アパレル業界にはじまり、靴や皮革関連業界の売り上げが大きく減少していて昨今ですが、そんな中悲しいけれどとても素敵なお話に出会いました。
葛飾区のベルト屋さんのお話です。
若者に未来を託す
葛飾区で半世紀以上、本格的な革ベルトを製造されている町工場、長沢ベルト工業さん。
コロナの影響で売り上げが落ち、そしていよいよ2020年の年末頃に工場をたたむ覚悟を決められました。
しかし、どうせ工場をたたむのであれば、同じ葛飾区で生まれ育った新成人の方にベルトをプレゼントしてから工場をたたみたい。日本の未来を担うのは間違い無く今の若者であり、そんな若者に未来を託したいという想いも込めて。
黒のオーソドックスなベルトは冠婚葬祭などの式典で使える人生における必需品です。就活も控えている若者にとっては、社長の長澤さん曰く『カツシカ』ない場で活躍してくれるベルトとなるはずです!とのこと。笑
また、暗い話が多い革業界に少しでも明るい話題を提供したい。革業界に認知拡大を図りたい、という目的も込められています。
生産調整をされていたり資材の仕入れをされているメーカーさんが多いという噂を最近よく耳にします。どの企業も存続していかなければいけませんので当然のことだと思いますが、日本の未来に貢献したいと、それとは真逆の選択をされた長澤社長の想いに心を打たれました。
長澤社長ご自身も不思議と後悔はないと笑顔でおっしゃっていました。いやぁ、なかなかできる決断ではありません。頭が下がります。
この取り組みは新聞やメディアでも取り上げられて、たくさんの応援のメッセージが届いたそうです。
コロナによる追い打ち
会社の方やご家族にも反対されたそうですが(そりゃそうだ)どうにか説得して、葛飾区と相談し2021年の成人式に向けてベルトの製造を開始されます。
当初、区から聞いていた成人式の参加者は2,500名とのことで、会社の資金をほぼ全て投入して材料を仕入れ、どうにか2020年年末までには2,500本のベルトを用意されました。
しかし、コロナの影響で成人式はオンラインでの開催となり、参加予定だった2,500名にベルトをお渡しすることができませんでした。
であれば郵送でお届けしたい。しかし葛飾区の新成人の人数は4,300名なので、送る送らないの選別もできず、であれば4,300名全員にベルトをお送りしたいという決断をされました。
そうなると、残り1,800名分のベルトが足りません。
会社の資金は底をついたため、社長ご自身の自己資金でどうにか資材費は工面できたようですが、それを製造する従業員さんの人件費がありません。
いろんな方に相談する中で、クラウドファンディングというものがあることを知り、そこで資金を募れないかということになりました。
ベルト1,800本を製造する人件費として、クラウドファンディング『readyfor.jp』で、1,000,000円をゴールに3月初旬まで開催されています。
今回のプロジェクトは All or Nothing 形式なので、ゴールの100万円に達しないと1円も入ってこない仕組みです。
逆にもしそれ以上支援が集まれば、会社が存続できるかもしれません。
寛ぎリラックスレザーベルト
ベルトは1本1万円ほどの本革のベルトです。職人さんの手作業によって丁寧に作業されています。
中の芯材にゴムが入っているため、数センチ伸びるベルトです。
メンズもレディースも用意されています。
クラウドファンディングのリターンはこのベルト以外にもこのようなものが用意されています。
- レザーコードホルダ
- レザーマウスパッド
- 寛ぎリラックスレザーベルト
- オーダーベルト
- ブライドルレザークラッチバッグ
新聞掲載後にいただいた、たくさんの応援のお言葉によって私は本当に勇気付けられました。同じように苦しんでいる町工場や経営者の方に対して、おこがましいかもしれませんが少しでも勇気付けることのできる取り組みにになればと思っています。
この状況を悲観するのではなく、今できること・新しいことを考えていけたらいいなと思います。日本の未来を担うの若者エールをおくり、そして我々世代も技術を絶やすことなく頑張って行く姿勢です。
この前向きなメッセージと長澤社長の笑顔に僕も感化されまして、微力ですが僕もこの場でシェアさせていただきました。
readyfor.jp のプロジェクトページ、是非ご覧になってみてください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
COMMENTS コメントを投稿する