ブランドペルフェット [Perfetto]工場見学

細部まで丁寧に作り込まれたペルフェット [Perfetto] の革靴

[Loose & Colorful] For ladies page
ブランド

 

メイドインジャパンのブランド・ペルフェット [Perfetto] の製造を手がける松戸のビナセーコーさんの工場にお邪魔してきました!
工場も一部見せていただいたり、オーダーサンプルを見せていただきましたので、このブログでも是非ご紹介をさせていただきたいと思います!

 

よければお付き合いください!

 

 

ペルフェットとは

いい眺めである

 

靴好きの方々なら必ず聞いたことのあるブランドや、セレクトショップなどのOEMを数多く製造されているビナセーコーという会社が、2007年に自社で立ち上げたのがペルフェットというブランドです。
perfetto はイタリア語で『完璧な』という意味の単語なのですが、逆に KANPEKINA というブランドをフランスでも展開されいています。

 

靴博2019の KANPEKINA のブース

 

 

まずはペルフェットの革靴を

まぁまずはとにかく靴の写真をご覧ください!
既製のデザインというよりはオーダーサンプルの方が多いようですので、同じものが販売されているわけではありませんが、パターンオーダーでは注文可能ですので。

 

サイドエラスティック

 

サイドエラです。
イミテーションブローグもメダリオンの大小の穴も綺麗。
木型がスタイリッシュなのか、それとも僕の写真の撮り方がうまいのか…(前者

 

ホールカット

 

お次はホールカットです。
写真の撮り方がうまかったら、この革のムラがもっとうまく表現できる撮り方をしますよね。
ホールカットシューズは革もそうですけど、木型の形が顕著に出ます。メーカーの木型に対するフィロソフィーの見せどころ!

 

 

こちらもホールカットです。

 

 

他の装飾がないのでパーフォレーションが際立ちます。
さっきのホールカットが普通のカレーなら、こっちはチキンカツにほうれん草をトッピングしたカレー。シンプルなのがものたりない男子のためのガッツリ系のやつ。尚、トッピングはハンバーグでも可。

 

おいしい!…違う、素敵!

 

 

そしてサイドレース。もちろんホールカット。

 

 

素材そのものの味を活かしつつ、でも少し斜め上からのアイデアで攻めたスープカレー的なポジション。
カレーだけど、斬新!みたいな。あぁ、そういうカレーがあったのかと。
カレーだけどあくまでスープだから、野菜の味や香りを損ねない。

 

 

ところどころをつまんで縫ってあるんですが、こちらもホールカットですね。
正しくはホールカット類です。

 

 

あれ?ストレートチップのアデレード?あ、違うのね!という。
要するに、ハヤシライス的なポジション。大きくわけるとカレー類、みたいな。

 

 

あと、写真だとわかりにくいんですが、イルチアのムラ染めの施された革(ミュージアムカーフ)が多いです。
こう言ったムラは靴のデザインがシンプルであればあるほど映えますね。

 

ストレートチップ

 

ストレートチップもあります。

 

こちらもミュージアムカーフが使われていますが、ご覧の通り縫い目が見えない製法の靴です。レベルソって言ったりもしますよね。
徹底してレベルソです。かかとの方も完全に縫い目が見えない仕様。

 

 

カレーの例えはそろそろネタ切れですが。(色はカレー

 

コンビシューズ

 

こういうタイプのもあります。これはかっこいい!
深いグリーンの革が印象的です。パターンオーダーならカーフとスエードじゃなくていろんな革の組み合わせでできるわけですからね。
選択肢が多いって逆に困るんだよなぁ。笑

 

グリーンカレー(厳しい!

 

外羽根Uチップ

 

こちらは工場で撮影した靴ですが、もちろん外羽根もございます。
スキンステッチもお見事です。

 

色はちょっとくすんだ濃茶でしょうか。渋くていい。
昔ながらの洋食屋さんのカレー。

 

ストレートチップ

 

ただただかっこいい。
僕がいくらカレーの話でふざけようが、これだけかっこよかったら全く関係ないですね。

 

ブーツ

 

左はボタンブーツ、これはズルい!
ハッシュドビーフ。もうオシャレすぎて、それ何?カレー?聞いたことあるけど食べたことない!みたいな。

 

右はジョッパーブーツ。これも素敵な色です。
チキンティッカマサラ(色だけ

 

 

サイドゴアも。

 

 

それぞれ木型が違うと印象も違うんですね。特につま先の形がそれぞれ違っていい。
こういうブーツをさらっと履きこなしたいもんです。

 

その他

 

こんなデザインの靴もあります。
こちらもまた綺麗な靴です。革のムラも際立ってますね。

 

 

スタイリッシュなドレスシューズ以外にも、こういう可愛らしい靴のサンプルもありました。
こちらはペルフェットの靴ではなく、KANPEKINA の靴です。靴博2019にも出展してました。写真の靴もメンズのサイズです。

 

 

残念ながら日本でオーダー会をやることがほぼないらしいのですが、アザラシの毛は本物。
なかなか力強いしっかりとした毛です。

 

木型は主に3種類

 

ペルフェットの木型は主に3種類です。
左から少しロングトゥなもの。中央はソフトなスクエアトゥ。右は英国靴寄りのラウンドトゥの木型。つま先の形状を見ると違いがよくわかりますね。

 

ただ、同じペルフェットでも百貨店によっても売られてる靴の木型が多少違ったり、革の色も違ったりするみたいです。
それは百貨店とメーカーとの間に入ってる商社が違うからなんですけど、そのあたりもおもしろい部分かもしれません。

 

とはいえ、作っているところは同じなので製品の質が違うということではありません。あくまで木型や使われている革が違うということなんですね。

 

パターンオーダー会

次回は新宿伊勢丹で11/6(水)〜11/12(火)までパターンオーダー会が開催されます。
その他は、阪急メンズ館やJR名古屋高島屋でもオーダー会が開催されているみたいです。

 

チェックしてみてください!

 

 

靴底の仕上げの丁寧さ

今回はグッドイヤーウェルテッド製法の靴の底の仕上げの工程をひととおり見学させていただきました。

 

この仕上げの工程がすごく丁寧だったんです。丁寧でありながらスピード感もある、そんなイメージ。すごく手間をかけて左右差のないように、より均一に仕上がるように作られていた印象でした。
写真と文章だけでは100%伝わらないのは十分承知の上ですが、工程をご説明しつつその細やかで繊細な作業もご紹介できればと思います。

 

 

 

こちらの写真、グッドイヤーの底が接着されていて、それ以前の工程は終わっている状態です。
ここから出し縫いをしてコバを整えて、かかとを取り付けるという状態。

 

 

 

まずは余分な部分を削っていくわけですが、この工程が早い!
職人さんの手の中で靴が踊るような躍動感をお伝えしたかったのですが、このスピード感のない写真が一番わかりやすかった。笑

 

 

 

本底にはすでにヒドゥンチャネルの革の切り込みが入っているので、それを機械で起こし、そこに、出し縫い用の溝を掘っていきます。溝を掘る専用の機械もありました。

 

 

そして出し縫い。
チャン(マツヤニ)を染み込ませた糸を、ボビンに巻きつけてミシンに設置。あとは足元のペダルでバシバシ縫っていく感じです。これもあっという間でした。
トランスフォームする勢いでガチャンガチャンと動くミシンのパーツにも目を奪われます。

 

 

そしてこう。

 

 

 

出し縫いの前に起こした革に接着剤を塗り、それを機械で戻していきます。
すると、右のようにチャネルがヒドゥンになるわけですね。

 

 

 

 

さぁこのあたりから更におもしろくなってきます!
コバをもう一度整えます。

 

 

 

コバを整えるローラーの刃はこんな感じ。
左は底の土踏まずのあたりの仕上げに使われる刃、中央は前足部からつま先の仕上げ、右は矢筈(やはず)という仕上げに使われる刃。

 

青い図形がコバの形のイメージ

 

今回使ったのは左と中央の刃だけでしたが、それを付け替えてコバを整えていきます。

 

 

次に、かかとの積み上げと本底の接着面をそれぞれ削るのですが、そのとき、こんな風に靴の前方がちゃんと接地しているかというバランスをちゃんと確認されています。

 

 

 

次はかかとに接着剤を縫って接着。

 

 

 

左右のバランスもしっかり見ながらかかとを接着。
ここも細かく調整しながらスピーディーかつ慎重に作業をされていました。

 

 

 

この後貼り付けたかかとをピッチドヒールになるように、先ほどの機械で削っていきます。
完成したものがこちら。

 

 

 

と思ったらさらに目の細かいヤスリでかかとを整えて、こうです。

 

ジ・エレガンス

 

実はこのかかと、後ろの方が高くなってるのおわかりでしたか?(ひとつ前の写真がわかりやすいかもです)
そうすることでコバのラインがまっすぐになって、それが靴のエレガントさが増している要因なのではないかと思ったんです。

 

ピッチドヒールって かかとが細くなるぶん、ボリュームがなくなるので、尻すぼみになってアンバランスになってる靴ってあると思うんです。
でもこの靴からはそのアンバランスさは感じませんでした。

 

 

 

ソールの仕上げも靴のバランスもすごく綺麗でした。

 

製造した靴の修理も

 

OEMの靴も含めて、ビナセーコーさんで作られた靴はこの工場で修理されています。
こんな風にコルクを詰めてオールソールの修理などもされています。

 

もちろんコルクはこのあと削ります。

 

 

オーダーさせていただきました

 

モニターで、ということでペルフェットのオーダーをさせていただきました。
いろいろとお話を聞かせていただくと、とにかく選択肢が多い。

 

 

 

中でもムラ染めのミュージアムカーフの種類が多くて、靴のデザインや使用も含めいろいろお話をさせてもらいながら選んできました。
もちろんライニングもソールの仕上げも選べるし困った。笑

 

ただ、すごく楽しみな一足になることは間違いなしです。
また後日、出来上がったらご紹介させていただきます。

 

 

可能な方は是非、新宿伊勢丹のパターンオーダー会行かれてみてはいかがでしょうか?
11/6(水)〜11/12(火)です。

 

 

価格・取扱店舗

価格と取り扱いのあるお店をご紹介します。

 

既製品 40,000円 46,000円 51,000円 53,000円など(税抜)
パターン
オーダー
55,000円(チャールズステッドなど)
60,000円(アノネイなど)
65,000円(イルチアなど)

 

お気付きだと思いますが、パターンオーダーと既製靴の値段がそんなに変わりません!
これはパターンで行かないと!

 

 

百貨店 ・伊勢丹メンズ
・阪急メンズ(東京・大阪)
・西武(池袋 渋谷)
・横浜そごう
・小田急(新宿)
専門店 ・ワールドフットウェアギャラリー(WFG)
・クインクラシコ(丸の内 神戸)

 

ちなみにパターンオーダーの場合、納期は3〜4ヶ月とのことです。

 

 

最後に

ウエストマッケイの前グッドイヤー

 

いろんなブランドのOEMをされてきたことで、いろんな木型やデザイン、仕上げなどのノウハウを蓄積され、その中で立ち上げられたブランドのはずです。なので、ビナセーコーさんとしてもすごくこだわりのある靴を作られていると思いますし、実際こだわりを感じざるを得ないソールの仕上げをされていましたから。

 

まぁとにかく、この日すんげぇ楽しかったですってことがお伝えできれば十分です。
是非ご覧になってみてください。

 

 

ちなみにカレーは鶏肉でつくるとダシが出てうまいと聞いたことがあります。(ちょっとふざけすぎました
最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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