三陽山長のオーダーシューズ・帯之介と R309 の木型レビュー

三陽山長のパターンメイドでオーダーした靴が完成しました。
三陽山長の靴を作る浅草のセントラル靴さんの工場に通って一連の製造工程を見せていただいた靴だったので、普段靴を購入して手元に届くのとは違った感動がありました。
箱を開けて靴を取り出してウォー!となるのとは違い、ひとつひとつの工程を見る度、ジワジワと靴が出来上がっていく喜びを覚えた、そんな2021年の夏でした。

汗だくになって自転車をこいだのも、今ではいい思い出です。



帯之介

以前は既成モデルとして展開していた帯之介(たいのすけ)というモデルをオーダーしました。今は既成では展開しておらず、そういったモデルでもパターンメイドであればオーダーが可能です。
帯之介はご覧の通りサイドモンクストラップで、バンプとヒールにパーフォレーションが施されたデザイン。セミスクエアが際立つプレーントウと R309 の甲の薄さがドレッシーで魅力的な1足です。大変結構。

アッパーは工場で手染めで仕上げるハンドフィニッシュという革で、イタリアンレザーが使われています。色はダークブラウンと決めていました。仕上げの段階で黒の乳化性クリームを乗せてもらっていましたが、それが少し落ちて早くもアンティークな雰囲気を醸しています。

ご覧ください、このシワの感じ。プレメンテ後なので、しっかりとオイルを含んだ柔らかさを感じます。
この質感、好きすぎる。ナチュラルな経年変化が楽しめそうです。

柔らかくていいシワである

ウエストもコバも絞り込まれているのでシルエットも綺麗です。全足部は平コバ、ウエストは丸コバに仕上げられているのもドレス感を漂わせる要因になっていると考えます。
しかし、つま先からトップラインにかけてのシルエットとデザインバランスが秀逸で、このパーフォレーションにも遊びがあって、そんな前足部がとても素敵。

サイドモンクストラップというデザインは、シングルモンクやダブルモンクと違ってストラップの可動域が圧倒的に狭いデザインの靴になります。なので、甲の高い方には少々キツいと感じられることがあるかもしれません。デザインによって合う合わないが生じるのは仕方ないことかと思いますが、僕は逆にボリューム感のある外羽根のような靴は羽根が閉じ切ってしまったり、インポートの革靴はかかとが大きいと感じるものが多いので、履ける靴が見つかることは非常に嬉しく思います。

インソックには『山長』というロゴの刻印。そしてアウトソールにはJ.レンデンバッハソールの箔押し。トップリフトのラバーにも三陽山長という文字が入っています。
つま先の化粧釘も職人さんの手で打ち込まれたものです。ヒドゥンチャネル(伏せ縫い)のドブ起こしは圧巻でした。僕が勝手に緊張していただけかもしれませんが、ドキドキの瞬間です。

底付けは作業工程が多く、本底を貼って塗って削って…という単純な話ではないということがよくわかります。いろんなところを整えながら底付けの工程が進んでいきます。
靴が出来上がる全ての工程を動画にさせていただいたものがあるのでご覧になってみてください。少々長めですが見ごたえのある動画になっています。

三陽山長の革靴ができるまで

R309 の 23.5cm

既成靴は小さくて6(24.0cm相当)からしかサイズ展開がなく、パターンメイドであれば5.5(23.5cm相当)もオーダーができると教えていただきました。
この帯之介は R309 という木型が使われています。三陽山長のアイコンシューズでもある友二郎・勘三郎・源四郎 で使われているR2010 というラウンドの木型も素敵なのですが、この R309 のスクエアなドレス感に惹かれ、せっかくオーダーするならこの木型がいいということで、去年日本橋高島屋の店舗にお邪魔しました。しかし、そのときは R309 で 23.5cm のサイズだとオーダーができないと聞いて泣いて帰りましたが、今年はオーダーさせていただけることになりました。
今後もオーダー可能です。三陽さんありがとうございます。

サイズ感

僕の 23.5cm の足にはキツめでジャストなサイズ感という印象です。
スクエアでラウンドよりもシャープなシルエットのつま先ですが、ノーズの長さを感じさせないところも素敵。小指が圧迫される感じもなく、甲も薄く、土踏まずの絞り込みとヒールカップの小ささも相まって、とても気持ちの良いフィット感です。細身の木型だと思います。
もうプレメンテナンスは済ませたので、かなり柔らかくなりました。キツめだけど心地よいキツめと言いましょうか。是非この薄い木型を体感してみてほしいです。

シューツリー

甲が薄いといえば、こちらのキングヤードのシューツリーは比較的安価で甲が薄く、かかとも小さく、僕が選ぶ靴には合うものが多いので重宝しているのですが、この薄いツリーでも少し甲が高いかなと感じるくらいの木型です。
とはいえ甲がしっかり伸びるのと、変に形を崩すほど大きすぎるものではないので、これを買い足して使っていこうと思います。

最後に

デザインと木型と革の質感が僕好みのものを選ぶことができたのはやっぱりパターンオーダーの醍醐味ですが、個人的に一番ご紹介したかったのは、三陽山長の木型ですね。メインで展開されている木型はあまり多くありませんが、時代やトレンドによって少しずつ変えられつつも、三陽山長というブランドの考えを強く反映させている木型だと思います。
最初はこの見た目が好きで欲しいと思った帯之介でしたが、いつのまにか R2010 と R309 の木型に魅力を感じるようになりました。是非一度試着してみてほしい木型です。

先日発表された 友也 というモデルには R3010 という木型が使われています。

また、以前の記事でもご紹介しましたが、パターンメイド以外にもレディーメイドオプションという +5,500円 から、カスタマイズができるサービスもあるのでよければこちらも是非。

三陽山長といえば友二郎(ともじろう)。内羽根ストレートチップです。 次いで、外羽根Uチップの勘三郎(かんざぶろう)、ダブル...

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

三陽山長公式サイト:http://www.sanyoyamacho.com

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『革靴の魅力や靴磨きの楽しさをもっと多くの人に知ってほしい』という想いでブログやYouTubeで情報発信を行っています。 前職の経験からシューメーカーのブランドサイトやオンラインショップの制作・カスタマイズ、広告運用を受け持ったり、ブランディングや商品開発のコンサルなども手がけています。
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