革に撥水加工されていたりするものもあってお手入れも乾拭きするだけでいいと書いていたりするので、クリーナーとか使うと顔料が落ちたり撥水加工も落ちてしまったりするのかなと思って迷っています。
どういうお手入れ、ケアグッズを使うのがいいかおすすめあればぜひ教えていただきたいです!
というご質問をいただきました。ありがとうございます。
やはりケアでお悩みの方は多いですよね。
最適なお手入れををするためには、まずどういう革なのかを知る必要があります。
顔料の革の浸透について
レザーのバッグやポーチ、あと最近のスマホショルダーなんかもそうですが、発色の良い革を使っているものは顔料が使われている場合がほとんどです。
仕上がりのバラツキを軽減し、プロダクトの均一性を担保するためです。特に大量生産のものはそうだと思います。
また、けっっっこう顔料の革が乗った革は、雨のシミや汚れに強いというメリットもあります。特に靴は汚れやすいプロダクトなので、顔料の多い革が使われていることも多いです。
しかし、顔料が強い革は浸透しにくいこともありますが、本革であれば顔料で仕上げられた素材でもクリームやオイルは浸透します。
経年変化という視点では染料で仕上げられた革の方が顕著ですが、顔料の革でもお手入れをして使い込んでいく中で、柔らかさや艶も増してきます。
撥水加工がされている革も同様です。
されていないものよりはクリームなどの浸透はしにくいと言われていますが、多少のクリームは浸透はするのでケアをした方がよいとされています。
撥水加工の仕方にもよると思いますが、半永久的な撥水効果をうたっている素材であれば、市販のケア用品で撥水効果が著しく落ちるということは考えにくいです。
(洗浄力の強い溶剤などを使うと撥水効果が落ちることもあるかもしれませんが、試したことはありません)
なので、顔料系の素材でも是非クリーム等でお手入れをしていただきたいというのが、回答になります。
クリーナーが不安な方は
確かにクリーナーで革表面の塗膜や顔料などの仕上げ材が落ちてしまうというのは、よく聞く話でもあります。
申し上げた通り試したことはないのですが、撥水効果がクリーナーによって落ちることもあるかもしれません。
また、「乾拭きするだけよい」と書かれている場合は、そもそもクリームなどがほとんど浸透しないため、表面を綺麗に保つだけで問題ないよ、という意味ともとれる気がします。
なので、不安な方はクリーナーは使わない方がよいかと思います。
ただ、「クリーナーを使うのは怖いけど、簡単なお手入れはしたい」という方は、ローションタイプのケアグッズを使うのがおすすめです。
左:ローションでお手入れしたバックパック
水分、油分、ロウ分がバランスよく入っているのがこういったレザーケアローションで、これひとつで必要最低限のお手入れができます。
強くはありませんがクリーナーに近い効果も発揮するため、古くなったローションの成分を落として、新しい成分を革に入れることも可能です。
お手入れ方法も簡単で、布に取って塗り、乾拭きするだけ。ローション系のケアグッズが一番簡単だと思います。
ただし、こういったローション系のものは無色のものが多いため、補色ができません。
顔料系の革はお手入れをしていればそれほど色が抜けるということはありませんが、もし色が落ちてきたと感じたら顔料の入ったクリームなどをお使いください。
こちらは靴用のクリームです。

また、バッグの角が擦れてしまった場合は、色補修をするクリームもあります。

難しいのはこういう革
一見銀面(革の表皮)のある革かと思いきや、実はコーティングレザー(所謂ガラスレザー)だった、ということもあります。
コーティングレザーは表面を擦って樹脂のコーティングがされていて、なめらかで艶がある仕上げのものが多いですが、こういった見分けがつきにくいコーティングレザーもあります。
毛穴風のプレスを施したコーティングレザー
これは、革の毛穴のような凹凸を型押しでつけた仕上げのものです。一見銀面のように見えますが、コーティングされているので浸透しません。所謂ガラスレザーの一種です。
また、コーティングレザーほどしっかりと樹脂が乗っていなくても、顔料と塗膜で表面をがっつり覆った革もあります。(浸透はしますが、クリーナーで表面の顔料が落ちます)
ガラスレザーの見分け方についてはこちらの記事でも解説をしていますので、よければ参考にしてみてください。

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