イウゲン [Iugen]ブランド

ローファーだけを作るイウゲンの革靴がどうしても履きたくて… [Iugen]

Uチップ入荷しました!
イウゲン [Iugen]

 

ローファー党の僕は黙っているわけにはいきませんでした。
以前展示会で拝見してからずっと気になっていたブランドです。ただ、既成靴は24.0cmからで僕に合うサイズがなく購入は諦めましたが、取材をさせていただけることになりました。

 

ローファー党の皆様、大変お待たせいたしました。
とってもおもしろいブランドですよ!是非ご覧ください。

 

 

イウゲン [Iugen] とは?

ユニオンインペリアルを製造している世界長ユニオンさんが展開するブランドで、ローファーだけを作っています。2019年4月に立ち上がった割と新しいブランド。
日本の気候風土や生活習慣に合うようスリッポンスタイルに特化した靴というコンセプトと、幽玄(ゆうげん)という古語が語源になっていて『趣が深く味わいが尽きない』という日本的な美しさを表現しています。

 

 

実際のところデザインはクラシックに寄っていますが、他にはなかなか見ない珍しいデザインが多いのが魅力。
「売れるか売れないかは別として、イウゲンらしさを表現していきたい」という、担当の櫻田さん。古い靴がお好きなようですが、チャレンジングでイノベーティブなブランドコンセプトがとても素敵です。先日ご紹介したユニオンインペリアルも、木型の設計やデザインの企画に至るまでひとりの担当者さんが舵を取っている状況です。なので、自由にコントロールできるので、お話を聞いていてとにかくおもしろい。

 

価格は2020年7月現在、¥36,000(税別)です。

 

 

独創的なデザイン

というわけでデザインのご紹介です。
申し上げた通りクラシックなデザインもありますが、イウゲンらしい独特なデザインの靴も数多く作られています。

 

クロコ型押しのビットローファー

若い方に人気のモデルだそうです。ビットがシンプルでいいですね。ラウンドトゥ。

 

 

 

 

バタフライローファーと型押しレザーのタッセルローファー

バタフライローファーも文句なしでかっこいいですが、型押しタッセルも色も質感もおもしろい!何を隠そう、こちらは起毛革の型押しですからね!ズルいよね。

 

 

ちなみに、つま先はご覧いただいたラウンドトゥとスクエアトゥの2種類展開です。

 

サイドエラスティック

こちらは履き口が結構狭いので、ローファーというよりは短靴のようなシルエットです。

 

 

モンクストラップローファー

至ってシンプルなのですが、バックルの外側のダイヤ型の装飾がアクセントになっていますね。ラウンドトゥのかわいいモデル。
こちらは3色展開なのですが、残念ながら手前のブラウンが廃番になります。ブラックとダークブラウンは今後も残ります。

 

 

 

型押しのウイングチップローファー

このデザイン独特ですよね。すごくおもしろいと思います。残念ながらこちらも廃番になるモデル。
ちなみにまだ誰にも言ってませんが、僕はこのモデルをロボコップと名付けています。悪意はないです、このモデル廃盤にならなければ欲しかったですから。(ロボコップ 画像 で検索)

 

 

コンビローファー

こちらもすごく素敵です。特に手前の白シュリンクとカーキスエードのコンビ。
僕は履きこなせる自信はないけど、とってもかわいいです。ブローグもトゥーマッチじゃなくていいですね。
これもずっと好きで狙っていましたが廃番になるモデルです。

 

 

キルトモンクローファー

デザインとしてはすごく独特というわけではありませんが、キルト自体あまり目にすることってないですね。女性が履いてても全然違和感のないデザインだと思います。

 

 

 

 

あとは、エナメルのオペラパンプスや、シンプルなスリッポンに穴飾りの入ったモデルなど。

 

 

 

 

そしてタッセルと編み紐のモデル。編み紐が蝶々結びになってます。お正月に飾ったら縁起が良さそうです。
そしてコブラヴァンプ(公式サイトにはベネチアンローファーと記載)もあります。

 

 

 

ちなみにですがデザインが幅広いので、地域によってもお客さんの年齢によっても売れる売れないが分かれているみたいです。もともとは20〜30代の方をターゲットにデザインを展開されていたようですが、デザインによっては50代の方まで幅広く購入されているものもあります。

 

在宅ワークが増え、ライフスタイルが変わり、紐靴の需要が減ることを予想されていることもあり、楽に履ける靴ということで、次期のモデルはベルジャンシューズを検討されている模様。(気になってます
他のデザインも公式サイトでご覧になれますので、是非ご覧になってみてください。

 

 

 

ボロネーゼマッケイ製法

https://www.iugen.tokyo.jp/

 

イウゲンの靴はボロネーゼマッケイ製法という製法で作られています。
アッパーとライニングを袋状にソールに縫い付けるような製法です。足裏は中底というよりはラインイングのような柔らかい革が使われているため、屈曲性が良く足を包み込まれるような履き心地に仕上がります。

 

ボロネーゼマッケイ製法は本来ウェルトは使われていないわけですが、あえてコバを少し外に出してウェルト靴のように底のボリューム感を出しています。
コバがアッパーより外に出ていることによって、アッパーをぶつけて傷がつくのを避ける効果も想定されての仕様です。

 

 

ウェルトのように見えるソールに貼られている細革と呼ばれる革なのですが、物理的に製造できる限界のコバ出し仕様だったり、コバの目付けも細かいピッチになっていたり、なかなか気付かないような部分にこだわりがたくさん入ってるのも特徴です。

 

目付けの細かさ!

 

 

ソールの仕上げ

 

靴底の仕上げがカラフルなのもイウゲンの特徴のひとつです。
レザーソール以外にラバーソールもありますが、レザーソールはこのように独特の色に仕上げられています。
正直ソールの色は履いてしまえばそんなに気にならなくなりますが、こういう細かい部分へのこだわりがおもしろいですよね。ちょっとくすんだ独特の色味、しびれます。

 

 

木型とサイズ感

世界長ユニオンさんは木型にこだわっているメーカーです。
先日、ユニオンインペリアルの記事でご紹介したので詳しいご紹介は割愛しますが、木型屋さんと協業で日本人の足に合う木型を開発され採用しています。イウゲンも同様。
簡単にご説明すると、木型の中心に対して少し内側に肉付きを寄せることで、靴を実際の足に近い形のものにするというイメージです。

 

ユニオンインペリアルの木型

 

ローファーは紐靴のようにフィット感の調整はできないわけですが、ローファーならローファーなりの足の肉付きを想定されて作られた木型を採用されています。個人的にはローファーは履き口が広い方が(足が長く見えるので)好きなのですが、履き口を広くすればするほど、足を支える範囲が少なくなりますから、そこも考えられて設計されている木型です。
今後はレディースのパンプスの木型なども参考にしつつ、新モデルを展開されていくとのことです。

 

また、足なりに設計された木型では形状が複雑になるため製造の難易度が上がります。なんとなく想像はできますね。生産効率を落とさないために、工夫をしつつローファー専用の木型を作って製造をされているようです。

 

 

以前銀座三越で試着をさせていただいた写真。

 

 

23.5cmの足に24cmのサイズだと、かかとに指1本分のスペースができるくらいのサイズ感でした。23.5cmのサイズは作られてないわけですが、仮に23.5cmがあったとしてもまだ大きいかなぁという印象です。
写真だと一見サイズは良さそうに見えますが、個人的なサイズ感の好みも考えるとやっぱり23cmくらいのサイズがよさそうです。夏は靴下すら履かないので、もしかしたら22.5cmの木型でもいけそうな気もしますが、そんなことよりやっぱり形がいいよね!

 

 

サイズ5でオーダー

履きたいという気持ちをしつこくお伝えし続けた結果、たまたま23cmの木型があったので、1足作っていただけることになりました。やっぱり何事も諦めたらダメです。好きな気持ちを伝えることってすごく大事だということ強く主張したい。

 

デザインは迷いに迷った結果、ダークブラウンのスエードモンクに。工場にお邪魔したタイミングでたまたまお目にかかることができました。

 

 

靴のつま先側を機械で吊り込んで、かかと側は手作業で吊り込みをされます。

 

 

 

こういう感じでできあがっていくんですね。
当たり前のことですが、通常は作られてないサイズ、つまり僕のためにこうやって職人さんが時間を割いて作業をしてくださっているのかと思うと大変恐縮してしまうのですが…

 

ただ、めちゃめちゃ楽しみです!

 

もちろん大切に履かせていただきます。

 

すでに良い

 

完成したものは動画でもご紹介していますのでよろしければご覧になってみてください。

 

YouTube へリンク

 

 

最後に

 

ベーシックなデザインの靴を幅広く取り揃えているブランドもありますね。
それはそれで選択肢が多いので魅力的ですが、珍しいデザインや独創的なデザインの靴を提案してくださるブランドも魅力です。そういうブランドがもっと増えてもいいのではと個人的には思ってます。
革靴にはやはり『定番のデザイン』があるので、すべてが受け入れられるとは思ってないし種類が増えると製造コストも増えるので簡単でないのは当然ですが、スニーカーの種類に比べたら革靴のデザインの種類とか自由度ってまだまだ少ない気がしませんか?ローファーっていうと、ペニー、ビット、タッセルが割と一般的ですが、もっと定番があってもいいと僕は思ってます。
そんなことを思うとイウゲンの廃盤になるモデルがあっても、また新しく独創的なモデルが出てくれたらそれはそれでいいかなぁと思っています。

 

 

百貨店で販売しているブランドです。なので、取り扱いは百貨店の紳士靴売り場のみになります。全国で約30店舗の百貨店に取り扱いがあります。
イウゲンの公式サイトでも購入が可能ですので、ローファー党の方は是非ご覧になってみてください。

 

インスタはこちら @Iugen_official

 

 

 

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

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