以前こちらの記事でご紹介したリーガルトーキョーのビスポーク。
2回の仮縫いを経て、10月某日ついに完成品が納品されました。
ちなみに僕の靴ではございませんので、一緒に指を加えて靴の写真を眺めましょう。笑
オーダー時のまとめ
以前の記事の時にご紹介したオーダーの内容を簡単にまとめておきます。
- チゼルトゥのホールカット
- オーダー主さんのイニシャルを模したスキンステッチ
- ホールカットの継ぎ目も指定
- かかともテーパードでシームレス
- ソールはべヴェルドウエスト
はい、かなりたっぷりな内容でのオーダーになりました。
結論から申しますと、このたっぷりに対してたっぷり以上で仕上げてきたのが、今回の靴です。
すばらしい仕上がりになってますよ!
仮縫いは二度
1度目の仮縫いは僕は立ち会えなかったのですが、2度目には立ち会わせていただきました。
仮縫いの靴はこちら。
他のブランドのことはあまり詳しくわかりませんが、仮縫いの靴もちゃんと履ける状態に仕上げてくれて、しばらく履いて様子を見ることができるというのはすばらしいサービスだと思います。
もちろんビスポーク馴れしている方もいらっしゃると思いますが、オーダーする人の全てがそうではありません。しばらく履いて履き心地を確認させてもらえるっていうのは、履き心地やフィッティングの判断が即座にできない人にとっては非常に親切です。
デザインとか外から見える意匠にだけこだわっているわけではなく、ちゃんと履く靴としての機能を提案してくれている感がありますよね。
MAXさん(オーダー主さん)は2週間ほど履いたとおっしゃってました。
仮縫い靴と完成靴のギャップ
仮縫い靴
仮縫いの際の履き心地のことは僕はそこまで詳しく聞いていませんのでわかりませんが、正直この段階ではリーガルトーキョーさんは様子を伺っていた感があると個人的には感じています。
言葉を選ばず言うと、仮縫いの段階ではシャープさに欠けている気がしました。
書いていて思いましたが、これは完成品があまりにシャープでエレガントだったから、それと比較してそう思っているだけなのかもしれません…。
履き心地の部分やトゥの角度など細かい話をして完成した靴がこちら。
圧倒的!
つま先から甲にかけての緩やかな曲線と履き口への立ち上がりも、そしてウエストからかかとにかけて見事な形です。
歩行時の動きや屈曲が目に浮かぶくらい足の形をしています。
革も仮縫いの時よりは格段に良いものを使っているわけだし、ヒールの高さやソールの仕上げが違うのもあると思いますが、そこではなくってアッパーの形、つまり木型の形が圧倒的に美しくなっている印象です。
さらに履き心地もぴったりな様子。
仮縫いのときは様子を伺っていたのか、それとも客の好みを量るために少しゆったり目で作ったのか。
どちらにしてもこのギャップにやられた時点でその戦略によって完全に打ちのめされたのでした。(別にリーガルトーキョーは的じゃない
とにかく仮縫いというプロセスを経て仕上がった靴、いや経たからこそ仕上がった靴であると、そんなふうにも思います。
木型
オーダー時に計測もされたのでよくわかりましたが、内側が特徴的な足をされていて、それがよく反映されている木型です。
トゥの形状の要望や仮縫いの時に打ち合わせした内容などが反映されている木型です。
仮縫いも立ち会わせてもらったので、人様の靴ではありますがその過程もまたこういったビスポークの醍醐味だと感じます。
革も素晴らしい
ホールカットの継ぎ目
革もいい革でした。
僕が手入れをしたい…と心底思った。好みの色だったせいもあるかも。
しなやかですが、靴自体のつくりは決して薄っぺらい感じではない。しっかりしたつくりです。意図してシワ入れなどしていませんが、ただ履いてしばらく店内を歩いただけで自然で美しいシワが入っていました。
僕が手入れをしたい。
僕の好きなクリームを存分に使って、無色のワックスで僕の気持ちいいところまで鏡面磨きを施したい。
そんな革です。
すごいものを見させていただきました。
ちなみにこの革はMAXさんの靴で終了とのことです。僕を含め薄い色の靴好きのみなさま、残念でした。
MAXさんのイニシャルを模したスキンステッチ。
これは俺だけの靴感があっていいですね。
インソールは紫のベビーカーフ。
写真だとそんなにわかりませんが、ほんとはもう少し鮮やかな色でした。
ソールも非常に手の込んだ仕上げです。
履くのがもったいないくらい。
自転車は絶対に乗れないですね。笑
ベルトもオーダー
同じ革でしなやかで柔らかい色合いの素敵なベルト。
こちらもこのタイミングで納品でした。
こちらもクリームで仕上げたい…
レディースもあります
納品の日に同行された女性もリーガルトーキョーの9分仕立てを試着されてました。
茶色のストチ、平紐。
とっても素敵です。
他にもありますが、レディースも素敵ですね。
最後に
フルビスポークなのに納期が早い。
値段もかなりリーズナブル。(とはいえ高いですが
それなのにここまで親切に、さらにこんな期待以上の靴を仕上げてくるリーガルトーキョーの本気を見た気がします。やっぱり日本の靴業界を支えている大きな企業だと感じました。職人さんの数も多いみたいですしね。
仮縫い靴を履けるというサービスはすごく素敵。
銀座店の2階のオーダールームには、数々のビスポークサンプルが置いてあります。
いろいろ見ているとやはり「リーガルトーキョーらしさ」を感じるところも多々あります。
このトゥはけっこう他のサンプルにもありました。
今回のこの靴にも同じ「らしさ」を感じるところはありますが、しかしこのサイズのこの木型の靴に確実に合わせたトゥであるとも感じました。
もちろんこれ以外にもトゥの形状は選べますし、ちょっと特殊なものをオーダーしてもきっとそれに応えてくれると思います。
気になった方は是非ご覧になってみてください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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