浅草のレンド [Rendo] さんにお邪魔してまいりました。
細身の木型も展開されていることでも有名でブランド自体は存じていましたが、ご縁があってレンドの吉見さんにお話をお聞きすることができましたので、こちらのブログでもご紹介させていただきます。
オーダーの仕組みや人気のモデルについても触れてまいりますので、ご覧になってみてください。
レンド [Rendo] について
レンドの吉見 鉄平さん。
大学に進学された後、英ロンドンのコードワイナーズという革製品の学校に通うために留学。そこで靴作りを学ばれ、浅草のセントラル靴に就労後、2013年に独立をされた靴職人さんです。
セントラル靴時代は、主にパタンナー(靴を構成する革のパーツをデザインする職人)としてお仕事をされ、トレーディングポストの靴などを担当された経歴をお持ちです。
現在はご自身のお店で靴の制作と販売されながら、百貨店や日本全国のショップにて受注会をされています。
既製靴 ¥45,000 と パターンオーダー ¥51,600〜 で展開をされています。
作り手が売るということ
独立後、浅草にお店を構えられたことで商品の受注管理以外にも、そもそも接客もしなきゃいけないし、お客さんの要望に応えて乗せ甲をしたり敷き革を入れたりサイズ調整をしたりしなきゃいけない。そうする中で、足のことを勉強されたり新しい木型を設計したりされます。その過程でできたのが 845 という細身の木型であります。845 については後ほど。
最初はパターンが起こせて良い木型が作れて、作るノウハウと製造を依頼できる工場があればいいだろうというお考えだったのですが、実際にはそういった靴を作ること以外の課題があるわけです。
取材をさせていただく前から僕もレンドと吉見さんについて存じ上げてはおりまして、履き心地やフィッティングの相談について寛容でいらっしゃるという印象を持っていました。お話を伺ってもそのイメージは変わらず、数を作って売り上げを立てることももちろん大事なのだけど、ひとりひとりのお客さんの要望に向き合う姿勢を感じます。
これって靴の量販店や百貨店ではなかなか難しいサービスかと思いますが、作り手であると同時に売り手でもあることで成し得る、こういったブランド特有のサービスの在り方でもあります。
フィッティングサンプル
フィッティングや履き心地に対して寛容であると申し上げた理由のひとつに、木型ごとのフィッティングサンプルシューズが揃っていることも挙げられます。さらによく売れる木型は内羽根と外羽根の両方のサンプルがあるという徹底ぶり。
革靴に理解のある方ならおわかりかと思いますが、靴を試着させていただくときってすごく気を遣います。甲にシワをつけないようにとか、汗とか気になるしできるだけ短時間で済ませようとか…。靴が屈曲しないように気を遣うので、正直それだけだと足に合っているか十分判断できないこともあります。
でもレンドにはフィッティング専用のサンプルシューズがあるので、時間をかけて履き心地を確かめてもらえばいいし、シワが入ってもいいしというのも非常に親切です。これも作り手だからできることのひとつ。
取材にお伺いする前から履き心地に対して相談に乗ってくださるブランドであるというイメージがあったのは、ユーザーからそういった部分が評価されているからなのは間違いありません。
木型:845
もともと、770というEウィズの木型がありましたが、Cウィズの細身の木型も展開されています。845 という木型です。見るからに細い。
845の既成の靴はそれほど多く展開されていないようですが、それもあってオーダーの需要は高い木型です。
また、足が細くて薄いというのは若い人に多く見られる傾向で、そういう足の方は扁平足である場合が多いので、そういった足の特徴も考慮された木型になっています。Eウィズの木型をただ細くしただけじゃないんです。
845の5.5、靴博2020にて
僕もどちらかというと足が細くて薄い側の人間でして、普段は5を履くことが多いのですが、845を試着させていただいたときは5.5、つまりハーフサイズ大きい靴でもゆるさを感じないサイズ感です。
ちなみにですが、足の左右差を考慮して片足だけ補正をしてもらうということも可能です。足が細くてお困りの若い方には是非一度体験していただきたい木型です。
安価に提供したい
業界的に値段が上がってきている中で、良い靴を靴をできるだけ安価に提供したいというのが吉見さんのポリシーです。吉見さんご自身も工場での生産を熟知されていますので、その知識を活かして少しでも手間を少なくすることで、安価に仕上げられるような工夫をされています。
既成靴 ¥45,000、パターンオーダー ¥51,600〜 で展開をされていて、履き心地やフィッティングに関していろいろと相談を乗っていただけることを考えると、非常に良心的なお値段です。
オーダー時の乗せ甲もアップチャージ無しで対応していただけますからね。とても親切です。
パターンオーダー
既製靴も販売されていますが、それと同じくらいの数のオーダーを受注されているブランドでもあるようです。恐らくその理由は吉見さんがパタンナーであることもひとつかと思います。
通常パターンオーダーはこのデザインの中でどのパーツをその革にする、みたいなオーダーが一般的ですが、吉見さんはご自身でパターンが引けるのでお客さんからのデザインの要望にもある程度柔軟に応えられるというのも魅力のひとつかと。
例えば、キャップトゥをウイングチップにするとか、ロングバンプにするとか。
お客さんから提案されたデザインがおもしろいときはそれを採用されて商品化されることもあるようです。それで実現したのがこちらのローファー。
コインローファーではありますが、サドルとタンのパーツが1枚でできている非常におもしろいデザインです。
オーダーサンプル
オーダーサンプルをいくつかご紹介させてください。長々といろいろ書いといてなんですが、やはり靴を見ていただかないと。
型押しコンビのアデレード
新しいレンズ買ったので寄り画多め
カーフ&スエードコンビ
エプロンフロント型押しで
3アイレットダービー
今はやってないけどコードバン外羽根U
パンチドキャップのレイジーマン
渋すぎて寄り①
渋すぎて寄り②
どれもめちゃめちゃ素敵ですね。
夢膨らみます。
レディースシューズ
靴博2020でも並んでいましたが、レディースの靴も展開されています。
現状デザインはそれほど多くないようですが、パターンオーダーをするととてもかわいらしい雰囲気になります。この左右非対称の革の使い方、とっても素敵!色も素敵!
他にもファーを使ったものや型押しの革など、革のサンプルも豊富です。
既成靴ラインナップ
既製靴のラインナップもご覧ください。
黒のストレートチップは当然人気ですが、しかしそれ以上に人気なのがこちらのエプロンフロントダービーのモデル。
今、レンドで一番売れているモデルとのことです。特に若い方に人気のモデル。
パンチドキャップトゥ
スエードのパンチドキャップトゥ
レイジーマン
外羽根プレーントゥ
ダブルモンク
最後に
長々と書きましたので簡単にまとめますと…
- 既製靴 ¥45,000
- パターンオーダー ¥51,600〜
- 乗せ甲ノーチャージ
- デザインも柔軟に対応(※)
- 購入後のアフターケアも対応
- 細身の木型あり
※デザインはできないものもあると思いますので、お問い合わせいただくのがよいと思います。
という感じです。
良心的なお値段にも関わらずフィッティング微調整とアフターケアも対応してくださる、そんなブランドです。
アクセス
アクセス | ・東京都台東区浅草7-5-5 ・03-6802-3825 |
営業時間 | 13:00〜19:00(定休日:水曜) |
公式サイト | https://www.rendo-shoes.jp |
2020/12/18〜20 の3日間、移転リニューアルオープンしたトレーディングポスト青山店にて、先日記事にさせていただいたマニュファクチャーズとの合同受注会も開催されます。今年最後の受注会だそうです。気になった方は是非足を運んでみてください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
COMMENTS コメントを投稿する
RENDOさんの革靴を5年以上愛用しているものです。
フィッティングに関して共有させていただきます。
つま先部分の沈み込みが激しい印象がありますので注意が必要だと思います。
コメント・情報ご提供ありがとうございます。
僕もオーダー中でして、完成したら注意して見てみます。