クリーム・オイル

革靴にこのミンクオイル使いやすすぎ…!(サフィールノワール・クリーム)

Uチップ入荷しました!
クリーム・オイル

 

こちらでご紹介したサフィールの工場で、サフィールノワールのミンクオイルをお土産にいただきました。ちょっと試しに使ってみたら、ミンクオイルってこんなに使いやすいのね!と驚いたので、是非ご紹介させてください。

 

今まで使ったことなかったので、もっともっとベタベタしてるオイルかと思ってましたが、全然そんなことないんですね。

 

 

もっと早く出会いたかった!気に入りました!

 

 

まずはミンクオイルの効果から

まずはとにかくこのミンクオイルの使用感と、しばらく使ってみた効果をご紹介します。成分や使い方の話は後ほど。
案外万能でして、もうお手入れこのクリームだけでいいんじゃないかと思えるくらいです。

 

ミンクオイルって案外ツヤ出る

うっすら鏡面はしてますが

 

まず最初にお伝えしたいのはこれです。ミンクオイルってちゃんとツヤも出るんですね。
驚きました。というのは、ミンクオイルって革を柔らかくするための商品ってイメージだったんですけど、全然これだけで仕上がる。ワークブーツとか登山靴みたいな靴のためのオイルという認識が覆されました。

 

上の写真、うっすら鏡面磨きはしていますが、タッセル周辺や甲まわりはじんわりツヤが出ていることがわかります。他のクリームと比べるとすごく強いツヤを出すわけではないので、あくまでじんわりという印象です。個人的にはそれくらいが好みだったりします。

 

革は確実に柔らかくなる

 

写真では伝わりにくい点ですが、確実に革が柔らかくなりました!

 

塗りすぎなければ案外さらっと仕上がるので、キツくて痛い靴にはライニング(靴の内側の革)に塗ってもいいかもしれません。ただし、油分なので革の透湿性を損なうと思われます。また、カビが生える可能性がないとは言えないので、おすすめはできません。
しかし、この革がやわらかくなる効果はやはり動物性の油分故。革との相性が良いのが一番の理由かと思われます。

 

購入後すぐに履きおろしたこの靴ですが、最初は靴ズレができて血だらけになりましたが(血の跡は未だに残っています笑)、このミンクオイルを塗って履いたら一切靴ズレがなくなったというのはいい思い出です。

 

シワも伸びて良いエイジング

 

油分なので革に留まりやすく、それによってちょっと色は濃くなりましたが、甲の履きジワも十分伸びてしなやかな状態を保っています。履き心地だけでなく見た目にも柔らかさを帯びて、いい感じにエイジングが進行しているようにも見えますね。

 

これは僕の好みなのですが、革が程よく油分を含んでもっちりとした状態になって、履きジワが柔らかな表情になるのがすごく好きです。それを実現してくれるクリームです。

 

サフィールブランドを代表するクリーム・クレム1925、レノベイタークリームなど、他にもすばらしいクリームはたくさんありますが、ツヤや柔らかさなど、このクリームはこのクリームの特徴がありますね。

 

 

ミンクオイルの成分

 

というわけでミンクオイルの成分についてです。
ミンクとはイタチ科の動物で、こちらはフィンランドでとれる純度の高いミンクオイルで作られている商品です。

 

フィンランドには、動物福祉の厳格な環境条約があり、監査機関によって厳しく管理されています。この質の高いミンクオイルを輸入するために成分を調達するための輸入業者は、そのための許可を申請しているとのこと。その手間とプロセスを経て入手した、純粋でリッチなミンクオイルが使われています。
ここにもサフィールのこだわりを感じます。

 

また、純粋なミンクオイルの成分なので、ダビン(動物由来の油脂やワックスを配合したもの)ほどのベタつきが残りません。
もちろん塗りすぎると革表面に油分が浮いてベタつきが残りますが、少量であれば先ほどもご覧いただいたようにサラサラに仕上がります。

 

 

クレム1925との比較

こちらの記事でもご紹介しています、サフィールノワールの代表的なクリーム・クレム1925との比較をざっくりとご説明します。
僕の個人的な感想になりますので、参考程度にご覧ください。

 

ツヤ 栄養補給 浸透性 香り
ミンクオイル
クレム1925

 

 

ミンクオイルの使い方

 

次に使い方です。
使い方と言っても塗るだけなのですが、注意点もあわせてご紹介します。
今回はコードバンのローファーに塗っていきます。

 

ブラシで汚れやホコリを落とす

 

ミンクオイルを塗る前に、馬毛のブラシで汚れやホコリを落とします。
革靴の汚れがひどい場合には、クリーナーなどを使って汚れを落とすのが良いでしょう。

 

ミンクオイルを塗り伸ばす

 

布で塗ってもいいですが、指で直接塗ると体温で溶けるのがわかります。もともと動物由来の成分ですから、体温くらいがちょうどよく伸びる温度なのかもしれません。

 

指で塗り込むイメージです。隙間の部分も忘れずぬりましょう。

 

左足(向かって右)のみ塗りました

 

10〜20分くらい放置

 

塗った直後はオイル感がありますが、しばらくすると浸透して革に馴染みさらさらになってます。商品説明には5〜10分と書いてありますが、塗る量によってはもう少し放置してもいい気がします。

 

一晩寝かせれば十分だと思います。

 

色が濃くなる

新品の靴には結構塗っても大丈夫です。とはいえ革質にもよると思うので様子を見ながらゆっくり塗り足してもらうことをおすすめします。

 

ただし、色は濃くなることだけはご留意ください。
水分の多いクリームは蒸発して色も抜けますが、油分は揮発しづらく革に残りやすいので、不安な方は目立たないところでお試しいただいてから塗り伸ばしてください。
色の薄い靴はエイジングに伴って多少濃くなるのはよくあることですが、これは一発で濃くなります。

 

左足(向かって右)のみ塗りました。

 

ビフォー

 

アフター

 

少し油分が入ることによって色が濃くなった感はありますが、それよりも白っぽい感じが解消されて発色も良くなります。

 

 

サイドはこんな感じです。

 

発色良く見えますね

 

補色ってそんなにしなくてもいいかなぁって最近思い始めてきました。だから最初にもお伝えしたとおり、これ一本あれば結構こと足りるのではないかと。

 

 

ミンクオイルの注意点

さっきもお伝えしましたが、ローファーのサイズ感はシビアです。
結構塗ったので革がだいぶ柔らかくなりました。最初はキッツキツだったローファーに塗ってシューツリーを入れておいたら少しキツさが減ったので、革を伸ばす効果もそれなりに期待できるものと思われます。
でも革を伸ばす目的でこのクリームを使うのはおすすめしません。
ミンクオイル以外でも同じですが、塗りすぎるとベタつきが残るので、あくまで栄養補給と保革の目的で使うのが良いと思います。

 

また、先ほども申し上げた通り、油分が多いクリームは革に成分が留まりやすく、シミにもなりやすいです。ですので色の薄い革や、成分を吸い込みやすい革の場合は、目立たないところで試してからお使いください。

 

 

ミンクオイルの防水効果

ミンクオイル の防水効果についてです。
雨水が深く浸透するのを防いでくれる効果があるかもしれませんが、撥水と言えるほどの効果は無いようです。単純に雨に濡れると『銀浮き』というか革の表面にデコボコができました。

 

しかし、油性のクリーム、つまり『水溶性でない』ことによるメリットもあります。
鏡面磨きの際、水溶性の乳化性のクリームで仕上げた靴は濡れたネル生地で磨くと曇ることがありますが、ミンクオイルは水溶性でないので濡れたネル生地で磨いても曇りません。
むしろ表面が整ってツヤが出るようです。鏡面磨きの最後に靴全体をささっと濡れたネルで拭き上げると、綺麗に仕上がります。

 

 

レザーソール(革底)のお手入れ

 

また、これだけ革が柔らかくなるのであれば、ソールに塗ってもいいかなって思いましたが、ソールにはソール用のオイルがあるので、そちらを塗るのが良いでしょう。

 

 

向かって左ソールガード、向か右ミンク

 

 

塗り分けて見ましたがイマイチよくわかりませんでしたので、薄めの革に塗って、革を切断して断面を見てみましょう。

 

中央のソールガードが一番濃くなっています

 

どちらの革も、左にレーダーオイル、中央にソールガード、右にミンクオイル という並びです。

 

 

塗ってから6時間ほど放置した断面ですが、よく見てみると…

 

 

そんなにわかりませんが、よくよく見ると中央のソールガードの方が若干濃く浸透して革が濃くなっています。(特に右側の色の薄い革)
そもそもレーダーオイルもミンクオイルも、そんなに革の繊維までたっぷり浸透するというわけではないんですね。

 

 

これ個人的におもしろかったので、もう少し分厚い革を買って今度試してみたいと思います!

 

 

というわけで、ソールにはソールガードの方が良いかと思われます。

 

 

最後に

ミンクオイルって倦厭されがちなかと思いますが、案外使い勝手がよかったので驚いてます。
コードバンに使えるのも嬉しいですね。

 

 

気になった方は試してみてください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。

COMMENTS コメントを投稿する

  1. Hiro より:

    こんにちは。いつも楽しく拝見させていただいています。こちらの記事を参考にほんの少量のミンクオイルを手持ちの革靴に塗ったら、ツヤも出て柔らかくなり、とても快適にはけています。

    ただ、靴の修理屋さんからは、長期間続けると逆にツヤが出なくなる、と忠告されました。実際のところ、続けられていていかがでしょうか?

    もしよろしければご教示いただければ幸いです。

    • くすみ より:

      Hiroさま、コメントありがとうございます!
      よければこちらの動画ご覧になってみてください。(前半だけで結構です
      https://youtu.be/CSHk4WL-DsQ
      靴を購入した7月から数えて8ヶ月程度ですが、ミンクオイルでケアし続けた靴が2足出ています。個人的には全く問題ないかなと思っていますが、いかがでしょうか?

      • Hiro より:

        くすみ様、ご丁寧にありがとうございます!
        全く問題ありませんね、安心いたしました!
        これからもブログ等で勉強されていただきます、ありがとうございました!

  2. 酒井志信 より:

    ミンクオイルを革靴に直接ミンクを避けるのほなぜでしょうか油分を与えるのは同じ乳化製品と変わりがないように思うのですが、ご意見をいただきたいと思います‼️

  3. Nobu より:

    先日コードバンの製品を銀座の専門店へ買いに行った際、店員に、コードバンにミンクオイルを使って良いか聞いたら、最も使っては行けないとのことでした。

    • くすみ より:

      コメント、情報ご提供ありがとうございます。
      そうなんですね。とても勉強になります。よければ是非理由をお伺いしたいです。

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