久々のロマン靴でございます。
これだからやめられない!
今回の革靴
- Brand : Manufacturer’s
- Design : Dress Tilorian [S.Murata]
- Last : MS-2
- Size : 5
- Leather : Horse butt
- Sole : Leather + Dainite “Logger Sole”
ナチュラルグラデ
アッパーはホースバット、つまり馬のお尻の革でして、コードバン層とそうでない部分が混在しています。
つま先はコードバン層。かかとに向けてそうでない部位になるため、毛羽立ちが出てきます。
割とシャープなトウシェイプの先端はコードバンの透明感がありますが、徐々に雰囲気が変わっていきます。
ちょうど境目が靴の中心になるよう、裁断してもらっている模様。革素材そのもののグラデーションを活かした、おもしろい革の使い方です。
息子と公園に散歩に行くとき用の靴ではありましたが、踏むならかかと側にしてくれ…。
素材をどうするかについては、工場にお邪魔したとき担当の方と相談させていただいて決めました。ありがとうございました!楽しかったです!
ちなみに、マニュファクチャーズの木型は主に3種類。
今回はその中のラウンドトウの少しシャープなタイプ MS-2 という木型です。
僕が持っているもう一足のブローグはスクエアトウの木型です。
チロリアンのパターン
チロリアンというデザインの大きな特徴のひとつがこのモカシン、通称「被せモカ」ですかね。
このモカシンからタンまでは1枚のパーツ。
なので、羽根の裏側は革が重なって厚いので、最初は硬いです。馴染めばここがクッションになりそう。
さらに外側と内側のパーツ、計3枚で構成されています。
マニュファクチャーズはシームレスヒールがデフォルトなので、内側に継ぎ目。
ハトメはこの金具。
神社や仏閣に使われる菊を模した金具のようにも見え、この靴全体が放つヴィンテージ感にマッチします。
ラギッドとドレスの融合ソール
そして何よりこの靴をラギッドなポジションへ位置付けるのがこのコマンドソールの半貼り。
グッドイヤーに貼り付けている仕様なので、ウエスト部分はレザー露出となります。
コバのナチュラルな色味も大好物ですね。ほんと綺麗に仕上げていただいてます。ソールエッジの処理は結構ブランドによって差が出るところです。
平コバ以外にも、爪ありのコバもあればドレスシューズなら矢筈もあったり、種類としては多くないものの、出し縫いの機械によって、縫い目を奥に攻めれるメーカーもあれば、攻めにくい機械ゆえコバが張っている仕上げのメーカーもあります。
出し縫いも結構攻めてくださってるし、ウェルトも少し角度をつけてウィールで目付けされている模様。
デザインが割とシンプルなので、底まわりでゴリっと靴をまとめ上げている印象。
ウェルトとコバにオイルを入れたので少し色が濃くなりましたが、ラギッドな仕様の中にも細かい手仕事が垣間見える美しい仕上げ。
さらにいうと、最近オーダー靴でよく見られる積み上げと本底に境目を出す仕上げ。マニュファクチャーズの方はセパレーションヒール、みたいな呼び方をされてました。
早々に履き下ろしたので、ところどころシワやキズがあります。
全体的にはラギッドな雰囲気の靴でありながら、そういう細かいところにドレス要素を入れてくださってるところ。憎いです。
さらにいうと積み上げもきもーちピッチドにすることで、ラギッドを微減しドレスを微増。
置き面の存在感もかなりのものです。
どうやってケアしていいか全くわかりませんが、最終的にはつま先は透明感があって、かかとに向かうにつれ毛羽立ちが際立っていく、そんなハリネズミみたいな感じがいいかなぁと。笑
冗談はさておき、僕個人の要望もメーカーさんのこだわりも詰まった、おもしろい1足になりました。
僕のシューズラックには今までなかったポジションの靴。ゴリッゴリに履いていきたいです。
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