ジョンロブ [John Lobb]ブランド

ジョンロブのサイドモンクストラップ・ベイル [JOHN LOBB ・VALE]

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ジョンロブ [John Lobb]

 

ジョン・ロブのベイル [vale] というモデルでございます。
完全に『いつ履くんだ感』が否めないモデルですが、この色なかなかおもしろくないですか?

 

見ていていろんなことを考えさせられるこの靴。
個人的な感性でご紹介をさせていただきますので、よければお付き合いください。

 

 

 

 

1枚の革、つまり…

まずご紹介したいのは、この靴は1枚の革でできているということです。

 

かかとの内側、下の部分からぐるっとつま先を回って…

 

 

トゥの方へぐるっと。

 

 

トゥからサイド、サイドからぐるっとかかとへ。

 

 

再びかかとから甲の上を通ってストラップになっていくという。

 

 

贅沢な革の使い方をしてますよね。
1枚の革であるということは、つまりホールカットであると言ってもよいでしょう。(違

 

 

装飾も少なく、一見シンプルな作りの靴だからこそ、この独特な表情を持つ革のおもしろさが目立つ靴です。

 

 

しかしこの靴、パターンが絶対難しいはずですよ!

 

難しいっていうか、1枚の革からたくさん取れないパターンなわけだし、この靴が完成するまでにいろんな試行錯誤があったんじゃないかと想像します。
ロマンがある!

 

 

余った革とかどうしてるんだろう…譲ってもらえたりしないのかな…

 

 

アッパーのバランス

 

写真だけど一見わからないかもしれませんが、このサイズの靴にしてはなかなかにゴツいモデルです。
なので冬用の靴になりそうですが、それでも革の継ぎ目(縫い目)のバランスには、目を見張るものがあります。

 

最近見た靴でいうと、こちらのアンソニークレバリーの靴のように、すごく木型がシェイプされた靴というわけではありません。
なんならコバが少し張っていて、デザインを考えず形だけ見ると正直のっぺりとした野暮ったさがあるくらいに思いますよね。

 

ただ、この色とデザインがあることによって、それを感じさせない不思議なデザインでもあります。

 

 

 

アッパーは中央のステッチによって、上下に大きく二分されていますが、どの角度から見てもトゥと甲の占めるこのバランスが絶妙であることに写真を撮っていて気付きます。
また、全体的に緩やかな曲線のシルエットで構成されている靴だからこそ、サイドに施されたまっすぐなモンクストラップの線が際立っているようでもあります。

 

 

 

などといろいろと考えていたらついマジメに書いてしまいましたが、どうやってこういうデザイン考えるんですかね?

 

とにかくこの革をぐるっとまわしてアッパーを構成するっていうアイデアは本当におもしろいと思うんですよね。

 

 

ミュージアムカーフ:PEWTER

 

贅沢に使われているのはピューター [pewter] という色のミュージアムカーフです。
ピューターとは、白目、白鑞(しろめ)と呼ばれる、スズを主成分とする融合金属のことらしいです。

 

たしかに、pewter で検索をすると昔のアンティークティーポットなんかが出てきますが、この革もそんな金属の独特な色を思わせます。

 

 

グレーではないけどベージュでもなく、決して茶色ではない、この何とも言えない色に心を奪われました。

 

 

ジョン・ロブには、ご存知シティーとかウィリアムみたいな有名なモデルがありますが、中にはこういうちょっとハイブランド志向の特殊なモデルがあることも確かです。
この色味と靴のデザインも相まって、特にこの靴は王道の英国靴という感じがしない。

 

 

 

非常に使いにくい一足となっております。笑

 

いや、いい意味で!笑

 

 

バックルが憎い

 

これは完全に僕の思い違いだったらごめんなさいなんだけど、このバックル、JLのロゴの曲線を模していると思うんです!

 

 

これ。

 

J と L の下の線がぐにゃってなってますね

 

こういうとこ、憎いです。

 

でもこういう細かいところも全部含めて世界感を表現していくのが、こういうブランドなんだろうなと思うわけです。
そういうの考えるの楽しそうっすね!

 

 

サイドモンクの履き心地

 

モンクにもいろいろ形があると思いますが、この靴はけっこう履くのが大変です!

 

ダブルモンクであればストラップのついた甲の革がガバッと開くので足も入れやすいわけですが、この靴に関して言うとストラップ周辺の可動域が極端に狭い。笑

 

 

ここ、全然開かないんすよね!笑

 

 

 

なので、簡単に足が入らず、履くのにちょっと時間がかかります。笑
急いでいる朝とか暑い夏には絶対に履きたくない仕様の靴です。

 

僕は遅刻してでも朝をゆっくり過ごしたいタイプの人間なので、あまり関係ないのですが。笑

 

サイズ感

 

23.5cmの足に対して、この靴は5Eです。
ラストは8000というモデル。

 

 

他のブランドの5Eに比べると見た目は大きく感じますが、履いた感じは割とそうでもありません。
手に取った感じ、触った感じも含めて革が厚く、しっかり作られている印象です。

 

サイズ5のEにしては、少し余裕のあるウィズ。
そして、このパターンのせいか木型のせいかわかりませんが、甲が少し圧迫される感じがします。

 

 

僕の足にはこのフィッティングはそんなに合うというわけではなさそうです。
ただガバガバであるということはないので、履くならこのサイズで問題はありません。

 

まぁ、フィッティングだけで選んでるわけではありませんからね!ということにしておきます!笑

 

大きめのかかと

 

この贅沢を極めたパターン故、かかと(ヒールカップ)はシームレス仕様になっています。
木型のせいか、革もしっかり厚いせいか、けっこう大きめでしっかりしたかかとです。

 

また、それに伴いヒールも割と幅があってどっしりとした形です。

 

良いおしr…いえ、良いかかとである

 

履いた感じ、僕の23.5cmの足には、このかかとはそんなにフィットしません。ただ他の部分でしっかりホールドされている感があるのと、革が厚くしっかりしてるのでガバガバというわけではないです。
まぁかかとをフィットさせてくる靴ってそんなにないのでそんなに重視していませんが、革は厚くしっかりしたつくりであることは間違いありません。

 

土踏まず

 

パターンの複雑さ故かわかりませんが、土踏まずの部分の釣り込みはちょっと物足りなさを感じます。
革があまって大きく波打っている感じ。

 

どこがリジェクト理由になったのかわかりませんが、傷などは一切ないのでこういうところがリジェクト理由になっているのかもしれませんね。
結構そのへん厳しいって聞きますしね。

 

 

でもおもしろいのが、土踏まずはそれなりにフィットする感覚はあるんです。
グリーンのラストほどグッと突き上げてくれるわけではありませんが、程よく支えてくれて安心感を覚えます。
履き比べるとギャップがありますね。でも履かないとわからないんですよねぇ。

 

 

シューツリー

 

ツリーはさすが純正なので、靴にはぴったりハマっています。

 

 

ウィリアムって書いてあるのは、気にしないでください。
ショップのおねえさんがナイスバディーだったので、何も文句は言いません。

 

 

 

サイドのネジ穴には、木材が詰められています。
さすがハイブランドはちゃいますね。

 

ダブルチューブの金属も靴の色にあっていて良い

 

 

イギリスで見学をさせてもらったダンケルマンの工場で設計されたシューツリーです。(こちらの記事
ってダンケルマンの方がメッセージくれました。

 

これ書いたらマズいかな…?笑

 

 

夢がある

 

靴のデザインは似たものが多い。
それは悪いことじゃないし、同じデザインでも作り方やメーカーで差が出るから、それはそれでおもしろいところだと思うんです。

 

でも一方で、もっと違ったデザインがだくさん出てもいいのに…なんて思ってたりもします。

 

いろんな靴を見て触って靴に対する目を肥やしたら、僕は将来今までにない靴のデザインを考えてそれをビスポークでつくりたいと思ってるんです。
この靴を見てると、そんな将来への想いが膨らむ気がします。すごく夢のある靴だなぁと。

 

 

 

デザインも音楽も何でもそうだと思うんですが、練習を重ねて重ねて重ねまくって、プロや巨匠たちの作品を模倣して模倣して模倣して引き出しを増やしまくった結果、ようやく自分の作品が生まれるわけです。
何もないところからは何も生まれません。

 

この靴が将来の靴のアイデアの引き出しのひとつになったというよりは、こういう大胆なデザインを自由に考えるのって楽しそうだなって思わせてくれたというか。
なんか、言葉にするのが難しいんだけど、ワクワクさせてくれる靴でした。

 

 

 

こういう珍しい色でさ。
さらに一見わかりにくいけどちょっと凝った大胆なデザインでさ。

 

ほんと憎いです。

 

 

自分に似合うかどうかはさておき。
でも買ったからには是が非でも履いてやりますけどね。笑

 

そんないろんな夢を掻き立てられる一足でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

ジョン・ロブの革靴を解体、そしてリラスト… [John Lobb]
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