夜な夜な鏡面磨きをして、気合い十分でお出かけした直後。
階段でブツけました…
目立たない小さな傷ではないので修復は必須です。
できれば全てを落とさずに傷ついた部分のみを上手に修復したいわけです。
だって、またすべてのワックスを落として、また一から鏡面をしようと思うと片足だけでも平気で20〜30分かかりますからね。
きっとこれからもこういうことがあるでしょうから、今日はさらっと修復できる技術をご紹介します!
クレム1925ニュートラルを使う
以前、参加させていただいたShoeshinermeetingという靴好きの方々が集まる会合で聞いた話なんです。
クレム1925のニュートラルのみ成分量が他のクレムと異なるので、ワックスを落とすことができるという話。もう少し具体的に言うと、有機溶剤の量が他のクレムよりも多いといわけです。
なので、すでに塗られているワックスの成分を溶かすことができるというわけです!
僕は、Boot Black のハイシャインクリーナーを持っているので、クレムでのワックス除去を実践したことはないのですが、局部的に補修するだけなら試してみようかなぁと思った次第です。
ハイシャインクリーナーはこちらの記事でご紹介しています。
クレムのニュートラル
クレム1925のニュートラルを傷口に塗っていきます。
ワックスを溶かしすぎないように、極々少量をワックスに塗り込みます。
※あぁ痛かったろうそうだろう…と声をかけてあげると、より効果があります(ありません)
というよりもともと塗られているワックスにクレムを練り込むイメージです。
しばらく練り込むとこんな感じです。
鏡面はもちろん曇りましたが、それほど傷が目立たなくなりましたね!
鏡面をするときに使うネル素材の布を少し湿らせて、患部を優しく整えます。
すると…
この通りです!
よくよく見ると傷跡はうっすら残っているんですが、表面は整ったのでこれなら町を歩いても恥ずかしくありません!(自分に甘い)
一番のメリットはクリーナーなどの成分で革を傷めてしまう恐れがないことですね。
レノマットリムーバーのような強力なクリーナーは革に負担になりますからね。
使い方も幅広い
実はクレムのニュートラルってすごく万能なんですね。
まず、汎用性の高さ!
ニュートラルって革の色を選ばないじゃないですか。だから、どの色の靴でも革保湿・保革保革もできて、さらに艶出しもできるのですごく汎用性が高いのです!
(ちなみに、スエードなどの起毛革には使えませんのであらかじめご注意くださいね)
もちろん茶色の靴にも、ネイビーの靴にも使えます。僕も使ってます!
染料の入ったクリームで補色していくお手入れも決して悪いことではないんですが、無色のクリームでお手入れをした方が革の風合いが保てるという場合もあります。
例えば、革の染め方が特殊な仕上げになっているものなどがそれですね。
だから僕は色を変えたい場合を除いて、黒以外の靴はクレムのニュートラルでお手入れをする場合が多いです。あと、同じ理由で他のクリームも無色のクリームが多いです。
そしてさらに、先に少しご紹介したようにワックスも落とせると。
便利なのがご理解いただけますよね!
クレムの素晴らしさを思い知る記事はこちらです!
クレム1925はこちらの記事でも使い方をご紹介しています。
デリケートクリームとは違う
しかし残念ながらデリケートクリームのような使い方はできません。
ご存知かとは思いますが、クレムは油性クリームです。
乳化性クリームとは役割は同じですが、成分が違います。(油性クリームは水分が含まれていませんが、乳化性クリームには水分が含まれています)
いろんなクリームを使っていくとわかるのですが、乳化性クリームは仕上がりがさらっと仕上がるものが多いのですが、クレムは仕上がりが若干ペタッとします。乾拭きもするので、ベタベタになることはありませんが、あくまで乳化性とくらべると、と言う話です。
あ、油性なんだなっていうのがよくわかります。
なので、デリケートクリームのように、カバンにも財布にも手袋にも使えるというわけではないのです。
ちなみに、カバンや財布使われている革はより薄い場合が多いので、油性クリームが浸透しきらず油分が浮き出てベタベタすることもありますね。
やっぱり肌に触れるものがペタペタするのってちょっと気になりますよね。
まとめ
長々と書きましたが、クレム1925ニュートラルなら、ちょっとした鏡面の傷なら補修できてしまいます。
ワックスも落とせるし、革の色を選ばない汎用性の高いクリームです。
ひとつあって損はないかなぁと思ってます。
クレムでワックスを落とすのはちょっとコスパ悪いですが、ガシガシこすらなければ革の表面をそれほど傷めることもないので、個人的にはすごくおすすめです。
よければ試してみてください!
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
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