100年後、100年前の革靴を目指して…福岡市の革靴職人・金子真之さん

Sonny

インスタグラムで出会った靴職人・金子真之さん。
インスタグラムの投稿の靴があまりに美しかったので、是非お話を聞かせてくださいということでお話を伺いました。

美しい靴だけでなく、珍しいデザインの靴も登場します。これがおもしろい!
ご覧ください。

金子 真之さん

金子 真之さんは福岡市在住の靴職人さんです。
もともとファッションがお好きだったこともあり、東京や名古屋で靴の販売員をされていましたが、手に職をつけ地元福岡で地域貢献をしながら生活をしたいと、靴作りを学び靴職人になられました。現在は福岡市で Masayuki Kaneko Shoemaker という靴工房をお一人で営まれています。
現段階では既製靴の展開はなく、ご自身のビスポークシューズのみを制作されています。木型から仕上げまでを一人で行う事に強いこだわりをお持ちです。

最近サンプルシューズの制作にも取り組まれていたということで、インスタにも数多くのオーセンティックなデザインの靴が投稿されていました。穴飾りがお好きでブローグシューズが多くなっていますが、そうでないものももちろんあります。

靴の名前もジャズミュージシャンを彷彿とさせるものが多く、そんなネーミングに想いを巡らせます。

サンプルシューズ

Colton

Lester

Morgan

Davis

どれも綺麗ですが、中でも Muneshige という靴の独特なデザインに目を奪われました。

Muneshige の誕生

Muneshige

こちらでございます。

もともと福岡県のご出身だったこともあり、地域貢献のため福岡…いえ、筑後国柳河藩(ちくごのくに やながわはん)の初代藩主だった立花 宗茂の旧領復帰400周年にちなんで制作をされた靴がこちらの靴 Muneshige です。
制作にとりかかるにあたって、立花宗茂について資料館で調べると、こういった人物像が見えてきます。

  • 鬼将軍という異名を持つほどの強さ
  • 厚い人望
  • 義を大切にする
  • 親を敬う

など。
そういった強さや信念を表現するべく『一本芯のある』イメージで靴のつま先からレースステイのサイドを通って、トップラインまわりを覆うような穴飾りの装飾が施されています。

鳩目の金具だけでなく、ボリュームのある靴紐の編み込みも印象的です。こういった装飾はすべて武将をイメージしたもの。つま先の形のコバの部分は刀を表現したものです。憎い。憎すぎる。

また、2020年のレザーアワードにも出展されていて、武将ならブーツでしょということで、こちらのブーツも制作されています。

作り始めてミシンが通らない部分があったりとかなり苦労されたようですが、手縫いで対応するなどして完成されたものです。立花 宗茂をイメージしたものですが、さすがに現代人が履くのであれば短靴の方がいいだろうということで、ブーツの筒の部分は取り外しができる仕様です。
ブーツの紐先端のタッセルも武将感が出ていて憎い。

よく見ると家紋!

100年後に100年前の靴と言われるように

Rudolf

デザインと靴作りについて伺うと大変おもしろいお話を聞くことができました。

デザインについて

今、革靴は100年前のデザインも引き継がれています。100年前の靴は素晴らしい。今の靴もその歴史の上に成り立っているのは確かなのですが、今から100年後に200年前のデザインが引き継がれていたとしても100年前(つまり今)のデザインが引き継がれていてほしい。僕らの時代の靴もかっこいいよねと言ってくれる人がいてほしい。
僕らが生きる100年前の靴の歴史を素通りしてほしくないと思う。100年前にこんな靴の時代があったんだって思ってほしい。だからこそデザインには、自分なりのこだわりを持ってこれからも取り組んでいきたい。

とおっしゃっていました。
そのご意見に大変共感しました。

過去の変わらないデザインはそれはそれでひとつの価値なのですが、同じデザインが多く、特に黒と茶が多いのが紳士靴です。僕はもっと遊びがあったりおもしろいデザインがあってもいいよなぁと常々思っていて、そんな最中の Muneshige との出会いに心踊りました。
オーセンティックなサンプルシューズはある程度できたので、次は個性が出せる装飾のある革靴を徐々に作っていきたいとのことでした。

靴作りについて

Lester

冒頭に木型から仕上げまで全てご自身で行うことにこだわりをお持ちだと書きましたが、細分化すれば100以上の工程がある靴作りは、家を一軒立てることに例えられることがあるそうです。
なので多くのブランドは分担作業をしていることが多いわけですが、一見非効率に見えるこの『すべて一人で行う』というところに金子さんの想いが詰まっています。

思いは細部にこそ宿る。そして自分の思いから作られる以上納得する靴を届けたい。
履く人(お客様)が持つイメージそしてそのイメージを想像し形にする作り手(職人)。

この2人のコミュニケーションによって産まれる世界に一つの靴。
これはお客様にとって最高の贅沢であり、私にとって最高の出会いであると考えます。

オーダーの流れ・料金

オーダーの流れです。

  1. フィッティングサンプルによる足入れチェック
  2. 足の計測
  3. 靴の仕様やデザインの選定
  4. 仮縫いフィッティングチェック
  5. 完成

仮縫いまで約3ヶ月。本番の靴の完成まで約5ヶ月です。
所持している木型とお客さんの足に大幅な相違がなく、補正で済む範囲と判断された場合は、木型代は必要ありません。

費用はこちらです。
素材や仕様、デザインによって価格は変動しますので、詳細は問い合わせにてご確認ください。

料金 ¥300,000〜(税別)
木型代 ¥50,000(税別)

レザースニーカーのオーダーも

Charlton

1月16日 19:00から、足数限定でスニーカーのオーダーも開始されます。
インスタのメッセージかメールでの予約が可能です。

素材・色 スエード・黒、茶(各20足)
サイズ・ウィズ サイズ:20〜30cmの5mmピッチ
ウィズ:サイズごとに3種類
料金 シューズ:88,000円(税込)
シューツリー:8,800円(税込)

材料確保の関係で黒・茶、各20足(計40足)とのことですのでお早目に。
表革には、イギリスより輸入したビスポークメーカーならではの最高品質のカーフスエードを使用、裏革には DuPuy 社のライニングを使用しています。
3〜6ヶ月の納期で、注文の入った順に制作となります。

最後に

Glover

きっとこれから金子さんの手によって、他にも新しいデザインが生まれることと思います。
やりすぎたり奇をてらいすぎたりすると微妙になってしまうので、ちょうど良いバランスで仕上げるのが難しいとおっしゃっていました。
好きなバランス、かっこいいバランスってやっぱりありますよね。そんな革靴に出会えるのが楽しみです。金子さんの インスタ、webサイト等ご覧になってみてください。

アクセス 〒810-0033
福岡県福岡市中央区小笹 5-22-32 1階
営業時間 月〜土
(オーダー受付:16:00〜19:00)
webサイト https://www.mkshoemaker.com

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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プロフィール

『革靴の魅力や靴磨きの楽しさをもっと多くの人に知ってほしい』という想いでブログやYouTubeで情報発信を行っています。 前職の経験からシューメーカーのブランドサイトやオンラインショップの制作・カスタマイズ、広告運用を受け持ったり、ブランディングや商品開発のコンサルなども手がけています。
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