
三陽山長といえば友二郎(ともじろう)。内羽根ストレートチップです。
次いで、外羽根Uチップの勘三郎(かんざぶろう)、ダブルモンクストラップの源四郎(げんしろう)という、三陽山長の二、三、四がアイコンシューズとして有名です。
ブランドや靴について詳しくお話を伺うことができましたので、アイコンシューズや木型についてもご紹介させていただきます。
三陽山長(さんようやまちょう)とは

2000年に山長印本舗という名前で始まった、その名の通り日本の紳士靴ブランドです。
当初は伊勢丹で販売が開始され、2001年に三陽商会が商標を買い取ったことで、三陽山長というブランド名に変更となりました。
今年2021年で20周年のブランドになります。
当時からアイコンモデルである友二郎、勘三郎、源四郎の3モデルは存在していました。
当時の価格は5万円〜で販売されていたようですが、2021年現在の時点では 7〜8万円が主な価格帯です。中には10万円を超えるものもあります。
国産靴の中では比較的高価格帯のブランドという位置付けになりますが、靴のクオリティーだけでなく、店舗の雰囲気、販売員の接客もその価値に見合ったものをということで、ブランドの在り方を追求されています。
脱いでも美しい靴

三陽山長の靴のこだわりについてです。
日本には履物を脱ぎ履きする機会が多い文化がありますので、脱いだ時にも靴のシルエットが美しく保たれるよう、保形能力の高い良質な牛革のライニングが使われています。
過去にはボロネーゼ製法やマッケイ製法などの靴もあったそうですが、そういった製法の靴は柔らかさはあっても、靴の立体感(吊り込み感)を出すのは難しいということで、今ではグッドイヤーがメインになっています。
そういった細かな気遣いとこだわりが、20年間日本の高価格帯の既製靴を牽引してきた所以でもあるのだろうと思われます。

ちなみにですが、過去には靴主体でのアパレルとして、三陽山長ブランドのスーツやコートなども展開されていました。残念ながら今はもう展開されていませんが、これがめちゃめちゃカッコいい!
パターンオーダーとレディーメイド

三陽山長のパターンオーダーではハンドソーンウェルテッド製法(9分仕立て)もオーダーが可能です。これはグッドイヤーウェルテッド製法だと沈み込みがあるので、そこを気にされる方へのサービスとして。
しかし、ハンドソーンだと価格が高くなってしまうので、9分と同じように量産できる製法を求めて試行錯誤した結果、2018年からリブテープを使わない『フレキシブルグッドイヤー』という製法も確立されています。
これは特別な中底を使用することで実現した製法で、既製ラインでは匠シリーズに採用されています。
パターンオーダーの価格はこちら。
| 価格 | ¥97,900〜 ※デザインによって異なります |
| 納期 | 60日〜 |
| その他アップチャージ | レザー、ソール、甲乗せ幅張り、デザインカスタム など、仕様によって変更になります |
レディーメイドオプション
パターンオーダーほどの自由度はありませんが、既製靴のアッパー変更やソール変更が可能で、さらにDウィズ木型(既製靴にはありません)の選択も可能な、レディーメイドのオプションもあります。
1足から作っていただくので納期は60日からですが、パターンオーダーよりもかなりアップチャージを抑えるられるオーダーです。
| 木型変更 | +¥5,500 |
| アッパー変更 | +¥7,700 ※展開中の既製靴のカラーのみ |
| ソール変更 | +¥7,700 ※レザーシングルかオリジナルラバーのみ |
木型の種類とサイズ感

約20年の歴史の中で多くの木型が生まれましたが、今でも一番評判が良いのが R2010 という2010年に誕生した木型です。甲高幅広と表現される日本人の足ですが、お店にいらっしゃるお客さんはそれほど甲高でも幅広でもないのでは?という、それまでの10年のノウハウを蓄積して作成した木型です。
木型についてご紹介させていただく前に、三陽山長の内羽根ストレートチップには友二郎と友之介があるのはご存知かと思いますが、違いはこのつま先。

友二郎はラウンドトーのR2010ラスト、友之介はスクエアトーのR309ラストになっていますが、郎がついているものは Round で、介がついているものは Square となっています。
豆知識はさておき、三陽山長の主要な木型を甲の高さ(縦軸)と幅(横軸)にプロットするとこうなります。

R2010 ラウンドトゥ
- 友二郎 ストレートチップ
- 勇一郎 ホールカット
- 勘三郎 スキンステッチUチップ
- 源四郎 ダブルモンク
- 弦六郎 パンチドキャップ
- 匠一郎 レベルソストレートチップ
- 鹿三郎 タッセルローファー
- 修一郎 シングルモンク
- 鷲六郎 フルブローグ
- 寿伍郎 外羽根セミブローグ
- 善八郎 スキンステッチシングルモンク
- 匠 友二郎 ストレートチップ フレキシブルグッドイヤー
R309 スクエアトゥ
- 友之介 ストレートチップ
- 源之介 ダブルモンクメダリオン
- 奏之介 アデレードセミブローグ
- 容之介 プレーンサイドエラスティック
- 鞍之介 サドルプレーントゥ
- 一之介 ホールカット
- 流之介 ワンアイレットプレーントゥ
- 匠 友之介ストレートチップ フレキシブルグッドイヤー
R2013 ラウンドトゥ(ローファーラスト)
- 弥伍郎 ローファー
R3011 ショートノーズスクエアトゥ
- 流也 フルサドルローファー
- 鷲也 ショートウィング
R2010 R309 履き比べ
ちなみに僕の 23.5cm の足には、R2010 の 5.5E(23.5cm)が良さそうです。
どちらかというと細身の足と自負していますが、確かに細く薄い木型であることがわかります。いつもなら 23.5cm を履くことが多いのですが、24.0cm であっても全然イヤなゆるさはありません。

先日履き比べをさせていただきました。
R2010のサイズ感

R2010 の 6D と5.5E の履き比べです。写真だと違いは全くわかりませんが、6Dの方が見た目的な長さがあります。
どちらもすごく気持ちの良いサイズ感です。やはりDになると結構細いので、ハーフサイズ違ってもそこまで履き心地に差は感じませんが、6Dは靴の長さがあるので僕の体型に合うのは 5.5E かなという判断になりました。
5.5Eはちょっとキツめなので、半年程度ゆっくり馴染ませてちょうど良いサイズ感に育てていくことを想定したサイズ感です。
また、かかとが小さく指まわりもかなり低めです。絞り込まれた木型ゆえ、見た目も洗練された非常にエレガントなシルエットです。尖ったところや野暮ったいところがなく、僕の足にはかなりフィット感の高い安心して履ける木型だと感じました。
R309のサイズ感

こちらは R309 の 6E です。
R309 は現在は 5.5 がないので僕の好きなキツめのサイズで履くことはできませんが、6 だとキツすぎず馴染んだときにこれくらいになっているのが理想だなぁというサイズ感です。個人的にはハーフサイズ下げたいところ。
24.0cm の友二郎、勘三郎、24.5cmの源四郎の試着サンプルを履かせていただいた様子です。
申し上げたとおり、24.0cm でも全然イヤなユルさではないです。僕はキツめが好きなので23.5cm の方がいいですが、すこしゆったり目がお好きな方は 24.0 cm を選ばれる方もいらっしゃると思います。
詳しくは、動画でもご紹介していますので、ご覧になってみてください。
三陽山長のアイコンシューズ

海外のブランドも人名を靴のモデル名としているものがありますが、三陽山長のモデルも人名が名付けられています。
友二郎さんは実在する方のお名前が採用されていますが、それ以外の靴は理由があって名付けられているものが多いと聞きます。
例えばホールカットは1枚革なので、ラウンドは勇一郎、スクエアは一之介。
サドルシューズはサドル = 鞍なので、鞍之介。
アデレードは、琴の装飾をあしらった琴伍郎。
などなど、是非お店で聞いてみてください。なんとなくふわっと名前がついたものもあるとかないとか。笑
やはり型番だと型番感が強いのですが、固有名詞がついているとなぜか親しみやすさがあるというか、馴染みやすいというか。名前と靴のデザインが結びついていると、なおさらそんな気がします。
友二郎:内羽根ストレートチップ

クラシックな内羽根ストレートチップです。
靴紐を通すレースステイの両端にはスワンネックのステッチが施されています。

木型の立体感とかかとの丸みも際立っています。
見た目やシルエットであれこれ言うよりは、実際に履いていただいた方がこの靴と木型の良さは感じていただけると思います。
店舗で足を測ってもらって、是非試着していただくことをおすすめします。

勘三郎:外羽根Uチップ

外羽根のUチップです。
世の中にはいろんな外羽根Uチップがありますが、まずとにかくバランス感が絶妙です。手染めのイタリアンレザーのアンティーク感のある色合いと革の柔らかな質感も際立つ贅沢なパターンです。

そして、こういったUチップを印象付けるスキンステッチ。
ご存知の方も多いと思いますが、友二郎や源四郎は ¥75,900 ですが、こちらは ¥105,600 になります。

動画でもご紹介していますが、黒のUチップもいいんです。
なんとなくUチップはブラウンというイメージが強かったのですが、想像以上に黒いいですよ。
源四郎:ダブルモンクストラップ

コーヒーブラウンの源四郎。
こちらも余計な装飾のない、非常にシンプルなデザインです。

バックルの下には伸縮素材がついているので、甲が高い方や締め付けが嫌いな方には履きやすそうな靴でした。

というのが三陽山長のアイコンシューズ3足でした。
繰り返しになりますが、これは履いていただくのが一番はやい。是非試着をしてみていただきたい木型です。
最後に

オーセンティックでシンプルな見た目はそれはそれでもちろんいいのですが、時代やトレンドによってちょっとずつバランス感を変えているアパレルメーカーならではのアプローチや、素材にもこだわっているというところはやはり靴好きとしては胸が熱くなります。
靴職人・関信義氏がライニング用の革を見て「これなら作る」と首を縦に振ったという逸話もあるほど。アッパーにも使えるほど滑らかなライニングは触ったらその良さが一発でわかります。ひと汗かいたら抜群に馴染む、そんな上質なライニングを使ったのが謹製シリーズとのことです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
公式サイト:http://www.sanyoyamacho.com/
インスタグラム:@sanyoyamacho























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とても参考になりました。ありがとうございました。
そう言っていただけて何よりです。
ありがとうございました!