鏡面磨きを少しでも多くの人に楽しんでいただきたいと思ってこのブログを運営しています!
しかし、はじめたばかりの方にとっては鏡面磨きってなかなか難しいものかもしれません。
なので、どうすればもっと早く簡単に、ある程度の鏡面に仕上げられるかというところを考えてみました。
ちなみに今回ご紹介する方法だと片足の鏡面磨きで約13分です。本当は10分を目指したかったのですが、雑なのはどうかと思ったので(言い訳
よ…よければ参考にしてみてください!!
鏡面磨きの原理
まずは鏡面磨きの原理から考えていきたいと思います。
革靴をピカピカに光らせられるのは、ワックスで革の毛穴を埋めることで光の反射を均一になるからです。それが綺麗な鏡面に見えるわけですね。
これ、頭ではわかってはいるんですよね。笑
ただ、ワックスをうまく革に定着させるのが難しい!
というわけでワックスを革の表面にいかに素早く、そしてムラなく均一に定着させるか、というところが重要になってきます。
これをワックスの『下地』なんて言ったりしますが、この下地を作ることを意識した鏡面磨きの手順をご紹介していきます。
ワックスを素早く定着させる塗り方
すっぴん///
ワックスをいかにムダなく塗るかが勝負です!
塗り方ひとつで少ない回数、さらに短時間でワックスを重ねることができるのではないでしょうか?
指で塗る方が時短
油性クリームのみで仕上げた
まずは下地を作っていくのですが、ワックスは指で直接塗っていきましょう。
コットンの布やネル素材の生地でワックスを塗っていくと、布生地にワックスが入ってしまうので、効率良く塗り重ねることができません。
これも短時間でワックスの下地をつくるコツですね!
薄く塗り伸ばして有機溶剤を飛ばす
ワックス1層目、開始!
ワックスを塗っていくとき、毛穴がちゃんと埋まるように塗り重ねることも大事なのですが、一度にたくさん塗りすぎるとワックスが乾きません。薄く塗り重ねることで有機溶剤を飛ばすし、素早く乾かしてあげるというのも時短につながるテクニックです!
有機溶剤は、ワックスを缶やビンに流し込むときにワックスを溶かすために入れられる成分です。靴磨き用のクリームなどにも同様に含まれる成分です。
これがワックスに残った状態のまま塗り重ねると、ワックスが柔らかい状態を保ったままです。
なので、ワックスを薄く塗り重ねながらこの有機溶剤を揮発させてあげるとワックスの定着が早くなります。
あと、これは個人的な感覚なんですが、薄く塗り重ねた方がワックスの塗りムラが少なくなるような気がします。
同じところばかり塗らない
つま先2層目!
これもワックスを定着させることにつながるのですが、同じところばかりにワックスを塗っていると、なかなか乾燥せずワックスが定着してくれません。
なので、つま先を塗ったらかかと、かかとを塗ったら反対の足のつま先へ、というようにどんどん塗る場所を変えてワックスを乾かしていきましょう!
また、つま先やかかとだけに限らず、靴の側面にもワックスを塗ってあげるとバランス良く磨き上げることができます。
かかと1層目も開始!
ちなみに今回は片足だけを磨いていますが、両足同時に磨く方が左右差を確認しながらできるので、バランスよく仕上がります。
ワックスはあらかじめ乾燥させる
これもひとつ大事なことなんですが、ワックスを多少乾燥させておくと素早く塗り重ねることができます。
ワックスは新品の状態だと、有機溶剤や油分が多く含まれているため柔らかい場合が多いです。
なので、缶のフタを少し開けた状態で数日間置いておくと、こんな風に日々が入ってワックスが硬くなります。
ちなみに今回は、僕が使い慣れているサフィールノワールのワックスを使っています。
こちらのビーズワックスポリッシュは新品の状態だとすごく柔らかいので、最初から固いワックスを使うと言うのも手だと思います!
ワックスの層を最低限に抑える
ワックスを塗り重ねる回数も少ない方が短時間で仕上がりますし、何よりワックスを落とすのが楽になります。
なので、ワックスを塗る回数もできるだけ必要最低限に抑えたいところです!
ハンドポリッシュで毛穴の埋まり具合を確認する
ワックスを何度か塗ったら、ワックスの表面を手の乾いた部分で優しくこすってみてください。
このとき、ワックス表面の滑りが悪いようなら、まだワックスが乾いていない証拠。まだワックスを塗り足すタイミングではないかもしれません。
逆にワックス表面の滑りが良く、表面がツヤっとしてきたらワックスが乾き始めている証拠です!
2層目の後、ハンドポリッシュ!
これだけで多少ツヤっとしてくるのですが、よくよく見るとまだ革表面の毛穴が埋まりきっていません。
特につま先のあたり、デコボコがまだ残っています。
なので、まだまだワックスを塗り重ねたいところです。
ワックス3層目!
ワックス4層目!
ワックス5層目!!
この段階では全然違いがわかりませんね!笑
もちろん、かかとにも靴の側面にもワックスを塗っています!
でもかかとは比較的光やすいので、さらっと塗り重ねる程度です。側面も革が屈曲する部分があるので、べったり塗ることはありません。
磨かないのも一手
何度かワックスを塗って、ハンドポリッシュで毛穴の埋まり具合を確認してみると、イマイチ毛穴が埋まっていないと感じるときがあります。
原因はもちろんワックスが定着してないから。
少し時間をおいてワックスを乾かして定着させてあげる必要があるかもしれません。
そんな時は一旦手を休めるというのもアリです!何もかも忘れてコーヒーでも飲みましょう!笑
逆にこのタイミングならまだ間に合います!
ネルを巻くタイミングを見極める
ネルを巻くタイミングというのは水をつけて鏡面を磨き上げていく工程になりますが、このタイミングを見極めるのも重要です。
ワックスの下地ができあがっていない状態で、水をつけすぎてしまうと革が水を吸ってしまいます。革が水を吸ってしまうと、その上にワックスが乗りづらい、というか乗りません!
なので、先ほどもご紹介したようにハンドポリッシュで毛穴がワックスで埋まっていることを確認すると良いかもしれません。
これは慣れてくると指の感覚でもなんとなくわかってくるので必ずしも必要ありませんが、短時間で仕上げるためのテクニックとして覚えておくとよいかもしれませんね。
5層目の後、2度目のハンドポリッシュ!
かかともハンドポリッシュ2度目!
だいぶ毛穴が埋まってきました!
逆に、下地がある程度均等にできあがっていれば、ネルを巻いてから先の工程は非常に楽になります。
下地ができているので、ネルを巻いた後はワックスを塗り重ねるのではなく、ワックスで表面を整えるだけです。ワックスを塗り足す回数も多くなくても大丈夫です!
トドメの6層目!
失敗したら写真も全部撮り直しになっちゃうので、念のため6層目を塗ってからネルに入ろうと思います(必死!!
水をつけすぎない!
さて、ネルを巻いて磨いていこうと思いますが、この時水が多すぎると革が水分を吸い面倒なことになります!
なので、ネルがほんのり湿っている程度で大丈夫です。でもこれはワックスの量やワックスの乾き具合にもよると思います。
ちょうど良い水の量を探してみてください。
ネル+水、1回目
かかとも1回目
ワックスを少量とって
ワックス7層目!
ネルで7層目を足しました!
足したと言うよりは、ワックスで表面を整えたイメージです。
水だけで仕上げる
ある程度表面が整ったら、あとは水だけで磨きあげます。時間に余裕があれば、巻いているネルも綺麗なところに巻き直すのもよいでしょう。
この後は、もう時間が許す限り磨くだけです。
各々お好きなタイミングで完成としてください!
水だけで磨き上げて完成!
かかともこんな感じ
今回塗ったワックスの層は合計7層、時間は約13分でした!
これを5〜6層にして、時間を10分に抑えられたらいいですね。まぁ片足だけ磨くことは多くないので、両足20分が理想ってとこでしょうか?
最後に
靴磨きは楽しいですが人生も短い!
1時間かけてじっくり磨くのも一興ではありますが、素早く仕上げることも必要なときがあるでしょう!
どちらが正解というわけではありません。
自分が納得した仕上がりになることと、何より靴磨きを楽しんでもらうことが一番大事だと思っています。
磨く時間が短縮できると、限られた時間の中で何足も靴を磨けるので、その分幸せも多いかもしれないなぁとも思います。
僕、せっかちなんですね!笑
どうしてもうまくいかない!という方は、よければこちらの記事も参考にしてみてください!
ちょっと長くなりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました!
鏡面磨きの方法はこちらの記事でもご紹介していますので、よかったら参考にしてみてください!
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