

 

こちらの記事でご紹介させていただいた和泉澤 良さんという靴職人さんに去年の9月にオーダーをしたもので、10月末に完成し一度履かせていただいてました。
しかし、かかとに指一本入るほど余裕があったので、せっかくこんなにテンションの上がる靴なのに、サイズの問題で履かなくなってしまったら勿体なさすぎると思い、追加料金をお支払いするのでもう一度吊り込みをお願いしますと依頼をしました。

 

その後、この革の制作の都合で少し時間が経ちましたが、ようやく完成と相成りました。今回はサイズもばっちりでございます。あのタイミングでケチらなくて本当によかったと自分を褒めたい。

 

その時の様子

 

 

 

 

エッジの効いたこのつま先、とても迫力があります。前回の記事ではこのシルエットを『マイナス』と表現しました。
もしこの靴が仮にスムースレザーだったとしてもきっとそれはそれで素敵だと思いますが、この肉厚でゴリゴリの革でここまで鋭さを表現してくださってるのが個人的には萌えポイントだったります。
革の話は後ほどご紹介しますが、1.5〜1.7mm程の結構分厚い革です。

 

かなりロングノーズですが、この革の質感のおかげでまったくイヤじゃない。
つまり何が言いたいかと申しますと、サンダルなのにも関わらず、そしてゴリゴリの革を使っているにも関わらず、綺麗にまとめていただいているということです。ゴリゴリの厳つさとエレガントなシルエットの融合。

 

 

 

熟れたアボカドのようなかかと

 

鋭利なつま先とは対照的に、かかとは強く曲線を描いています。そのコントラストもおもしろいところです、つま先のエッジもかかとの曲線もどちらも強く際立っていますが、うまく流れるように繋がっているように見えるから不思議です。このデザインだからでしょうか。

 

 

革が形状を覚えるか長く木型を入れておいた方がいいというのはよく聞く話ですが、こんなにも立体感の強い靴だと吊り込みもめちゃめちゃ大変そうだし、そもそもどうやってパターンを引いたんだろうかと、いろいろ想像を掻き立てられます。

 

 

 

 

アッパーばかりに気を取られてましたが、底付けにもこだわりを感じます。
本底とヒールの段差。人が気付かないような細かいところではありますが、こういう細かい仕様にいちいち興奮しますよね。アンティークの家具のようなそんな雰囲気を漂わせます。

 

 

 

斗谷 諒さんの革・カンサビル

 

革はレザークリエイターの斗谷 諒さんの作品で、こちらの記事でご紹介したカンサビルという革です。
動物の血筋やシワなど、一般的に革靴には避けられる自然の模様を、逆に個性として表に出すような仕上げにこだわって開発された革。
開発に多くの時間と労力がかかったとお聞きしてます。

 

牛革のカンサビルもありますが、こちらはホースハイドのカンサビルです。オイルドヌバックのような質感なので、ねっとりとした弾力とコシが足を包み込むような履き心地です。
個性を表現した革ということですので、その個性を殺さないようにしたいところ。僕は今まで革靴には過保護なほどお手入れをを施してきましたが、今回は時々デリクリとブラッシングだけで革の荒々しさを際立たせていくようなお手入れをしてみようかなと思います。

 

 

 

カンサビルは加工前はもう少し毛羽立ちのある起毛した質感なのですが、この靴は仕上げの段階でロウを含ませてところどころツヤが出ています。
光の当たり具合によっては、錆びた金属のような迫力あります。金属の名がついたミュージアムカーフの靴を見たことがありますが、こちらの錆感は圧倒的。

 

 

 

こちらは、以前作っていただいたカンサビルベルトのオリーブ色なのですが、ロウが含まれていないのでツヤはなく、カサつきのある表情です。この革も同様に、どう付き合っていくかは僕次第。

 

使い込むことで、育てることで完成していく “余白” みたいなものを、他の革よりも多く感じます。カンサビルを使った革小物の使い込まれた様子はこちらの記事を是非ご覧ください。

 

カラリストチャンピオン斗谷諒が繰り出す感性と個体が報われる仕上げの革・カンサビル
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個性という言葉はそのものが持つ特有の性質みたいな言葉なわけですが、素材の個性を汲み取ってそれを活かしつつ、綺麗な靴に仕上げるというのはなかなか難しいのではないかと思います。
この革を使ったら全ての靴が同じような迫力を纏うかといえば、僕はそうではないと思うからです。

 

履くための靴ではありますが、お二人のこだわりと感性が詰まったアート作品のようなこの一足に宿った何かをしっかりと感じました。
完成までかなり待ちましたが、牛革だと迫力に欠けるからということで、急遽ホースハイドに変更したという経緯も知っていると、なおさらお二人の妥協のないものづくりへの姿勢に頭が下がります。

 

牛革のカンサビル

 

 

見たことのない新しい靴に出会える機会をいただいたご両人に感謝申し上げます。めちゃめちゃワクワクしました!ありがとうございました!

 

和泉澤 良さんインスタ:@ryoizumisawa

 

斗谷 諒さんインスタ:@ryo_hakaridani

 

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

靴職人・和泉澤 良さんの『マイナス』の迫力と拘り抜いたサンダル
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