「鏡面磨きに失敗した!」とか「できない!うまくいかない!」という場合に考えられる原因をいくつかご紹介させていただきます!
どうもはじめまして、くすみ(kusumincom)と申します。
僕も何度も失敗して革にシミができてしまったり、革が傷んでしまったりと…いろいろ経験しました。
新しい革靴を買って「鏡面磨きすっぞ!」っていう一番楽しいときに、鏡面磨き失敗しちゃうのは残念…。
恐らくこの記事を読んでくださってる方も、失敗をされた経験方なんじゃないかと思うのですが、もしかしたら次回からはうまく鏡面磨きができるヒントが隠されているかもしれません!
よければ参考にしてみてください!
鏡面磨きに失敗する原因
原因はこんな感じかと思われます。
- 下地ができていない
- ワックスが固すぎる/柔らかすぎる
- 一度に塗る量が多すぎる
- ワックスを拭き取ってしまっている
- 布を湿らせる水の量が少ない
- 革自体がワックスが乗りにくい状態になっている
- 靴が新品
①〜⑥をそれぞれご紹介していきましょう!
①下地ができていない
鏡面磨きは、ワックスの下地をしっかりと作れば、ある程度光ってくれます。
そこからいかに鏡のような鏡面をつくるかというのは技術や経験の差になってきますが、まずはとにかくワックスの下地を作ること。
つまり革にワックスの下地をしっかり定着させること。
それが鏡面磨きに失敗しない第一歩です!
ワックスは、製造の過程で容器に流し込むために『有機溶剤』という成分が含まれています。
なので、新品の状態だと柔らかい場合が多いです。
例えば、1層目に塗ったワックスが柔らかいまま定着していないと、2層目にワックスを塗ってもうまく重ねていくことができません。
下地を作るコツ
ワックスの層を重ねないと下地もできませんので、ワックスを乾かして定着させながら塗り重ねましょう。時間をかけてゆっくり磨いてみると、ワックスが乾いて定着しやすいのでおすすめです。
また、つま先 → かかと → 反対の足のつま先 → かかと…という順番でワックスを乗せていくと、塗ったワックスをしっかり乾かしながら塗り足せるので効果的です。
②ワックスが固すぎる/柔らかすぎる
ワックスが乾燥して固すぎる、もしくは新品で柔らかすぎると下地づくりが難しくなります。
先ほどもご紹介したとおり、鏡面磨きにはワックスの下地がとっても重要です。
ワックスが乾燥しすぎている場合
例えば、ワックスが上の写真のように乾燥しきっている場合、革にワックスがなかなか乗らないことが多いです。
塗る量にもよりますが、乾きすぎたワックスは塗りづらい場合が多いです。
ワックスが乾燥しすぎてしまった場合は、ワックスを熱してあげると再び使えるようになります。
※火気には十分ご注意ください
もしくは、新しいワックスと混ぜ合わせてあげてもいいのですが、それではれば新しいワックスを使った方が便利かと思います。
ワックスが新品の場合は乾かす
また、ワックスがまだ新しく有機溶剤を豊富に含んでいる場合、ワックスが柔らかいので塗り重ねるのが難しいです。
なので新品のワックスは購入後1週間くらい蓋を開けて放置し有機溶剤を飛ばしてあげると使いやすくなります。
お好みの硬さになるように数日ごとに様子を見ながら乾かしてみてください。
ホコリが入らないように気をつけてくださいね。
③一度に塗るワックスの量が多い
一度に塗るワックスの量が多すぎると、ワックスが乾くまで時間がかかるし、何よりムラになってでこぼこしてしまいます。
何層も薄く塗り重ねることで、ワックスを乾かしながらムラの無い鏡面の下地を作っていくことを心がけましょう!
ワックスを塗り足す回数は5〜7層でうまくいかない場合は、最初は10層塗ってもらってもいいと思います。厚塗りで鏡面を仕上げることができたら、下地を塗り足す回数を減らしていけばいいだけです。
ムラなくワックスを塗るコツ
大事なのは薄く塗り伸ばすことでワックスを乾燥させて定着させること。毛穴を埋めるように塗りこむイメージです。そうすればムラもできません!
ただし、力が強すぎると下地を取って(剥がして)しまう可能性もあります。
ここは難しいところですが、強すぎず弱すぎない絶妙な力加減で塗っていただくとよいでしょう。
④布でワックスを拭き取ってしまっている
下地を作る段階では、指で直接ワックスを塗ってみてください。
というのも、ネル生地などの柔らかい布でワックスを塗り足すと、布がワックスを吸い取ってしまい非効率だからです。
ネル生地の布を使うのはあくまで下地ができた後。
塗り足すためではなく、下地の表面を整えるための布です。(布にワックスを取って塗り足すこともあります)
なので、コツと言うとちょっと大げさかもしれませんが、布の、ワックスをつける面と磨く面は分けるとうまくいくかもしれません。
もしくは、布は磨くだけに徹して、ワックスを足すのは布を巻いていない指を使うとよいでしょう。
これ割とおすすめです。慣れてくると指先だけで、塗って磨いてができるようになってきます。
ワックスを拭き取らないコツ
布でワックスを拭き取ってしまうのは、つまりワックスが固まっていないから。
同じ場所ばかり磨かず、つま先 → かかと → 反対の足のつま先 → かかと、というように場所を変えて磨いてください。
ワックスを乾かすために同じところばかり磨かない!
⑤布を湿らせる水の量が少ない
こちらも同じく水を垂らして布で磨いていく時の失敗例です。
そもそも鏡面磨きで水を使う理由は、ワックスと布の滑りを良くするための潤滑油的な役割を果たすわけです。しかし、その水分量が少ないと、ワックスと布が直接ふれてしまい綺麗な鏡面ができません。
布の繊維がワックスの表面に細かい傷をつけてしまうんですね。それではいつまでもワックスが曇ったままです。
ワックスと布が触れ合う部分は常にうっすら湿っている状態がベストです。
水研ぎは水が多すぎてもダメ!
逆に、水の量が多すぎて失敗したこともあります。
つける水が多すぎると革が水を吸ってしまい、ワックスが乗らなくなります。
革が水を吸ったらやり直し
革が水を吸ってしまうとワックスが乗らないので、乾くのを待ってまたチャレンジしてみてください。
一度ワックスを落として、やり直してもらった方がよいでしょう。
水分量には十分気をつけて試してみてください。
余裕が出てきたら、水研ぎをしているときの指の滑り具合も気にしてみてください。水が少ないと滑りが悪くなります。
滑りで適切な水分量がなんとなくわかるようになってくるように思います。
⑥革自体がワックスが乗りにくい状態になっている
一見同じような見た目の革でも、ワックスが乗りにくい状態になっているということがあります。
左右の靴も一見同じような見た目でも使っている革の部位が違うため、やはりワックスの乗りや仕上がりやすさが違うということもあるわけですね。
ただ、革が水を吸っていたりしなければ、よっぽどのことがない限りワックスの重ね方でどうにかなります。
また、乳化性クリームは水分が多いのでワックスが乗りにくいということもあります。なので、ワックスを塗る前は油性クリームで仕上げておいた方がワックスは多少乗りやすいかもしれません。
とにかく、ワックスが乗らないところを躍起になってこねくり回してもうまくいかないどころか、つい力が入って革を傷めてしまったり、クリーナーなどで変にシミができてしまうなんてこともあります。
焦っていると、ワックスが乾いて定着する前にワックスを足してしまい、結果ワックスを溶かして剥がしてしまいます。
ワックスが乗らない時は
とにかく焦らないこと!
あ、ダメだなって思ったら一旦手を止めて、コーヒーを飲んだり外の空気を吸う!笑
ゆっくり焦らずワックスを定着させることを意識しながら塗り足してみてください。
それでもダメなら、一度ワックスを落とすか、しばらく時間をおいて一度ロウの含有量が多いクリームで表面に膜を作ってから、再び鏡面磨きにチャレンジするしかないと思います。
⑦新品の靴は毛穴が埋まりにくい
⑥と似ているのですが、新品の靴は一番ワックスが定着しにくいです。
これはプロの職人さんでも、同じ意見の方が多いようです。
正格な理由はわかりませんが、新品の革は毛穴もしっかり開いているので、埋まりにくいというようなことを聞いたことがあります。
また、新品の靴は革がワックスやクリームを吸いやすいので、定着まで時間がかかるということもあるかもしれません。
なので、初めて磨く靴は覚悟して鏡面磨きに臨んでください!笑
もしかしたら、新品の革靴を履く前にプロの職人さんに靴磨きをお願いするというのも良いかもしれませんね。
おすすめのワックスの使い方
お好みのワックスを使っていただければいいのですが、少し硬めのワックスを使うと多少下地の定着が早くなります。
こちらの2つ。
・ビーズワックスポリッシュ
・ミラーグロス
ビーズワックスポリッシュは柔らかいワックスなので下地要員として、ミラーグロスは固く乾燥が早いので仕上げ要員として使い分けます。
ビーズワックスポリッシュを指で塗り下地を作ります。
特に、ビーズワックスポリッシュ は柔らかめのワックスなので、指で塗って下地をつくることをおすすめします。
次に、固く乾燥の早いミラーグロスを塗り足して、鏡面を仕上げていくという流れです。
2つを使い分けるとそれぞれの特徴がわかっておもしろいと思います。
使い分けるといいといいましたが、ビーズワックスポリッシュだけでも鏡面はできます。しかし、鏡面磨きに苦労されている方は、ミラーグロスを使ってみても今までと違う結果になるかもしれません。
鏡面磨きの手順はこちらの記事でご紹介しています。
鏡面磨きをいかに短時間で仕上げるかということを理屈っぽく考えてみましたので、よろしければこちらもどうぞ。
最後に
何度も何度もやっているとだんだん慣れてきますが、とにかく焦らないこと、楽しむことを意識していただきたいと思います。
鏡面磨きが苦行になってしまうのが何より一番残念ですもんね。
程よく光らせたり、ピッカピカの鏡面にしたり、是非ご自分の一番好きな鏡面が出せるよう挑戦してみてください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
その他にも鏡面磨きに関する記事がありますので、よければご覧ください!
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