シグネチャーローファーのリベンジを果たしましたので、それについて少し記録を残しておきたいと思います。
僕が180に納得のいく履き心地を見出すまでに試みた5つのことです。
1つめ、失敗から学ぶ
2020年6月
4年くらい前のこと。
J.M.WESTON のアイコンシューズのひとつ、 180を購入しました。
右23.5、左23.8cmの足で、当時はサイズ4のCウィズを買いましたが、これが大きな失敗でした。それと同時に靴は慎重に選ぶべきという大きな学びになりました。(今更感
その失敗を経て、結果今回は 4.5C で落ち着きました。このハーフサイズの差が結構大きいのです。
ちなみに前回はネイビーでしたが、使いやすさを考えて黒にしました。個人的には茶も好きなので迷ったのですが、茶はオリエンタルのアルバースを少し後に購入しました。
アルバース
4Cは結局キツすぎて履けずに手放してしまったのですが、自分の足に馴染ませきれなかった悔しさと、結局のところなぜこの靴がこれほど人気なのか、その理由を知りたくてもう一度購入するに至りました。
あと以前、履き始めから柔らかいというアルバースの広告を目にして、硬いローファーと柔らかいローファーの履き比べがしたいと思ったのでした。
そういえばですが4年前とかに買った時はツリー込みで12万。
それが、今年は15万になってました。
円が弱いのかなんのか…僕にはわかりませんが、ひとつだけ確実にわかったのは、
欲しい靴は今すぐ買え
ということ。
これが今回一番お伝えしたいことだったりします。
しのごの言わずに買え(自戒
2つめ、周辺サイズはもれなく試着
2023/8/1 丸の内にて
前回の4Cは、キツすぎてしばらく足入れてると血が巡らないせいか痺れを感じるほどでした。
でも4.5Cがある程度馴染んだ今、その心配はなさそうです。(とはいえ遠出は未経験
しかし、4.5Cと決めるまでは、さすがの僕もなかなかに慎重でして、4.5C周辺のサイズとウィズは、可能な限り時間をかけて吟味しながら履き比べをしました。
さそがにそろそろ決めるか?と思わせといて、「すみません、もっかいこっちいいですか?」を何度繰り返す、めんどくさい客でした。
僕が一番重視していたことは、ちゃんとかかとがついてくること。
あと、しばらく足を入れていても痺れを感じないこと。笑
前者は靴のサイズが影響し、後者は幅の影響が大きいのではないかと思われます。
180のかかとは、ご覧いただくとわかるとおり、結構まっすぐです。かかとの食いつきを良くするためにヒール内側に入れることが多いですが、この靴はそうではないようです。
ただ、内に入れすぎると足に食い込むのでそれはそれで辛いのですが、このあたりはブランドの考え方かと思います。
つまり、少しでもゆるいとかかとの食い付きに大きく影響しますので、サイジングはかなり重要であるということです。
あと、店舗で試着した4.5Cは試着サンプルだったせいか、多少伸びているように感じました「あ、これならいいかも?」って思ったのですが、届いた靴は全然キツかった。
店頭でもどうしても個体差があるのだと店頭でも説明をしていただきましたが、このあたりはほんと難しいところです。いくらウエストンでも革の部位によっても革の硬さは多少違うでしょうし、同じ鞣しでも革のコシやハリに様々な要因で誤差が出るのだと思います。それによって、結構履き心地が違う。
僕の足のむくみ具合や季節によって太ったり痩せたりするので、それも影響しているものと思われます。
ま、同じサイズなのでそこまで心配はしていませんでしたが、結果大丈夫そうです。
3つめ、1ヶ月以上に及ぶ部屋履き
長い戦いの跡
スチールをつける前に1ヶ月半、夏の暑い時期に部屋履きをし続けました。
スチールつけて部屋履きすると、床を傷付けちゃうかもしれませんからね。
部屋履きをする理由は、この硬い硬いソールに少しでも返りをつけるため。ソールが屈曲しないと、かかとがスレて皮膚がズルっといくことがあります。ご経験された方も多いと思いますが、とにかくそれを防ぎたい。
底が程よく屈曲するようになるとだいぶ履きやすくはなりますが、この靴はそこまでの道のりがとにかく長い。
底の返りがない状態でいきなり外は出られないので、足を入れては屈曲し…というのを約1.5ヶ月繰り返しました。
夜のコンビニにて
中底にクリームを少し塗ったりもしましたが、中底はオイルをガバガバ塗るわけにはいかないし、クリームによってはすぐ乾くので、なかなか手強い中底でした。
それでも少しずつ少しずつ硬さがなくなっていきます。まだまだ硬いですけどね。
その後、いつもお世話になってるオレンジヒールさんでスチールをつけてもらいました。
4つめ、シューキーパーを入れない
入れてもここまで
プレメンテの話も後ほどしようと思いますが、オイル入れてクリーム塗って部屋履きしたあと、シューツリー入れると、靴の形がツリーの形に戻ってしまうわけです。
次の日に履くと、あれ昨日の足馴染みはどこへ?ということが何度もありました。
個人的にはかかとがついてこないのが一番イヤなので、ちょっとキツめのサイズ、キツめの幅で買ってます。僕の足に合わせて靴を広げたいと思っても、ツリーを入れると靴が縦に伸びるので、幅がもとに戻ってしまいます。
また、僕の足はかかとの骨が少しうしろに出っぱってるみたいなので、できる限りかかとの形を覚えさせたいところ。
もちろんシワを伸ばしたいとか、形を整えたいっていう靴ならツリー入れればいいと思いますけど
履けないとそもそもまた靴を手放すことになりますからね。
履き皺が!とか、モカ割れが!なんてゆってる場合じゃない。笑
ツリーは買わなくてもよかったかもしれないとうっすら思ってるのは、心に留めておこうと思います。
5つめ、ウェルトにもオイル
アッパーにもライニングにもクリーム塗って揉み込んだりと、丁寧にメンテナンスを重ねました。そんな中、個人的に効果があったような気がしたのがウェルトにオイルを入れたことです。
アッパーの革もコシの強い革を使われてますが、それ以上に僕は底まわりを柔らかくしたいところ。オイル用のブラシで、ウェルトまわりにレーダーオイルを3〜4回入れました。あくまで薄塗りです。
最近 JOE WORKS のローファーにもウェルトにオイル入れましたが、すごくなじみ良くなった気がします。左右の足で比較したわけじゃないから僕の気持ちの問題かもしれません。笑
ま、焦らず時間をかけて、あの手この手を尽くしましたので、ウェルトのオイルだけで劇的に効果があったかというとそうではないと思いますが、意外と盲点だったのではと思ってます。
新品のときは足を入れるのにも苦労した程でしたが、2〜3ヶ月を経てようやく履けるようになりました。
子供を保育園に迎えにいくのが、ゆっくり歩いて片道15分程。保育園に着くまででひと汗かくと、帰り道はちょうど良い感じに馴染むかなという感じです。
先行投資と期待
この靴はどちらかというと「硬派」とか「昔から変わらない良さ」みたいなイメージですよね。そこがひとつの価値なのかなと認識しています。
合わせやすくて使いやすい。それでいて丈夫なつくりで長く履ける、という機能的な価値もありますね。
ただ、硬い。笑
先日 BLUE GIANT というジャズの漫画を読んでいて、「パリの人間は、スタンダートとかオーセンティックみたいな、時代によって変わらないものが好きなのさ」とパリの人が言ってるコマがあり、なんとなく納得しました。
僕の好みの話で恐縮なのですが、ローファーはやっぱりある程度履き口が広いのが好きです。
尖りすぎてるものは履けないけど、どちらかというと少し曲線があるもの、足元がすっきり見えるもの、少し遊びがあるものが好みです。
でも人間の好みって変わるし、僕も数年前に好きだった靴が今好きかというとそうでないこともある…。
じゃあ、僕は何にお金を払ったのかという理由を正当化するなら、ジジイになってこの靴を馴染ませるのはシンドイですから、今買っておけばジジイになる頃までにはちょうどよく馴染んでいるだろうという先行投資。そしてもうひとつ、そのとき僕がこのオーセンティックという価値を理解できていてほしいという期待。
そのふたつだったのだろうということで納得しています。
この靴が好きになったタイミングで、ちょうどよく馴染んでいれば、気持ちよく履けるわけですね。そのために引き続き時間をかけて焦らずゆっくり取り組んでいこうと思います。
「え、20年履いたけど、この靴全然ヘタってない!」みたいな発見があるとおもしろいかもしれないですよね。
今年の夏はこの靴に気を取られていたので、ここからはアルバースのプレメンテもゆっくりはじめてみようと思っています。
8月の半ばごろ、ローファー専用のラックを買いましたが、このときはまだ180にツリー入れてますね。笑
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