
Edward Green – Coin Loafer “Duke”
夏にこそ、ローファーです。
決しておかしい選択ではありません。むしろ夏です。
夏に履くのはローファーだけ!と決めているのは、ローファーは僕のようなズボラな人間にとっては機能的で魅力的な履物だからです。機能的というのは足をホールドするという意味では紐靴のほうが、履き心地的には圧倒的に機能的ではあります。
ただ、フットカバーで素足風で履けば、靴下の色合わせを考えなくてよくて、短パンで履いても重くならず、紐靴よりも足首が出るので足長効果も期待でき、汗だくで帰宅してもすぐに脱げて、それでいて夏の簡単な装いをパリッと引き締めてくれる履物です。
定番コインローファーの魅力
さて、もともとはノルウェーの農夫が履いた履物に着想を得て、アメリカのB.H.BASSによって生まれた靴です。
コインローファー。ペニーローファーとも呼ばれます。
アメリカの学生が履いた靴であることから、アメカジの文脈で語られることの多い靴で、ローファーの顔であり、ローファーと言えばこれ!というべき代名詞的なデザインです。
コインローファーという靴はこの馬具のサドルを模したストラップの切れ目に、アメリカの学生が1セントのコインを挟んだことが名前の起源と言われています。
ガールフレンドをドライブに誘う電話をかけるためのコインなのか知りませんが、そんな彼らが夏に経験したであろうカジュアルなセックスの備えにはコインより避妊具がふさわしいだろうと思いつつ、彼らのおかげでそのカジュアルなスタイルを我々が享受できているわけで…

Crockett&Jones – Coin Loafer “Maine”
こちらは非常にオーソドックスなスタイルのコインローファー。コードバンという馬の臀部から取れる希少な革を贅沢に使った靴です。
いかにもローファーらしい顔をしていますが、コードバンの艶やかな質感と透明感があり、どこかカジュアルな雰囲気の中に素材の上質さが垣間見れます。
しかしコードバンは意外にもタフな革で、ゴリゴリに履いてもなかなか簡単にはヘタりません。
それをいいことに結構乱暴に履いてしまっていますが、湧き出る夏のダルさを黙って受け止めてくれる、そんな頼もしい靴でもあります。

Carmina – Strap Loafer
一方こちらは、端正な顔をしたフルサドルストラップのローファーです。
ソールまで伸びるストラップがうねり、甲も薄く、曲線も豊かで非常にドレッシーです。
洋服がカジュアルすぎるとちょっとアンバランスですが、少しキレイめな装いなら、足元からスタイリングをエレガントに引き締めてくれます。
こういうドレスローファーがひとつあると、クリースの入ったパリッとしたパンツや、ジャケットスタイルには抜群に合うので、本当に便利。

Joe Works – Coin Loafer
そして、夏のシンプルな装いでも足元にアクセントを加えてくれる、ゾウの革を使ったローファーです。
こちらも同じくフルサドルストラップ仕様ですが、素材が違うことで全く見た目の印象も違います。禍々しい素材。
もっといろんな革の靴を履いてみたいと思わせてくれた靴でもあります。
タッセルの遊び心
タフだったり、ドレスだったり、素材だったりのローファーもいいけど、それ以上に僕にとってなくてはならないのがタッセルローファーです。
もともとは信仰や学位を象徴する装飾だったこともあるせいかは知りませんが、アメリカでは弁護士が履く靴としても知られる装飾がこのタッセルローファーです。
一般的にはカジュアルとされるローファーにひとつアクセントを付け足すことで、コインローファーよりも幾分崇高な雰囲気を帯びるわけですが、弁護士の靴という代名詞のとおり、落ち着いた雰囲気のタッセルローファーであれば、ビジネスカジュアルにも合わせやすいのが魅力です。
とはいえ、シルクやらサテンやらでできた貴族のカーテンのそれほどきらびやかではないし、僕にとってはただの『遊び心のある装飾』というイメージです。

Crockett&Jones – Tassel Loafer “Carly”
このローファーはレディースのモデルなので、メンズのものより履き口が広く、フットカバーがハミ出しやすいです。
ローファーでも稀に底の厚いものがありますが、スポーティーというかちょっとカジュアルな雰囲気が増します。また、短パンで履く場合はつま先が長過ぎたり、靴自体のボリュームがありすぎるとアンバランスなので、僕にとってはこういうソールの薄いローファーがとにかく使いやすい。

Stefano Bemer – Tassel Loafer
茶色の靴は経年変化が何より楽しめる靴ですが、黒のローファーは圧倒的に合わせやすい。
濃いネイビーやらグレーのパンツに合わせてもいいでしょうし、スーツスタイル、ジャケパンスタイルで大活躍します。
こちらは柔らかいシュリンクレザーを使った靴なので、履き心地も良いし過度にシワに気をつかう必要もありません。
今日はちょっとパリッとした格好で!というときに白シャツとスラックスに何も考えずに合わせられる、便利な1足です。
この後にもタッセルはご紹介したいですが、タッセルの長さや大きさも、それぞれの靴ごとに違ってて、それもおもしろいところ。
足を包み込むアンラインド
アンラインド [un-lined / un-lining] とは裏地がなく、つま先かかとの芯材も少ない仕様の靴で、履き心地が柔らかく足なじみが良いというのが特徴です。アッパーの革が優しく足を包むので、多少キツめでも痛みを感じにくいのがありがたいところ。
アンラインドという仕様は僕にとって、食欲の失せる夏でもスルッと喉を通る冷やし中華のように、ストレス無く履ける靴。足を締め付けられたくない日でも、履く気を芽生えさせてくれる靴です。
ありがとう。

Carmina – Unlined Cordovan Tassel Loafer
この靴はもっと明るい色でしたが、タンニン鞣しというコードバンの性質故、夏の日差しやオイルを吸ったことで、かなり濃い色になりました。
夏は雨に悩まされるけど、秋にうまい米が獲れる。照りつける陽射しは容赦ないけど、甘い果実が育つ。僕の足が焼けない代わりに、この靴が焼ける。
アッパーの柔らかさに合わせてソールの屈曲性も考えられた仕様になっているのか、アンラインドの靴はソールも柔らかいものが多い気がします。
次の靴も同様のアンラインドの仕様。マッケイ製法のローファーに負けず劣らずの柔らかさ。「革靴は時間をかけて馴染ませるもの」という概念は、アンラインドがすべて解決してくれる気さえします。
※靴の製法についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。

George Cleverley – Coin Loafer “George”
少々ノーズが長めなシルエットですが、ドレス感強めの装いには合わせやすいローファー。
女性はつま先の尖った靴がこの世で一番きらいと、何かの映画かドラマで見てドキッとしましたが、奥さんと初めてデートしたときに履いた靴でした。
あれも夏だったな。エモい。

Oriental Shoemaker – Belgian Shoes “Windy”
こちらも同様。ベルジャンシューズという室内履きが起源の履物です。
今までの靴よりもソールが薄さが際立っています。ソールの薄い靴は長時間履いていると地面のデコボコがダイレクトに足裏にくるので疲れるなんて言われることもありますが、この靴は軽くクッション性のあるスポンジ素材が中に仕込まれているので、案外疲れない。
スエードは起毛しているため、なんとなく秋冬向けとも思われがちですが、そんなことはございません。透湿性にも優れた機能的な素材でもあります。裏地のない仕様の靴はなおさら。
また、スムースレザーよりもツヤ感が抑えられるし、もう少し明るいブラウンなら肌の色とも馴染みやすいので短パンでも相性よし。

Iugen – Monk Strap Loafer
そしてこちらのスエードは金のバックルをあしらった、ストラップローファーです。
シンプルなデザインですがバックルの付け根に遊びがあってこだわりを感じます。
靴好きの方々はご存知だと思いますが、スエードはケアも楽で、スムースレザーよりも足馴染みが良く、キズやシワも気になりにくく、雨に濡れても大ダメージになりにくい、非常に便利な素材です。
ローファーを素足風で
賛否あるのがこの素足風です。
ビジネスのシーンでは、できるだけ素肌を見せないことがよしとされていますので、ビジネスのシーンではふさわしくないスタイリングです。
ただ、そこまでお堅いシーンでなく、多少着崩してもよいビジネスカジュアルのような場合であればこんな履き方もあり?かもしれません。
素足で履くと肌が擦れて靴擦れしてしまう可能性もありますが、浅いフットカバーを履けば、その心配もありません。
僕は足が小さいのでユニクロのレディースのフットカバーを履いています。
こちらの記事で簡単にご紹介しています。

ローファーの種類と選び方

J.M.WESTON – 180 signature loafer
他にもいろんなローファーがありますので、ぜひ気に入ったものを見つけてみてください。
ローファーはビジネスシューズよりもカジュアルな位置付けなので、カジュアルで履くのであればいろんなデザイン、いろんな素材に挑戦してみてもいいかもしれませんね。
こちらの記事で、メンズローファーの種類とサイズの選び方をご紹介しています。
よければご覧になってみてください。





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