先日電車で見かけた、茶色のストレートチップをお召しのビジネスマンの方。
まぁお上品なアンティーク仕上げをされていらっしゃったのです。
これは僕もやるしかないと。
思った次第でございます。
ちなみにアンティーク仕上げとは…
ニスを塗って長年使い込まれたアンティークの家具のように、革の色よりも少し濃く仕上げる方法のことです。
鏡面磨きをするつま先やかかの部分のみに対して濃い色を入れるのが一般的です。
革全体濃くしてしまうと、単純に色の染め替えになってしまいますからね。
茶色の革靴
今回アンティークをするのはこちらの靴です。
去年の誕生日に買ったカルミナの革靴。
実はこの靴…
まだ… 鏡面磨きを施したことがないのですっ///
なので、今回が初体験///
鏡面磨き、初体験です///
父親としてはもちろん心配でなりません
この娘が良いワックスに巡り会えるのかどうか…
もういいですかね茶番は
はじめまして、くすみともうします。
最近前置きが長いと知人に文句を言われます。
前回挑戦したときはワックスが柔らかすぎて失敗したので他の革靴で試してみたのですが、ワックスの見た目の割につま先が濃く仕上がりませんでした。
なので、少しだけ多めに塗ってワックスの濃さが引き立たせるように仕上げてみました。
ほら、なかなかよくないですか?
もう少し濃いものを期待していましたが、まぁこれはこれでツヤっと仕上がったので、満足しています。
やっぱりしばらくワックスを乾燥させた方が、俄然鏡面にしやすかったです。
キャラメリーゼみたいでおいしそう
今回わかったことは、ワックスは乗せると思った以上に色が薄くなるということです。
大事なことなので、もう一度言いますね。
ワックスは乗せると思った以上に色が薄くなる
なので、色を選ぶときは、慎重に選びたいものです。ただ、黒とか無色のワックスは問題ないと思います。
アンティーク仕上げの2つのやり方
ちょっと楽しくなっちゃったので、別のやり方にも挑戦してみました!
もう少しだけ濃いグラデーションを作る方法です。
特に正解は無いと思っているのですが、2つの方法を考えました。
程よいグラデーションをつくるためにどちらの方法も無色のワックスを必要とします。
方法1. 黒と薄い色のワックスを併用する
ひとつ目の方法は、黒のワックスを程よいグラデーションになるように乗せていきます。
個人的にはあんまり真っ黒にしちゃうのはイヤなので、特につま先の先端部分にのみワックスを乗せます。
そのあと、同系色か無色のワックスをかぶせてつま先全体を鏡面に仕上げます。
なので方法としては、こんな感じです。
①黒のワックスでグラデーションの下地をつくる
②薄い色のワックスをかぶせて鏡面に仕上げる
方法2. ワックスとクリームを併用する
ふたつ目の方法は、最初にクリームでグラデーションを作って、その上にワックスで鏡面を作るという方法です。
革より濃い色のワックスをお持ちでない方にはおすすめかもしれませんね。
ただし、個人的には革の色に革本来の色を染めたくありません。
なので染料ベースのクリームは使いません。
ご存知クレム1925は染料ベースのクリームです。
染料は革の内側へ浸透し革の色を染め替えてしまうため、顔料ベースのアーティストパレットを使ってアンティーク仕上げをするのがいい気がしてます。
●クレム1925とアーティストパレットの比較記事はこちら
> クレム1925とアーティストパレットの違いを徹底比較
結局、方法としてはこんな感じですね。
①革より濃い色のクリームを少し乗せてグラデーションをつくる
②薄い色のワックスをかぶせて鏡面に仕上げる
創作アンティークにチャレンジ
実際にやってみましょう!
ご紹介したふたつの方法をそれぞれ試してみたいと思います。
対象の靴はこちらの靴です。
方法1. 黒と薄い色のワックスを併用する
今回使用するワックスは、同じくサフィールノワールのビーズワックスポリッシュの黒です。
黒のワックスで下地を作ります。
つま先全体が濃くなりすぎないように気をつけながら程よいグラデーションを目指します。
若干ムラがありますが、まぁ実験なのでよしとします!
次に茶色のワックスで仕上げます。
このとき黒のワックスを落としてしまわないように細心の注意を図ります。
黒のワックスが十分乾燥してから茶色のワックスを乗せた方がよいです。
やっぱりムラがありますが、特訓を重ねればできないことはなさそうです。
茶色の靴に黒のワックスを載せるのはかなりバキッと色の差ができるので、もう少し濃い茶色のワックスがあると自然に仕上がると思いました。
方法2. ワックスとクリームを併用する
顔料ベースのクリーム、アーティストパレットを少しつま先に乗せます。
グラデになるように…
塗り重ねるという感じのクリームではないので、あまりグラデになりませんね…
そこに茶色のワックスを乗せるとこうです…
アーティストパレットがワックスで溶けて、ムラになりまくりです。笑
綺麗につま先だけ溶けて、サイドだけ色が残りました。
クリームが剥がれ方がハゲ頭みたい
これを『波平仕上げ』と呼ぶことにします。
商標登録するので、勝手に使わないでくださいね
#波平仕上げ みたいなハッシュタグ勝手に使わないでくださいね
冗談はさておき
アーティストパレットって結構オイリーなクリームです。
上からワックスを塗り重ねると、アーティストパレットが溶けて、こんな感じですごくまだらでみっともない仕上がりになりました…
明るめのワックスには注意!
明るい色のワックスは、濃い色のワックスに比べてベタつきやすいようです。
僕はサフィールノワールのワックスは、
・黒
・ミディアムブラウン
・ミラーグロス
の3種類しか持ってませんので、写真など掲載できませんが、先日お邪魔したワークショップでもプロの職人さんが同じことをおっしゃってましたし、靴磨き選手権でも出場者の方が同じようなことをおっしゃっていました。
●ミラーグロスについてはこちらの記事でご紹介しています。
> SaphirNoirのミラーグロスは2層目に塗るのが正しい使い方みたいです
なので、明るい色の靴をお持ちの方はご注意ください。
amazonのレビューとかに、この色はベタつきやすいみたいなコメントがあるかもしれないですね。
最後に
黒の靴以外であれば、やっぱりつま先の色を少し濃く光らせるのに憧れますよね。
どちらかというと、こっちの方法はワックスが固まりにくく苦労しましたが、革より濃い色のワックスをお持ちでない方でもチャレンジしていただけるしていただける方法かと思います。
今回使用したワックスこちらです。
よかったらアンティーク仕上げにチャレンジしてみてください!
最後までご覧いただきありがとうございました!
鏡面磨きの方法もご紹介していますので、よければこちらの記事もご覧ください。
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