
3万円台の紳士靴エントリーモデルとしてスコッチグレイン [Scotch Grain] を選ばれる方は比較的多いと思いますが、スコッチグレインにも比較的安価なものから5〜6万円台のものまでいろいろあって、さらにモデルごとに木型も違うわけです。
「スコッチグレインおすすめですよ」と言うのは簡単ですけど、僕は足に合ったものを選んでいただきたい。だって合わないものは履いてて辛いですし、何より足に合ったものを選べるようになると本当に気持ちいい!歩行が楽しくなるとすら思ってます。
今回強くお伝えしたいのはこれです。本当にこれに尽きます。
もちろん馴染むまでの硬さはあると思いますが、馴染んだあとのホールド感と安心感は足に合っていないと味わえません。これはどのブランドでも同じです。
なのでご自分の足にあった木型のモデルを選んでいただきたいと思います。是非参考にしてみてください。
スコッチグレインの木型一覧
ご自分の足についてそれほどよくわかっていないという方は、是非スコッチグレインの直営店に足を運んでみてください。販売員さんに足を測ってもらってその足に最適な靴を選んでもらうことができます。いろいろ履き比べてみると、ご自分の足のサイズや幅、甲の高さについてだんだんわかってきますので。
ご自分の足についてある程度理解があるという方は、このプロットをご覧いただければどのあたりを選べばいいのかなんとなくお分かりいただけると思います。

甲の高さと幅をプロットした図になります。
右上の甲高幅広のものから左下の甲低幅狭に向けて、割と一直線に展開しているのがスコッチグレインの特徴です。あくまでスコッチグレインの靴を相対的に見て判断したものなので多少の誤差はあると思いますが、少しでも靴選びの参考になれば幸いです。
ちなみに足の甲について、一の甲、二の甲、三の甲という名称が出てきますが、こんな位置関係になっていますので、最初に覚えておいていただけるとよりわかりやすいと思います。

飯野高広さんの著書『紳士靴を嗜む』P.22
では順番にご紹介してまいります。
スコッチグレインの代表的な木型

詳しいことはよくわからないけどスコッチグレインを買ってみたいという方は、とりあえずスコッチグレインのまずは代表的な木型を試着してみてください。
上のプロット図だと一番中央のに位置する木型で、幅はJIS規格で EEE。甲の高さもそれなりにある木型です。二の甲あたり足を抑える設計になっているため、そのあたりのフィット感を意識してみてください。
靴のシルエット的にはつま先は長すぎず短すぎず、標準的な形です。
これがスコッチグレインの木型の基準、つまりサイズ感の基準になりますので、足幅や甲の高さがキツいと感じた方は先ほどのプロット図の右上を履いてみてください。逆に幅や高さが余裕があると感じた方は、左下を履いてみてください。
モデルはこちらです。
- アシュランス(¥32,000)
- シャインオアレインⅢ(¥30,000)
- インペリアルⅢ(¥50,000)
- インペリアル II EEE(¥50,000)
アシュランス

アシュランスは3万円台と初めて高級紳士靴をお求めになる方にも良心的なお値段ですし、デザイン展開も多いので是非気に入ったものを探してみてください。
シャインオアレインIII

シャインオアレインはご存知、雨の日用の靴です。撥水レザーが使われいてゴム底なので、雨の多い日本のビジネスマンの強い味方。
インペリアルIII・インペリアルII EEE

インペリアルシリーズはスコッチグレインの高級ラインのひとつです。
ロンブバンプという靴のサイドがかかとまで伸びている特別感のある意匠が、シンプルなデザインの中に際立っています。
また、スコッチグレインはプラスチックのシューキーパーを同梱してくださっている良心的なブランドですが、インペリアルシリーズは木製のシューツリーが同梱されています。
個人的にはこの木製のシューツリーの方がやっぱりテンションが上がるわけですね。
スコッチグレイン1番人気

次はスコッチグレインで一番人気の木型です。
ロングノーズの木型でシングルE、スコッチグレインの中でもかなりエレガントな木型です。シャープで高さの低いつま先、ヒールカップもすっきり仕上げられています。
上のプロット図だと左下中央に位置する木型で、比較的幅が狭く甲も少々低めです。アシュランスやインペリアルIII では幅や高さに余裕があった方はこちらの木型を試してもらってもよいと思います。
というのは、スコッチグレインで採用されているグッドイヤーウェルテッド製法は3ヶ月くらい履いていると中底が体重で沈み込んで足に馴染んできます。その沈み込みによって馴染んだ頃には新品の状態よりも甲が高く余裕があるように感じる場合が多いからです。(靴の製法についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています)
モデルはこちらです。
- アバンス(¥32,000)
- オデッサ(¥42,000)
- シャインオアレインIV(¥30,000)
アバンス

3万円台の紳士靴エントリーモデルとしてはおすすめです。
半分ゴム素材のソールはグリップも耐久性も高いので、革靴に不慣れの方でも履いていただきやすい設計になっています。
オデッサ

スコッチグレインは2万円後半から3万円台から上質な靴を提供してくださっている良心的なブランドです。
しかし、この4万円台のモデルになると革質がかなり良くなり、より経年変化を楽しんでいただけるので、靴のお手入れをして長く履きたいという方にはおすすめのモデルです。独ワインハイマー社のボックスカーフ、仏アノネイ社のベガノなど、有名なタンナーの革が使われていて、キメの細かさやクリームの馴染み方やツヤの出方も非常に良いです。
エッジの効いた細身木型

それぞれ別の木型になりますが、シングルEで細身の木型です。甲の高さも抑えられていて、スコッチグレインの中ではもっとも幅が狭く甲の薄い木型になります。
23.5cmから展開しているモデルもありますので、足が細いという自覚のある方は是非この辺りで気に入ったモデルを見つけていただくのがよいでしょう。
木型は4種類で、モデルはこちらです。
- ベルオム(¥32,000)
- インペリアルブラック(¥50,000)
- インペリアルブラックII(¥50,000)
- モデナ(¥45,000)
- 1016(¥80,000)
- Dウィズ(¥45,000)
ベルオム

こちらも3万円台のエントリーモデルです。
デザインは2種類しかありませんが、ストレートチップ2種類展開ですのでビジネスで履くための靴としてはもってこいのモデルです。
インペリアルブラック・インペリアルブラックII

独ワインハイマー社のボックスカーフを使ったスコッチグレインのハイエンドモデルのひとつです。
5万円とスコッチグレインの中では高めの価格帯ではありますが、革質も良く木型もかなり絞られていて、足の細い方限定になりますが個人的には一番おすすめしたいモデルです。

僕も KUROBAKO2020 という同一木型のモデルをひとつ履かせていただいてますが、馴染んできてかなり良い具合に育っています。23.5cmの足に23.5cm・Eウィズの靴を履いていますが、一の甲も二の甲も幅もかなりよいフィット感です。
こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
モデナ

2019年年末に発売された4万円台のモデルです。
ネイビーとボルドーの2色で、デザインはセミブローグとウイングチップダブルモンクの2種類展開なので派手で華やかなモデルです。
ただ細身の木型がその華やかなデザインを際立たせているスコッチグレインの中でも異色のデザインです。
このモデルはこちらの記事でもご紹介していますので、気になった方はご覧になってみてください。
1016

アッパーは仏デュプイ社、ソールは仏バスタン社の革を使ったハイエンドモデルのひとつです。インペリアルフランスという名前のモデルです。
靴のデザインはブローグ(穴飾り)のストレートチップのみですが、細かい作り込みは非常に手の込んだもので特別感のある一足です。
このモデルはこちらの記事でもご紹介していますので、気になった方はご覧になってみてください。
Dウィズ

スコッチグレインはE以上のウィズ展開してありませんでしたが、MIシリーズというDウィズのモデルが2020年初旬に発売されました。最近の若い方は足が薄くて細い方が多いという傾向を捉え、現在スコッチグレインの中では最も幅の細いモデルです。
ただMIシリーズということで、伊勢丹新宿メンズ館、日本橋三越本店、銀座三越の3店舗でのみ販売されているものになります。
ちなみにですが、試着のみのフィット感ですが23.5cmの足に24.0cmでも割とちょうどよくフィットしました。足が細くてお悩みの方には是非試してみていただきたいモデルです。
このモデルはこちらの記事でもご紹介していますので、気になった方はご覧になってみてください。
4E・キングサイズ

甲高幅広の方は4Eウィズのモデルを試着してみてください。
4Eのモデルはデザインもいくつか選ぶことができます。内羽根も外羽根もモンクストラップもありますので、甲が高いという方でも選びやすくなっています。
雨の日用のシャインオアレインも4Eで展開されています。
上の図にはありませんが、サイズが大きいという方はキングサイズ(27.5~28.5㎝)のモデルを試着してみてください。
最後に
こうやって並べてみると視覚的に非常にわかりやすいと思うのですが、いかがでしょうか?
木型は靴のメーカーさんにとってはコンフィデンシャルな情報なのはもちろんですが、これくらいの相関図だけで我々消費者には十分わかりやすいものになると思います。
革靴を趣味としてではなく一般教養レベルで浸透して、足に合った靴を選ぶことの大切さについても広く認知されたら嬉しいなぁと思います。
動画でもご紹介していますので、よければご覧になってみてください。
少しでも参考になれば幸いです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。

























COMMENTS コメントを投稿する
クスミさん
はじめまして。
靴磨きが好きになって、このブログもYouTubeも拝見させて頂き、道具そして靴自体に非常に興味を持つようになりました。
そこで是非教えていただきたいことがございましたのでコメントさせていただきます。
先日、ネットオークションでスコッチグレインの靴を一足落札したのですが、型番が『PB-2100』となっており、このPBの意味とグレードを調べているのですが、ネットでは出て来ずどのくらいのグレードの靴かわかりません。
もしご存知でしたらお教えいただきたく存じます。
はじめまして、そう言っていただけて何よりです。ありがとうございます!
PB=プロパーブランドの略で、福箱、福袋の商品です。高額から低額まであります。
高額があるのは、きちんと価格に見合ったもので作っていて、決っして購入価格に偽りがない価格で造られているという型番の靴です。
ちなみに、OB=アウトレットブランドの略で、基本低額だけの福箱、福袋の商品です。
教えていただいてありがとうございます。
これからもブログ、YouTubeで勉強させて頂きます。
突然のコメント失礼致します。
いつもブログ、YouTube共に拝見しております。いつも大変勉強になっております。
唐突な質問で恐縮なのですが、スコッチグレインの品番03442、銀座三越限定のセミブローグの木型を調べているのですが、明確な答えに行き着きません。オデッサよりも幅が広で、スパイダー辺りと同じ位置付けといった認識で良いのでしょうか?
いつもありがとうございます。
木型の何が知りたいということでしょうか? 幅だけでみるとそのあたりに近いと思いますが、木型は長さと幅だけでは測れないところがあります。
購入を検討されているけど遠方にお住まいで試着が難しいという場合は、三越かヒロカワ製靴に問い合わせていただくのがいいと思いますよ。
いつもブログとユーチューブ楽しく拝見させて頂いております。
直近ではマスターリーガル編で触発されて、大阪梅田の旗艦店まで買いにいきました。茶のフルブローグを買いました。おっしゃっておられた、リーガルはやや大きめの作り・・・というアドバイスが大変参考になりました。ちなみにリーガルでは25.5cmがベストサイズでした。(自分では26cmか26.5cmだと思っていました)
今回はスコッチグレインで教えて欲しいのですが、最近雨の日が多く、シャインオアレインⅢを購入検討しています。アシュランスと同じラストなんですね。スコッチグレインは1足も持っていないし地方に在住していますのでオンラインストアでの購入ということになるのですが、スコッチグレインのアシュランスラストだとざっくり何cmだと思われますか?スコッチグレインはリーガルと比べて小さめの作りですか?足長は右左とも約24.5cmです。ご教授いただければ幸いです。
コメントありがとうございます。
僕はタイトフィットが好きで、23.5の足に23.5のスコッチグレインが、木型によりますが好みの履き心地です。
幅や高さの問題があるので、簡単にはいかないと思いますが、24.5ならスコッチグレインの24.5cmでいいのではないかと思います。
ただ、足長が24.5でリーガル25.5ということは、少し緩めがお好みでしょうか?もし緩めがお好みならハーフサイズあげてもいいかもですね。
アウトレットショップでなくオフィシャルのオンラインショップのレギュラー商品でしたら返品交換受け付けてくれますので、そこを頼ってみるのもありかと思いますよ。
https://www.scotchgrain-shop.com
返信ありがとうございました。当方アラフィフなのですが、約10数年前の円高為替の影響もありドレス靴は、英国靴ばかりたくさん持っており、またこの10年くらいは米国ワークブーツに嗜好が変わっていてドレス靴は殆ど履いていませんでした。この2年くらい嗜好が戻り、ドレス靴を履いているとやはりかなり緩くなってきました。もう、ずっと以前に計測してもらったのですが、また、もう1度計測してもらいます。ありがとうございました。
はい、是非計測してもらってください。メジャーがあればご自身でも簡単に計測はできますし、zozomatがかなり精度高く計測できるのでおすすめです。
幅や甲の高さもちゃんとでますよ。無料なので是非お試しください。