革製品・革小物

遊び心とこだわりが詰まった、革素材豊富なプロダクトを展開するバッグ・財布メーカー 株式会社林五

靴磨きセットまとめ記事
革製品・革小物

ご紹介いただいて知った、株式会社林五。
バッグや財布を国内で生産されている、創業から130年以上経つ歴史あるメーカーさんです。

 

先日そんな林五から展開しているブランド・FIVE WOODS のリスレザーを使った大判のトートバッグに関する動画を投稿させていただきましたが、その他のプロダクトも非常に魅力的だったため、靴好きでいらっしゃるメーカーの担当者・林さんにお話を伺いました。

 

 

 

豊富な革使いが魅力

改めまして、インタビューのご協力ありがとうございます!
リスレザーのTENACEシリーズ、しっかりしていてとても魅力的でしが、他のプロダクトもいろんな革が使われていて魅力的なものばかりでしたので、是非お話し聞かせていただければと思います!

TENACEシリーズのご紹介ありがとうございました!
リスレザーの他にもまだまだ面白いものを用意していますので、よろしくお願いします。

 

 

林五さんは1890年創業ということですが、まずは貴社の歴史について教えていただけますか?
130年前から、もともとバッグや財布を専門で製造されていたのでしょうか?

鞄や洋品雑貨の小売店として創業したと聞いています。今風にいえば「インポートセレクトショップ」でしょうか!?
当時の写真がこちらです。明治35年/1902年のものです。

 

出典:株式会社林五

 

写真からは鞄と靴の製造卸をしていたことがご覧いただけます。財布についてはおそらく当時は無かったのでは思います。

 

「靴鞄卸」と看板に書かれていますね!
確かにスーツケースのようなものも、日本的というよりは海外製のもののように見えます。

 

革靴の場合、「タイムレス」という言葉が使われるように、昔から変わらないことがひとつの価値でもあると思うのですが、バッグや財布は歴史の中で大きく変化はあったのでしょうか?

鞄の場合は収納するものが時代によって変化するため、革靴のようにまったく形が変わらないということはありません。とは言え、「大切なものを仕舞い運ぶ」という根源的な機能や目的は変わらないので、装飾やデザインといった部分を除けば基本的な形はあまり変わっていないように思います。

 

形以外に変わらないことに価値を見出すとしたら、昔から継承されてきた製法や技術でしょうか。

 

魅力を感じる製品というのは、ぱっと見のデザインや素材が良いだけではなく、それが本格的な製法や伝統技術に裏打ちされることによって隙が無く、価値が高められていると感じます。もはや革という素材自体がそうなのかもしれません。

 

いやぁ、おもしろい!
製品に魅力を感じる理由について僕もずっと考えてまして、おっしゃる通り見た目と技術、つまり「美観と機能」ということなのかと理解しました。
タイムレスという言葉だけを見ると「変わらないこと」がよしとされているように考えがちですが、その裏には、継承された製法や技術によって機能という価値が存在していて、受け継がれながらその技術がさらに磨かれていくみたいな、そんな感じでしょうか。

 

バッグの型崩れを防ぐ「肉盛り」

 

馬具に見られる装飾と伺っていますが、「肉盛り」も型崩れを防ぐためのもので、このバッグの見た目にも大きく関わっている部分かと思います。
例えば今回お借りした PLATEAU シリーズや TENACE シリーズは、大判のトートバッグでありながら、細かい部分まで作り込まれていることに驚きました。
特に内側までしっかり作られているなぁというイメージでして、「隙が無い」というのはまさにこういうところに表れているいるんだろうなぁと思っています!

 

 

素材の豊富さと遊び心

リスレザーを使われていることもそうですが、特に財布については革の種類も豊富であることにとても興味を持ちました。
コードバンもあれば、エキゾチックレザー全般を幅広く網羅されているようで、革好きの僕からするとても魅力的でした。
長い歴史のなかで、だんだん種類が増えていったのか、それとも意図して増やしたのか、そのあたりいかがでしょう?

 

 

種類については、自然と増えたのも意図的に増やしたのも両面あります。
古くから革製品を扱うなかで、革や革製品の魅力を伝えていくのは私たちにとってとても重要なことであると思っています。

 

しかし一方で、実用素材としての革の役割は今やほとんどなく、嗜好品の要素が強くなってきているとも感じています。一例として、高い値段の割に水に弱いコードバンなど、実用性は牛革に比べてそれほどアドバンテージが無いにも関わらず、革好きからは愛されています。

 

しかしながら、所有することでモチベーションや満足感が上がるなど、実用性だけではなく持つ人の気持ちをポジティブに豊にするためには様々な付加価値が必要で、素材やつくりもその一部であると思い、試行錯誤しています。
気づけば革のバリエーションも増えていました。

 

はい、とってもわかります。
なぜなのかいまだに自分でもわかりませんが、あの革の独特な表情が目に入ると、異常に興奮してしまいます。笑
確かに機能性というよりは、満足感や高揚感みたいなものが感じられるのが、そういった革の魅力なのかと思っています。

 

林五さんは、バッグと財布などで複数のブランドを展開されているかと思いますが、それぞれにブランドのコンセプトや理由などがあるのでしょうか?

FIVE WOODSは当社を代表するブランドとして、主に革製のバッグを展開しています。さきほど出ました「タイムレス」な価値を持ちながらも現代のスタイルや使用環境に適応したものづくりを心掛けています。
トランクやダレスバッグなどのクラシックな形は、これまで長く展開してきた中でも必ずラインナップに存在し、今でもブランドを端的に表現する象徴的なプロダクトです。

 

KUBERA9981は、FIVE WOODSで表現しきれなかった新しいチャレンジやよりエッジの効いた世界観を実現するために2018年に立ちあげたブランドで、希少価値の高いエキゾチックレザーを使用したり、オリジナルのユニークな革を開発したりするなど、革の魅力や可能性を深堀りしています。

 

FIVE WOODS

KUBERA9981

 

まさにさきほどおっしゃった「満足感」や「高揚感」を感じてもらえるような製品を数多くリリースしています。

 

また、これまで培ってきた革製品についての知見や技術を活かし、より多くのお客様に革製品の魅力を知っていただくために展開しているのが ZONALe(ゾナール)です。

 

ZONALe

 

革製品って面白いなと思っていただけるようなユニークなデザインや機能、収納力を持っていたり、素材もイタリアンレザーやゴートレザーなど幅広いバリエーションがあったりと、カジュアルに革製品の楽しさを感じていただけるような製品を用意しています。

 

それぞれ特徴があっておもしろいですよね!
これだけいろんな革を扱おうと思ったら、革のことを理解していないとなかなか難しいのではないかと思います。
商品はすべて日本の職人さんが作られているのでしょうか?

「FIVE WOODS」「KUBERA9981」の2ブランドをそれぞれ鞄、財布の代表的なブランドとして位置付けています。この2ブランドについてはすべて日本国内で作っています。

 

革については、おっしゃる通り例えばエキゾチックレザーなどは特に革の特性を理解していないとつくるのが困難です。
多様な素材について知識や経験のあるデザイナー、職人が作っています。

 

これは個人的な興味で恐縮なのですが、扱いが難しい革ってありますか?

革靴でも同様かもしれませんが、やはりコードバンなどユーザーとしても神経質になってしまうデリケートな革は気を使います。KUBERA9981オリジナルの「型押しコードバン」は傷が目立ちにくく扱いやすいのが特徴なのですが、作り手にもメリットがありそうですね。

 

ラウンドジップミドルウォレット【コードバン -9981-】

 

発色がすごくいいですね!
林五さんのオンラインショップの写真は自社で撮影されてるとおっしゃってましたが、どの写真も本当に素敵です。

同じような理由でエキゾチックレザーは、扱ったことがない職人さんにとっては少しハードルが上がるそうです。なにしろ高価なうえに素材ごとの個性の違いも個体差も一般的な牛革の比ではないですから。

 

エキゾチックレザーの中でもスティングレイ(エイ革)は、歯と同じエナメル質の鱗がとても硬く、これだけは経験値が無いとまともに縫製できないと言われています。普通のミシンでは縫えないうえに裁断の難易度も群を抜いて高く、他の素材以上に技術や経験の差が如実に表れるそうです。

 

最近発売したスティングレイの馬蹄型コインケースは、そんな高難度素材で高難度な馬蹄型を高い精度で作られており、手のひらサイズなのにものすごいオーラを纏っています。

 

馬蹄型コインケース【STINGRAY】

 

エイってそんなに難しい素材だったんですね!
エイに限らずかと思いますが、革ってあくまで自然のものなので、表面のキメや厚みにすごく差があるのと、エキゾチックレザーって牛革と比べると面積の小さいものも多いので、取り都合というか裁断する場所にも気をつかわれることと思います。
そういう意味でもどの製品も本当に綺麗に仕上げられていますよね!こだわりを感じます。
カラフルなエイのコインケース、めちゃめちゃかわいい!

特にこちらのトランクケースは内装も贅沢で遊び心を感じますし、ライニングは豚革スエードというのも驚きました!
社内にはデザイナーさんがいらっしゃるのでしょうか?商品点数が多いので、どうやってこういう商品がデザインされ、生まれていくのかとっても気になります。

A4トランクケース【エレファント / 象革】

 

こちらのトランクケースは遊び心を本気で形にしたような商品ですね。
パープルの象革に同色のクロコダイル附属でスウェードライニング。しかもつくりは本格的なトランク型で日本でも作れる職人が限られている…。

 

普通に考えると売れる気がしないのですが、ニッチな商品ほど満足度に直結する作り込みが大事で手も抜くべきではないと思いますし、こういった商品があることによって興味を惹き素材や作りへのこだわり、造詣などを感じてもらえる機会が増えると思っています。

 

おっしゃる通りだと思います!
機能ではないと思いますし、どうしても端切れが出るからということは理解してますが、クロコでなくてもいいですもんね!(失礼
でもそこをあえてクロコにされて、アクセントにしているというところ。そして、ライニングも全面ピッグスエード。
こだわりを突き詰めてる感があって、本当におもしろいと思いました!

こういったものもすべて社内デザイナーが企画しています。
素材からインスピレーションを得て開発することも、コンセプトから必然的に素材やかたちが決まることもあります。

 

でもそういうった遊び心を発想する企画力やデザイン力みたいなものは、他のプロダクトにも活かされていると思うのですがいかがでしょう?

例えば、FIVE WOODSでは基本的にデザインやロゴなどは控えめにした長く使えるデザインが多いのですが、内装にはサックスブルーの小紋柄やペイズリー柄の内装を採用するなど、さりげなく遊び心を忍ばせたものもあります。

 

他にない素材を独自に開発することもあり、こうやって革のバリエーションがどんどん増えていったりします。

 

 

独自革を取り入れるこだわり様

他にもこだわった素材などあれば是非教えていただきたいです!
webサイトを拝見すると、製品によっては革をオリジナルで作られているものもあるみたいですが。

こちらは、ヴィンテージの革ジャンやブーツに見られるような「茶芯」を再現したオリジナルの馬革で仕立てたハンティングバッグです。
見たことがある素材と形のはずなのですが、見たことが無いプロダクトに仕上がっています。使い込むと下地のブラウンが徐々に現れる独特な経年変化が特徴で、育て甲斐のあるバッグです。

 

ショルダーバッグ M【BALLARAT】

 

味のある革の表情が、バッグのデザインにすごくマッチしている気がします!
あと、ほんとに写真がいいですよね!少し光るアクセサリー、洋服との組み合わせ、そして背景のラスティーな雰囲気も!
「育てる」というキーワードは、FIVE WOODS で一貫して伝えられているコンセプトですね。写真からもプロダクトからも、それがうまく表現されているように感じました!

KUBERA9981の財布に使用した「鮫桟革」も、他では見ることができないとてもユニークな素材です。牛革に漆塗りを施した「姫路黒桟革(ひめじくろざんかく)」という世界的にも評価の高い伝統素材があるのですが、それを鮫革で作ったオリジナルです。
鮫革自体も希少で、それに漆を塗ったのは世界初の試みです。

ラウンドジップロングウォレット【鮫桟革】

 

これはもうさすがに説明してくださらなければわかりませんが、聞くとめちゃめちゃおもしろい!革を独自で作ってしまうあたり、革好きとしてはたまりません!
黒桟革といえば、戦国時代の甲冑(かっちゅう)にも使われたなんて聞いたことありますが、耐久面など機能性も高そうですね。

はい。革に漆を塗っているのですが、漆はとても硬く摩擦にも強くアルコールや酸、アルカリにまで耐性があると言われるほど丈夫で、甲冑などの防具に使われていたというのも納得です。

 

 

人気のバッグ・財布

バッグや財布には疎くて恐縮なのですが、どんな商品がよく選ばれているか、人気のものなどいくつか教えていただけませんか?

 

ウィークエンドトート (Lサイズ)【PLATEAU】

 

ご紹介いただいたTENACEシリーズに共通しますが、これだけ大判の革を使った贅沢なレザートートはなかなか無いと思います。それだけではなく、ハンドルや内装などの細かい作り込みが、使用感や満足度に繋がっているのではと思います。
あとはやはりエイジングですね。お気に入りのオイルやクリームで育てている革靴好きのお客様も多くいらっしゃいます。

 

はい、僕も一応大判のトートを持っているのですが、結構シンプルなつくりなので、この作り込みを見せられると FIVE WOODS のトートはとても魅力的に見えますねぇ。

ちなみに、下の写真は林さんご自身と伺っていますが、めちゃめちゃかっこいい!!

 

 

 

国産ヌメ革 スマートダレスバッグ【TRAD】

 

クラシックスタイルを表現しながら普段の仕事でも持ちやすいサイズ感のこちらは、ダレスバッグ初心者にもリピーターにもおすすめです。
錠前と呼ばれる金具は今では入手できないイタリア製のデッドストックなのですが、閉めるときの音が良いと言われることもあります。

 

ダレスバッグというものを生で見たことがないのですが、これは「しごでき感」がすごい!
素材や製造以外にも、金具にまでこだわって選定されているんですね。

 

ラウンドブリーフケース【TEDS】

 

つくりはとてもオーセンティックな切目仕立てのブリーフケースですが、ややムラのあるヌメ革とベロアとの組み合わせや、内装のストライプがさりげなく個性的。
各々の要素がというより、足し算と引き算がちょうど良い塩梅なのが人気の理由かもしれません。

 

中央に切れ目が入ってて、サイドと切れ目部分はベロアになっているのが特徴的ですね!
遊び心を感じます!そういうところ、すごく好き!

ラウンドジップ ウォレット【Stingray-Polish / エイ革】

 

さきほどお伝えしたとおり、エイ革の取り扱いの難しさは他の素材の比ではありません。当社の製品は、職人の工夫により普通はミシンでは縫えないエイ革をきれいにミシンで縫製しているので、クラフト的ではなくきちんとドレッシーな仕上がりになっています。
さらに内装は総カーフと、贅沢で重厚な財布です。

 

エイ革の独特な表情が本当に宝石のよう!
これは魅力的です!

 

 

ラウンドジップミドルウォレット【コードバン -9981-】

 

コードバンに型押しなんてもったいない、とも言われますが、せっかく買ったコードバン製品をほとんど使わずに飾っておくのもまたもったいないと思います。
傷が付きにくく、目立ちにくい型押しコードバンは高級素材を普段使いできるという利点があるので、素材のバリューに加え実用性を重視される方に選ばれています。

 

型押しであってもやはりコードバン特有の透明感みたいなものを感じますね!
発色も良いので、レーデルオガワさんと記載があって納得しました!

 

 

小銭入れ付き長財布【ボックスカーフxパイソン】

 

外装には革靴愛好家にもお馴染みのアノネイ社製ボックスカーフを使っており、これだけでも十分なのですが、内装にパイソンという意表を突いた組み合わせに驚かれます。
パイソンはきちんとセンター取りして柄も合わせて縫製しています。他で見ることはまずありませんから、気になったら一択ですね。

 

裏地としてパイソン!!笑
遊び心がすごいですね!そういうところ、ほんとに素敵だと思います!デザイナーさんと飲みに行きたい!笑

 

技術と歴史、あと遊び心がたっぷり詰まった製品をたくさん見せていただきました!革好きとして、単純にワクワクしました!

林さん、ありがとうございました!

 

林五オンラインストア

老舗メーカーの日本製レザーバッグ
明治23年(1890年)創業。林五オンラインストアは、一世紀以上日本の鞄文化を支えてきた林五が厳選するラインナップを展開。

 

 

COMMENTS コメントを投稿する

タイトルとURLをコピーしました