『靴ズレ』『疲れる』『痛い』という、革靴に対するネガティブなイメージをお持ちの方が多い中、少しでも多くの方により快適に、より長く履いていただける革靴の選び方を知っていただきたいと思っています。
社会人になって初めて革靴を履かれる方は多いと思いますので、その第一歩目で失敗しないために、少しでも参考になる情報をお届けできれば幸いでございます。
というわけで、若手ビジネスマンに知っていただきたい革靴の選び方をご紹介させていただきます。
革靴をおすすめするのは難しい!?
革靴をおすすめするのってすごく難しいです。
人の数だけ足の形があって、さらに左右で足の長さが違うので、足に合ったものでないと足が痛くなったり疲れが出やすくなります。なので、コスパが良いからとか革質が良いから、という理由だけでおすすめできないのが革靴の難しいところです。
靴は足の健康にも大きく関わっていて、足に合わない靴を履き続けると扁平足、開張足、外反母趾など足の健康に支障をきたすこともあり、膝や腰の痛みや姿勢の悪化を引き起こすこともあります。
なので、大きすぎる小さすぎず、足にあった靴を選ぶようにしましょう。
足に合わない靴を履くデメリットについてはこちらの記事へ
というわけで今回は…
- 価格:高い(3万円台) ⇄ 安い(1万円台)
- スタイル:ビジネス ⇄ カジュアル
- 靴の作り:硬いけど長持ち ⇄ 柔らかいけど短命
この3つの軸にでおすすめのブランドと革靴をご紹介していきたいと思います。それぞれにメリットデメリットがありますので、ご予算やスタイル、もちろん足に合うかどうかというところも含めて革靴選びの参考にしていただければと思います。
デザインは黒のストレートチップがおすすめ
ブランドをご紹介する前に、革靴のデザインのお話です。
革靴にはいろんなデザインの靴がありますが、1足目に買う革靴として一番安心なのは黒のストレートチップというデザインです。
革靴が好きな身としては本当は好きな革靴を自由に履いてもらいたいところなのですが、やはりストレートチップというデザインがビジネスで履く革靴としては一番間違いのない靴です。もっともフォーマルな革靴のひとつで、黒のストレートチップでしたら冠婚葬祭どんなシーンで履いても問題ありません。
前置きが長くなりましたが、ここからおすすめのブランドと革靴をご紹介してまいります。
①日本の足元を支えるブランド:リーガル
リーガルは日本のブランドで、とにかく靴の種類も多く価格帯も1万円台〜3万円以上のものまで幅広く展開されている、日本で一番靴を販売しているブランドです。
『日本の足元を支えている』メーカーのひとつと言っても過言ではないでしょう。
ブランドの特徴を可視化するとこんな感じになります。
ビジネスで履けるものからカジュアルで履けるものまで、そして価格も1万円未満のものから3万円以上のものまで幅広く展開されていますので、逆に選ぶのが難しいほどです。笑
3万円台なら01DRCD
靴底がすり減ったら交換修理のできる製法(グッドイヤーウェルテッド製法)で作られているため長く履くことができます。革も本革ですのでお手入れをして長く履けば経年変化も楽しめる靴です。ただ、製法的に靴底が少し硬いのですが、時間をかけて足裏の形に馴染むので長く履くには適した靴です。
1万円台後半なら011RAL
こちらは履き心地が柔らかいというのが特徴の製法(マッケイ製法)ですが、靴底の修理にはあまり向かず、修理をして何十年も履き続けることはできません。
また、革もガラスレザーという革の表面に樹脂のコーティングがされているので、雨には強いというメリットはありますが、お手入れをしてもクリームは入っていかないので革の経年変化は味わえません。
②品質へのこだわり:スコッチグレイン
スコッチグレイン [Scotch Grain] は墨田区に工場を構える革靴メーカーのブランドで、革質や靴の仕上げなど品質の高さにこだわっているブランドです。
どちらかというとビジネスで履くカチッとした靴が多いのですが、とにかく非常に綺麗な靴を作られています。
値段は3〜5万円の展開と少し高めで、先ほどご紹介したグッドイヤーウェルテッド製法の靴を作っているので長く履くには間違いない靴です。
ブランドの特徴はこんな感じになります。
ビジネスで履くドレスシューズがメインですが、中にはローファーやカジュアルなものも一部あります。価格はセール時は1万円台後半からあるので、ファミリーセールやアウトレットで安価に購入することもできます。
ただ、個人的には3万円台以上のモデルの方が革質や靴のシルエットも美しいものが多いので、靴を長く履いていただきたい側の人間としては後者をおすすめいたします。
3万円台ならアシュランスかベルオム
アシュランスというシリーズならデザインもいろいろあるので。甲が低い方は内羽根の靴、甲が高めの方は外羽根の靴で選んでいただければと思います。足が細い方であればベルオムの方が細身です。
もしご予算的に4万円とか5万円でも大丈夫という方は、選択肢も広がるので是非いろいろ履き比べて足に合ったものを選んでいただきたいです。
③手縫い製法のコスパ靴:ジャランスリウァヤ
ジャランスリウァヤ [Jalan Sriwijaya] はインドネシアで製造されているブランドです。
人件費が安いことと輸入の関税もヨーロッパに比べると安いことから、基本3万円台の非常に安価な靴を提供してくださっています。
ビジネスで履けるカチッとした革靴とオンオフ両用でも履けるカジュアル寄りなものまで幅広く、何より手縫いの製法(ハンドソーンウェルテッド製法)なので靴底も比較的柔らかく、修理もできて長く履くことも可能です。
ブランドの特徴はこんな感じになります。
基本は3万円台です。ビジネスで履けるドレスシューズはもちろんですが、カジュアルなローファーやブーツなどの展開も多い印象です。
ビジネスならストレートチップ
ビジネスならやはりストレートチップのモデルがおすすめです。
ジャランスリワヤ には同じストレートチップでも形の違うものが4種類以上あるので、是非いろいろ履き比べて足に合うものを選んでいただければと思います。
上のダークブラウンの靴も素敵ですが、ビジネスで履く1足目なら無難に黒をおすすめします。
オンオフ両用なら外羽根プレーントゥ
先ほどの内羽根の靴と違ってこちらの外羽根の靴は少しカジュアル寄りな印象になるとされています。
それでも足元のボリュームが出すぎなければビジネスで履いても問題はありません。また、こう言った外羽根の靴はカジュアル寄りであるということもあって、オフで履いてもらっても大丈夫です。
やはり革靴は高価なものですから、オンオフ両用したいという方にはおすすめです。
カジュアルならローファー
コインローファーです。カジュアル用途として革靴お探しの方にはチャレンジしていただきやすいと思います。
写真はシボ革ですがスムースレザーのモデルもスエードのモデルもあります。
以前ジャランスリウァヤの店舗にお邪魔したときに主要なモデルをいろいろと見せていただいた記事もあるので、是非参考にしてみてください。
ジャランスリウァヤの日本橋高島屋店にお邪魔した記事はこちらです。
革靴のお手入れ
革靴のお手入れは慣れれば簡単ですが、工程が結構あります。なので本格的な靴磨きは興味を持ってもらえたらやってもらえればいいと思います。本格的な靴磨きの方法はこちらの記事でご紹介しています。
なので、今回はすごく簡単なお手入れを2種類ご紹介します。
必要最低限のお手入れ
オールインワンローションを使ったお手入れです。塗って少し待って乾拭きをするだけ。これで栄養補給とツヤ出しと簡単な汚れ程度なら落ちるので、必要最低限のお手入れです。
でもこれをやるのとやらないのでは大違い。これだけでかなり靴が長持ちするようになります。
こちらのローションは靴以外の革製品にも使えるので、非常に便利です。バッグ、お財布、ベルトなど一本持っておくと便利です。
ローションの使い方はこちらの記事でご紹介していますので、是非一本下駄箱に置いておかれることをおすすめします。
新品の靴のお手入れ
革靴は新品の状態だと非常に硬いです。
しかし、多少の水分や油分を加えて革をほぐしてあげるだけですごく柔らかくなります。なので新品の靴で靴ズレするとか痛みを感じるという方におすすめしたいお手入れです。
靴の外側に先ほどのローションのようなものを塗っていただくのと、さらに靴の内側にもデリケートクリームというクリームを塗ってあげるとかなり履き心地が柔らかくなります。
靴の内側も革でできているものでないと効果はありませんが、靴ズレでお悩みの方には是非知っていただきたいお手入れです。
新品の革靴のお手入れはこちらの記事でもご紹介しています。
スーツはスーツ屋、靴は靴屋で
革靴は選ぶのが難しいです。スーツ屋さんでも革靴は売られていますが、スーツ屋さんは革靴の専門でない場合は多いです。革靴はスーツと合わせるスタイリング以外にも、サイジングや履き心地についても意識する必要があるので、革靴はスーツ屋さんではなく靴屋さんで購入されることをおすすめします。
特定のブランドがお決まりの場合はブランドの専門店に行っていただくのが良いと思いますが、色々履き比べをされたい方は是非百貨店に足を運んでみてください。百貨店でも2〜3万円台の紳士靴も取り扱っているので、低予算でも初めての方でも敷居が高いを感じる必要はありませんよ。
専門店や百貨店でいろんな靴を履き比べていただくか、靴選びが難しければシューフィッターさんという方にフィッティングを見ていただくのもよいでしょう。
シューフィッターさんについてはこちらの記事でご紹介しています。
最後に
別のメディアでもお話をさせていただきました。同じ内容もありますが、よければご覧になってみてください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
3万円台で買える靴は他にもご紹介していますので、是非こちらも参考にしてみてください。
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