この度ご縁があって、3/9(土)大阪、3/10(日)名古屋で行われる ENLIHGTMENT という革小物を取り扱うイベントの事前取材をさせていただいています。
今回はその第4段として、BRUSQUE HOUSE さんという靴や革小物に独自の技法で染色された作品を展開されているブランドの取材をさせていただきました!
以前、ワークショップに参加させていただいたり、何度かお世話になっている BRUSQUE HOUSE の佐藤さん。
なのですが、今回はイベントに出展される商品だけでなく、佐藤さんの染色技法 クラウディー・パレット の世界感についてもご紹介したいと思います!
大阪・名古屋以外の方も是非ご覧になってみてください!
ゴッサムシティへのお越しの際は
佐藤さん曰く、「正義の味方って感じじゃなくて…どちらかというと、ダークサイドというか、そっち系のがいいんですよ。」と。
レースアップブーツ
「カッコつけた悪い感じじゃなくて、本当に悪いんじゃないかなっていうような…」
トレッキングシューズ
「ジャック・ニコルソンじゃなくて、ヒース・レジャーがやってたジョーカーみたいな…」
ストレートチップ
「ゴッサムシティにいる裏の世界の人が身につけているようなものを作りたいですよね。」
というモチベーションで制作されたのが今回のラインナップでございます。笑
男の子は、悪党が好きですもんね!わかります。
そんな佐藤さんは、ご存知ベルルッティやコルテでカラリストをされた経歴以外にも、革靴の制作をご経験されたりシューケア用品のブランドに携わったりと、実は輝かしいキャリアをお持ちの職人さんでもあるのです。
確かに、このメイクは似てる!笑
シャツの柄まで似てる!笑
バットマンシリーズ『ダークナイト』の悪役・ジョーカー
なので、ゴッサムシティのの一画にある薄暗いブティックの重い重い扉を開けると、一見優しいお顔の、でも本当は裏社会のお金を動かしている佐藤さんがこの靴を売っているというわけです。
※ゴッサムシティは架空の地名です。
クラウディー・パレットの世界観
すみません、マジメにいきましょう。笑
クラウディー・パレットととは、佐藤さんの独自の染色技法です。
僕は以前も見せていただいたこともあり、『色彩の階段』や『奥行き』を表現された染色手法であることはほんとは知っていたのですが、もう少し具体的にこの染色の意図をお話しいただきました。
例えば女性のメイクに見立てるとわかりやすいのですが、靴のトゥやサイドは頬にチークを塗るように明るく…
逆に、靴底の上や、革の継ぎ目、ステッチの部分は明るい部分を際立たせるために暗く仕上げる…
そうすることでメリハリが生まれ、靴全体を通して立体感を意識された染色になっています。
これは、昔好きだったプラモデル作家、フランソワ・バーリンデンという方の作品からも影響を受けたようです。
「明るくなるべきところと、暗くなるべきところ」という表現をされることからも、物の形状を活かすよう意識されているのがわかります。
ただ明暗のムラを表現するだけだと、ミュージアムカーフと変わりません。微妙な陰影ではなく、コントラストが強く大胆な陰影が、圧倒的な存在感を放ちます。
染めるだけが作品ではない
今回はクロコの革を使われた作品が多いこともあり、存在感も迫力もかなり凄まじいラインナップです。
しかし、ただクロコを染めればいいというわけではなくてモノにもこだわっていらっしゃるのは、先ほどご紹介した佐藤さんの経歴の賜物でもあると、僕は解釈しています。
こちらのクラッチバッグ。
これもゴッサムシティ仕様…いえ、かなりの存在感ですが、こちらは革小物作家の丹羽 元(にわ はじめ)さんのブランド、NIWA LEATHERS で作られた、総手縫いのクラッチバッグなんです。
NLというのが NIWA LEATHERS さんのロゴ。
手縫いでこれほど均一なステッチ。
そして、外側と内側の革を接着しない製法なので、とても軽く自然な柔らかさのある仕上がりです。
さらに、マグネットでパチッと閉じる仕様なのですが、内側のマグネットの部分もクロコが使われているというこだわり。
ちなみにこちらの価格25万円のところ、今回のイベント価格で10万円(税抜)での出展。NIWA LEATHERSさんの手縫いの製品が10万では買えないです!とおっしゃってました。
大赤字もいいとこ…かとは思いますが、今回このイベントには初参加ということでかなり良心的な価格設定にされています。
欲しいです。
また、靴は定価30万円ですが、今回の価格は15万円(税抜)です!
ストレートチップとトレッキングシューズのサイズは43、ブーツは41と43があります。
こちらはダーミというクロコの革を専門的に扱っているイタリアのメーカーの別注品で、クロコダイルの模様(腑)が大きくて綺麗な部分を贅沢に使っているので、見る人が見ればおわかりいただけるはず!とのこと。
この靴のおもしろいところは、ウェルトの部分までクロコの革でできているということ。
ステッチダウン製法というアッパーをそのまま返して、ウェルトにした製法ですね。
トレッキングシューズはラバー製の靴底ですが、ブーツとストレートチップはレンデンバッハです。
凄まじい存在感を放つこちらのブーツですが、クロコの革は触ってみると思ったほど硬くなく、特に履き口のあたりはすごく柔らかい仕上がりになっているから不思議です。
見た目は強面ではあるけれども、中身はすごく優しいみたいな…そんなギャップもまたマーベルのヒーローっぽくて良い!(ハルクのイメージ)
かわいらしい商品も
こちらは佐藤さんによって染色されたベルトではありませんが、クロコ製のApple Watch用ベルト。
なんか…クロコなのにすごくかわいらしく見えるから不思議です。笑
裏もカラフルなので余計にかわいらしい。
こちらはもともと3万2000円のものが、1万円(税抜)での販売となります!
こんな感じになります。
着脱も革に負担がかからないDバックル
クロコなのにすごくかわいい。
慣れって怖いですね!笑
なんだか、ついつい悪い人みたいなイメージで書いてしまったんですが、もちろんそんなことはなくて、佐藤さんは話題の幅も広くいつもいろいろ勉強をさせていただいています。
本当に気さくで話しやすい、優しいお兄さんという感じです。
先ほどもお伝えした通り、すごくいろんな経歴をお持ちでさらに知識も豊富。
物の選定から染色の仕上げに至るまで、随所に佐藤さんの知識の豊富さを裏付ける要素が滲み出ているように感じます。
しかしお話を伺っていると、作品に悪党っぽさを表現したい!という少年のようにピュアなお気持ちであることは間違いなさそう。
そんな純粋さという大きなテーブルの上で、様々なご経験や知識という染料を駆使して生み出される作品は、佐藤さんならではだと本当に思います。
作品が生まれるに至った背景のお話を聞いた上で作品を見ると、また違った見え方に感じられるから不思議です。
是非、今回のイベントでは佐藤さんのお話を聞きながら、実物をいろんな角度から見てみてほしいと、そう思っています。
ENLIGHTMENT・イベント概要
ENLIGHTMENT という革小物ブランドのイベント。
3/9に大阪、3/10に名古屋で開催されます。もちろんどちらも入場は無料です!
大阪会場・3/9(土)
日時 | 2019年3月9日(土)12:00〜16:00 |
会場 | ギャラリー A stair |
場所 | 大阪市中央区南船場4-5-4 心斎橋OKAMOTO.BLD 2F |
名古屋会場・3/10(日)
日時 | 2019年3月10日(日)12:00〜16:00 |
会場 | カネジュービル |
場所 | 愛知県名古屋市中村区則武1丁目2−1 カネジュービル3F |
気になった方は是非足を運んでみてください!
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
そいえば、以前僕が佐藤さんにワークショップで教わったこちらの靴。
見たことあるなぁって思ってたんです。笑
View this post on Instagram
He’s been waiting for you, Obi-Wan. #StarWarsFanArt by @TheDaileyDoodle.
スターウォーズ・エピソード1 – ダースモール
出展予定の他のブランドもどうぞ
COMMENTS コメントを投稿する