クレマチス [Clematis]ブランド

デザインのバランスが違うと靴の見た目の印象って全然違うんだなぁという話 [Clematis Ginza]

Uチップ入荷しました!
クレマチス [Clematis]

 

5月にクレマチス銀座でパターンオーダーした靴が届きました。
かわいい靴です。

 

デザインはパンチドキャップトウなのですが、パーツのバランスが独特でおもしろいなぁと思っています。
そのあたりについて、思うことを書かせていただきたいと思います。
日記みたいな記事ですが、よければご覧になってみてください。

 

 

バランスの好み

わたくし天秤座故、バランス感にはうるさい男でして、靴の好みを測る上でもバランスを重視しております。各パーツが長すぎたり短すぎたりせず、ちょうどよいバランスで収まってくれてると気持ち良いという、つまりは好みの話です。
さらに、木型のフォルムにもうるさい男でもありまして、木型は足に合う合わないという話もあるので今回は深く掘り下げませんが、木型の美しいフォルムやシルエットとそれを活かしたパターンかどうかという話題があればそれだけで結構楽しく時間が過ごせるわけであります。

 

 

 

例えばチャーチの73ラストって、トウキャップが短くてすごく特徴的じゃありませんか。73でなくてもチャーチらしい木型のシルエットと、チャーチらしいパーツのバランスがある気がします。
靴を見ただけで「はいこれチャーチっすね」と一目でわかるというのは、実はすごくブランドを特徴づける上ですごく大切なことでもあると思っているのです。
「あ、このつま先はロブだな」とか「説明ムズいけどこの内羽根はなんとなくウエストンの雰囲気ぽいな」とか。どれが良い悪いではなく、みんな違ってみんないい。
人様のインスタを拝見して、ブランドを予想 → タグ付けで答え合わせする、という遊びをよくします。そんなひとり遊びばかりしていると、自分の好みも徐々にわかってきます。

 

話がそれましたが、僕はクレマチスの魅力は、あのお店に並んでいる数々のビスポークサンプルのワクワク感だと思っています。単純にあそこに行けば楽しい。
まだ行ったことがない方は是非行ってみてください。僕はいつ行ってもワクワクします。

 

 

そしてあの空間に並んだデザインも革も様々なビスポークサンプルにも、やはり共通する独特のバランス感というか、「クレマチスらしさ」みたいなものがある気がしています。

 

 

木型 × デザイン × 革

靴の見た目のバランスは木型と靴のデザイン、特にパーツの取り方でほぼ決まると言っても過言ではないと思います。
ラクダの革なので少々見た目の珍しさはありますが、この靴から滲み出る「らしさ」について少し掘り下げて考えてみたいと思います。

 

木型

 

少し丸みがあるけど薄いことによって野暮ったさを感じさせないこの木型。
他の靴とアウトソールの全長はさほど変わらないのに、この角度だとちょっとだけロングノーズに見えるのはどういうわけか…薄いせいもあると思いますが。

 

 

よく観察すると靴から見て取れるボールジョイントの位置が、他の靴と比べると少し後ろに設計されていることがわかりました。(上写真)特に英国靴なんかと並べてみると顕著なのですが、それによって靴全体のバランスが全く違う印象になっています。
僕の足にはこのボールジョイントの位置がすごくちょうどよいです。
ボールの場所が合うということは、靴の屈曲すると想定されてる位置と足の屈曲する位置が合う、ということだと考えます。歩き心地にも関わってきそうな話です。

 

あと、左右の羽根の幅が広いのも、この見た目を印象付ける要因になっていると考えます。不思議なことじゃないけど、こうみると全然違うんですね。どちらも好きな靴なのでおもしろい。

 

デザイン

 

木型は僕の足に合うことはもともと知っていたわけですが、この木型ならどのデザインがいいかなぁと想いを巡らせた結果、固すぎず派手すぎないパンチドキャップトウがいいのではと考えました。
ビスポークサンプルが素敵だと申し上げてるので、ほんとはビスポークをお願いしたいところなのですが予算の都合で断念し、この選択に。笑
それでもこの靴のバランスは素敵だなぁと思っています。ボールジョイントの位置が後ろであるということは、相対的に前足部の割合が長くなります。それに伴ってトウキャップを長くしない、この絶妙なバランス。

 

 

タンの長さがそれぞれ違うのでパッと見わかりにくいのですが、履き口も少し広めです。
好みの話なのでどれが良い悪いっていうことではないのですが、良い。なんか回りくどいようですが、要するにこのバランス感が好きなのです。もちろんクラシックな英国靴も好きです。

 

ラクダの革

 

オーセンティックド真ん中の黒のカーフというチョイスでも間違いなく素敵なのでしょうが、ラクダの革をチョイスいたしました。
ラクダの革、こんな感じなんですね。よく見るとブタの革みたいに毛穴がまとまってポツポツとあります。ブタの革同様、通気性というか透湿性が高そうです。あと案外柔らかいです。

 

革もデザインも遊びがあって軽い印象なので、夏に履くにはぴったりな靴でもあります。なので、少し履き口が広いのも、見た目的にも機能的にも嬉しいところです。
あと、遊んだ靴紐も素敵。これ紐を通す部分だけ色が塗られて濃くなっているのです。

 

 

 

ちなみにですが、中敷はナチュラルシュリンク。お馴染みのクレマチスグリーンです。(勝手にネーミングすんません)

 

 

 

JOE WORKS にて製造

 

パターンオーダーはこちらの記事でもご紹介しています、浅草の JOE WORKS さんで製造されているようです。COOPERATED with JOE WORKS とあるので、アッパーメイキングがどちらで、底付けはどちらでというような分業なのかもしれませんね。
ウエストの外側は平コバですが、内側は丸コバ。

 

 

 

最後に

 

こう見ると結構違って、前回作っていただいた靴もやっぱり素敵だなと思います。
ただし、やっぱり前回のはセミビスポークなので足へ吸い付くような履き心地は感じられます。かかともけっこう違って見えます。でもそればっかりは仕方ない。

 

 

でも、どちらも違う色があって、それぞれ良さがあると思っています。
トウスチール付けたら履きおろします!いや、我慢できずに履いてしまうかも!

 

 

書き出したら止まらずいろいろ書いてしまいました。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!

 

僕の2年間の答え、クレマチスのセミビスポークが完成しました
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