クレマチス [Clematis]ブランド

僕の2年間の答え、クレマチスのセミビスポークが完成しました

Uチップ入荷しました!
クレマチス [Clematis]

 

僕にとって非常に思い出深い一足を受け取ってまいりました。
銀座のクレマチスの靴でございます。

 

 

僕のいろんな想いが詰まった特別な靴となりました。
いい体験をさせていただきました。クレマチスの高野さんありがとうございました。

 

靴のご紹介させていただきますがちょっと長くなりそうなので、お時間のあるときにご覧ください!

 

 

 

フィット感は理解してた

過去に試着したときの写真

 

クレマチスの木型が僕の足に合うと知ったことが最大の『ご縁』だったと感じています。

 

木型はメーカーやブランドごとにいろんな考え方があることと思います。
もちろん足のことをいろいろと考えられて生まれた木型であるとは思いますが、僕は詳しいことはわからないし、その点においては深く踏み込んで学ぶつもりもない。
結局どの靴が合う・合わないというのは僕の感覚でのみ判断されるわけだし、履いてみないをわからないわけですから。

 

だから合う靴に出会えたという意味でのご縁。

 

以前伊勢丹の地下でクレマチスを試着させてもらったのがとっても衝撃的で、その時からこの木型の靴が欲しいと思っていました。この記事のとき)
もはやこの履き心地が欲しいという言い方が正しいかもしれません。

 

 

 

正直言うと既製靴のラストでほぼほぼ合っているわけですから、正直セミオーダーじゃなくてもよかったんです。でもせっかく好きなブランドの靴を購入するのであればデザインもしっかりこだわらせていただこうじゃないかと。

 

欲深いんですね人間は。笑

 

 

 

ということで、デザインの要望もある程度聞いてもらえるセミビスポークでオーダーをさせていただくことに決めました。

 

 

デザイン

 

ということでデザインです。
いやぁ悩みました。超悩んだ。

 

 

オーダーする前にも何度かお店にはお邪魔していて、どんな靴があるのか知っていました。
すごい独創的な、何これ!っていう靴の数々。

 

これ好きです

 

これも好きですが

 

わたくし、決める時はわりとサクッと決めるタイプの『行動力と決断力ある系男子』ではございますが、今回ばかりは悩みました。さすがに。
結局、アデレードだけはつけてもらおうということだけ決めて、それ以外はできるだけ高野さんのご意見をうかがいながら決めていきたかった。

 

僕がああしたいこうしたいと言い過ぎると、なんか高野さんにお願いする意味がなくなってしまうような気がしたからです。
正直僕はすごく保守的で『実は行動力と決断力ある系を装ってる男子』なので、放っておくとストチとローファーばかり(ときどきホールカット)を買い集めることになりかねません。

 

それはそれでいいんだけど、クレマチスでオーダーする = クレマチスの色が存分に出ている靴に仕上げてほしいと思ったわけです。
欲しいデザインなら他にもっと安くできるところはたくさんあります。

 

 

 

オーダーって自分の思い通りになるという喜びもありますが、人に提案してもらえるっていう楽しさもあると思うんです。
あなたはこうだからこういう靴がいいと思うんだと提案をしてもらうまではいかなくても、こんなのどう思いますか?に対して、それならこうした方がいいと思いますけど、みたいな感じで決めていきたかった。(めんどくさい客ですね笑

 

好きな女の子から、髪短い方が似合うんじゃない?って言われて急いで切りに行ったみたいなそういう思い出、ありません?
今回はそれを体験させていただきました。

 

 

 

デザインを決めるまではメダリオンを入れようかいれないかずっと迷っていました。

 

入れなくてもいいんじゃないですか?とご提案いただいたことで、僕の中で靴のイメージが固まりました。
あとは何が来ても文句を言わないつもりでした。ある程度は決めたのであとは高野さんのセンスで仕上げていただければそれでいいと思っていました。結果、文句のつけどころはなかったんですが。笑(これで文句言ったらほんとにイヤな客でしょ?

 

これはメーカーのやり方やオーナーさんのお人柄もあると思うので、このやり方がどこでもうまくいくかどうかは正直わかりません。
俺の作った靴を履けっていう人もいれば、要望を伝えてくれないと作れないっていう人もいるでしょうからね。

 

 

 

でも、提案してもらうとすればもしかしたら2足目3足目の段階で、お互いの関係が築けたうえでやった方がいいかもしれない。
人によるのかもしれません。
こうしてってお願いするほどのセンス、そもそも僕にはないですからね!

 

 

靴の色

ここまでいろいろ書いてきましたが、こんなにも私的な文章でなんかすんません。
セミですがビスポークというものについて考えてみたことをまとめているだけです。笑

 

人間はヒマなんです。(ナニサマ
買った理由がほしいだけ。自分を正当化したいだけ。

 

 

 

決して酔っ払ってるわけじゃありません。
非常に高い満足感というぬるま湯に肩までどっぷり浸かっている気分です。
僕がパソコンのまでこの靴をまじまじと眺めているのをみて奥さまも「よかったね(呆れ」と。今他のことがどうでもよくなるくらい満ちた気分です。(やることあるのに

 

なんだかんだ言いながら、靴の色味もある程度決めていました。
こちらの靴。

 

 

 

履くこととか他の靴に合わせることを考えず、ただただこの独特な柔らかい色味に憧れていました。こんな感じの色味にできますか?と、気付いたら口にしていました。その他は覚えてません。

 

あと、冒頭に書くのがなんか小っ恥ずかしかったんですが、高野さんのお人柄に惹かれたというのはオーダーに至った大きな理由だと思います。

 

 

仮縫いは2回

 

8月、1回目の仮縫い。
この時はまだ本番の革ではないのと、アデレードだけ施された靴です。

 

木型の微調整も兼ねた仮縫いなので、こんな感じで銀ペンで印をつけたりします。
この段階で、どこが当たるとか、もっと攻めていいですねとか、そんな話をしました。

 

 

ここまでは仮の革なので、まだデザインが決まっていなくてもよかった。

 

でもここに来てとうとう決断に迫られます!
アアアアアデレードで、メメメメメダリオンは無しでお願いします!と。

 

 

 

そして2回目9月末。

 

 

こちらは本番の革です。
アノネイだったかな。(大事なところ忘れる…

 

ここでもうっすらペンで印がついていて、微調整をしていただきました。

 

 

完成した靴のご紹介

もったいぶってしまったみたいでなんだか恐縮なんですが、出来上がった靴を是非ご覧になってみてください。

 

まずは一番好きな角度です。
かかとからサイドのラインにかけて、すごく妖艶でいらっしゃる。

 

 

ヒールもテーパード仕様で大変エレガントです。

 

 

 

色は期待したよりは濃かったんですが、抜けていくと思いますよと言われて、そこも含めてエイジングを楽しんでいこうと思いました。
実際あの参考にした靴も長い時間をかけて徐々に色が抜けたらしいですからね。

 

 

アデレードの部分。
ブローグを履き口の方にぐるっと回すか悩みましたが、タンの上部で折り返す仕上げに。

 

 

茶色のサテンの靴紐を合わせていただきました。
ゴージャス。

 

インスタで適当に見つけた参考画像を「こんな感じで」と送ったものはアデレードの下部が角ばったものだったんですが(図らずも)、高野さんはこの靴の雰囲気に合わせて角を丸くしてくださいました。

 

これは感動でした。
シャープでシュッとしすぎたものは僕もイメージしておらず、むしろかわいらしい感じになったら嬉しいなぁって思っていたので。

 

 

横から。

 

 

非常に滑らかです。
ひっぱったら水飴のように伸びるんじゃないかってくらい、柔らかく滑らかです。

 

 

ただ滑らかなだけではありません。
つま先のコバの部分。すこしだけエッジーな仕上げなのお分かりいただけますでしょうか?

 

 

そしてつま先もよくよく見るとソフトチゼルです。
柔らかさの中のシャープさ。
お寿司で言うところのわさびです。

 

 

美トゥです。

 

クレマチス公式インスタのアングルをパクりました

 

 

そして美かかと。

 

 

 

美ソール。
ネイチャーカラー。
ソールの色は何色でもよかったんですが、せっかくならクレマチスのブランドカラーで。

 

 

 

クレマチス特注のツリー。
こちらもネイチャーカラーです。

 

 

一見薄いツリーですが、バッチバチなので出し入れも一苦労です。笑

 

でもツリーの出し入れがスポスポできてしまうようでは、ちょっと不安ですもんね。え、これちゃんと靴伸びてる?という気になります。
ツリーの出し入れのしにくさは使用感の満足度に比例しますから。出し入れしにくければしにくいほど良い。

 

 

ツリーだけでこの雰囲気ですからね。
多分そのへんのペーパーナイフよりは切れ味良いと思いますよね。

 

 

履き心地

 

まだ外を歩いたわけではないのですが、履き心地もすごく柔らかいです。アッパーが柔らかいですね。

 

こんなに柔らかい靴があるのかと。
先日イギリスで買ってきた靴たちはもうガッチガチの硬い靴ばかりでそれに慣れていたせいか、ちょっと不安になるくらいの柔らかさでした。
あ、そうだよね…決して硬いのが正解なわけじゃないよねと目が覚めました。笑

 

最近は硬い靴を痛い痛い言いながら馴染ませることに楽しみを見出していたので、その点ちょっと物足りなさは感じました。(変態の自覚有り

 

高野さんご自身もそんな硬くは作らないですねとおっしゃってました。

 

 

最後に

本格的に紳士靴が好きになって約2年。
一旦ここが節目かなと思っています。

 

もちろん僕が知っているブランドなんてほんの一部だけですし、知らないことの方が多いです。
まだまだ欲しい靴もあるし手元に届いていない靴もあるわけですが、靴好きとして2年間学んできた答え、というか集大成みたいな靴に感じています。
この話は結構複雑で長くなりそうなのでまた今度にします。笑

 

 

 

ひねくれているせいか、人が持っていないもの、もしくはちょっと変わったものを欲しいと思う節がございます。笑
もちろんグリーンのチェルシーみたいな、持っておきたいド定番のストチもいくつかありますが。

 

良い意味で自分でオーダーをするという責任と喜びを味わうことができました。

 

大げさに聞こえるかもしれませんが、そんな風に思っています。
今年一年全然頑張らなかったけど、自分への誕生日プレゼントとご褒美です。
貴重な体験をさせていただきました。とっても気に入っています。

 

簡単にプレメンテして、晴れの日に履き下ろそうと思います!
ゆっくり焦らずエイジングしていきたい。

 

 

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。
お値段とか納期はこちらの記事をご覧ください。

 

クレマチス銀座でセミビスポークをオーダーしてきました!
...

COMMENTS コメントを投稿する

  1. tt より:

    おめでとうございます。
    かくいう私も先日ビスポークが上がってきまして。

    • くすみ より:

      ttさま、コメントありがとうございます!
      そうなんですね、おめでとうございます!
      同じタイミングですね。
      どんなデザインにされたか気になるところです!とっても気になります!

      • tt より:

        バーガンディが秋に映える、ブローグが特徴的な一足ですよ。

        • くすみ より:

          ttさま、
          バーガンディですか!素敵ですね!
          もしかしたらクレマチスさんのインスタに出てるかも…?と思ったのですが、最近はそれっぽいのは出てませんでしたね。
          いつかどこかでお目にかかれることを願っております!
          とにかくおめでとうございました!

  2. くるくる より:

    くすみさんがモノの向こうの作り手の事を普段から意識されてるからこその靴だと思います。

    非常に人間味が感じられる素晴らしい靴ですね!

    今、作り手が見えることの大切さって見直させれてる時代ですよね!?
    マシンメイド、大量生産、流行からくるファストな文化、使い捨てなモノや服、靴、、、、じゃなくて!!

    今現代ですでに最先端なコトって実はそういうコトなんちゃうかなって思うんです。

    物事古い、新しいじゃなくて、やっぱり良い!てのが残るし、人に必要とされます。そうあるべきです。
    変に熱くてごめんなさい。
    でもこの靴は写真でしか見れませんが、本当にそういう事を瞬時に感じさせてくれる素晴らしい靴だと思います。

    履くの勿体無いですね、、今度またこれ履いてデートいきましょ✨

    失礼しました〜

    • くすみ より:

      くるくるさま、おひさしぶりでございます!
      やっぱり自分にとって靴別な靴はイギリスで安く買った靴ではなくて(笑)、何かしらの想いのこもった靴だなと思いました。あの旅もいい思い出ですけどね。
      ただ、こんなブログを書いているので、いろんな靴や有名な靴を履いてみたいという思いはあり、そこも含めて靴の魅力を発信していけたらと思っています。
      コメントいただいたのがきっかけで、今さっき履きおろしてみました!
      また東京にいらしたときはお声掛けください!次は何デートにしましょうね??

      • くるくる より:

        靴好き過ぎて、靴別になってますよw

        東京の仕事増えそうな兆しあるので、またご連絡します

  3. じょー より:

    とっても素敵な靴ですね。おめでとうございます。
    現在仕事で海外に住んでおり、周りに革靴好きがいないもので、羨ましいなあと思いつつブログを楽しませて頂いています。笑
    残念ながら、ヨーロッパの外れの国なので各種革靴ブランドの正規店がほぼなく、年末年始にでもロンドンかノーザンプトンへ調達に行こうかと画策中です。
    初投稿なので前置きが長くなりましたが、私も先日偶然にも国内唯一(らしい)ビスポーク店を見つけ、二度の仮縫いとフィッティングを経て来週にも完成します。
    ちょこちょこ、カットされた革の写真やつり込みの動画を送ってもらってるんですが、この完成を待っている時間がたまらないですね。
    引き続き1ファンとして、ブログ・インスタ等応援しております。

    • くすみ より:

      じょーさま、コメントありがとうございます!
      来週完成なのですね、少し早めですがおめでとうございます!国内唯一のビスポーク店なんてなんだか素敵ですね。どんなデザインにされたのかとっても気になるところです!
      応援ありがとうございます。最近特に波がありますがゆっくり自分のペースで楽しんでやっていきたい所存です。
      今後ともよろしくお願いいたします。

      • じょー より:

        デザインは、内羽根のアデレードで色はバーガンディ、つま先と踵をアンティーク仕上げにしたものです。
        初めてのビスポークだったので、想像力不足で比較的合わせやすいデザインにしてしまいました。

        ちなみに、そのビスポーク店のオーナーさんはロンドンにあるアスコットシューズと提携したらしく、以前クレマチスの方と会ったことがあるそうです。

        ウクライナにあるVicelliというお店です。

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